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説明責任を果たすことと喧嘩しても良いということとは違うねという話

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今年を振り返る「なんかかく」アドベントカレンダー 20 日目です。もう 20 日だ!

就職して以来、1 社めでは会社の「文化」が大事だと言われてきました。私の経験は 1 社目 20 年弱 → 2 社目 2 年 2 か月という非常に偏ったサンプルですが、いずれも 文化 というか、皆の共通認識みたいな価値観に助けられていて、仕事へのスタンスや自身の居心地に大きく影響していると思ったので、その辺りを書いてみますというポエムです。

結論

その伝え方って結局目的を達成できると思う?

と考えると自然とトゲついた言葉は非合理的なので、あまり使わなくなると思う。まず自分のご機嫌をちゃんと取って、相手を尊敬しつつ、良い文化に貢献したい。

「説明責任」とか「誠実に」とか

説明責任とか誠実にふるまう、とかいうこと。1 社目の会社では、開発は「ステークホルダーへの説明責任を果たそう」と言われてきました。しかしそれは「正論をぶつけてステークホルダーと喧嘩しよう」じゃないな、と思っています。同じように「何故」を追求することも大事だと言われましたが、それも、「疑ってかかる」ためにするものじゃないなとおもっています。

不機嫌 ってコストですよね。

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考え方の背景にある「文化」

「文化を変えようと思うのであれば、文化がどのように共有されているかを理解すること」というフレーズが 「システム運用アンチパターン」 で登場しました (これも最近読み直した)。

前職での文化は社長や上司が何度も何度も同じことを言いまくって伝承してきたもののような気がします。そして私も文化を共有してきた一人として、その文化は「天邪鬼がわいわいやるタコ部屋」みたいなもので、タコ部屋の中で受け継がれてきたものだった気がします。

文化とは、いま何ができるか、知っているかではなく、「自分がめっちゃ疲れてバスで座ってて目の前にお年寄りが来たら」どう行動するか、みたいな価値観が揃ってるのが大事、みたいな話です。

「なんとなく譲ったほうが良いと思うけどそれを上司が強制するとかだと違う」という意見が出たり、「それってお年寄りがムキムキマッチョだったらどうする?」とか、「自分も子連れだったら?」とか実際の状況ではもっと複雑にパラメータが変わります。

とくに「上司に言われたくない」というのも結構「ある」気がします。「んなことわかってたわ!席譲ろうとしてたわ!『上司』のせいでやる気なくなったわ!」とか、私は割と思ってました。

「バスで座ってて目の前にお年寄りが来たら」はただの比喩なのですが、実際の仕事の現場だったら例えば「金曜日の夕方 5 時にステークホルダーから『今日中にどうにかして』と言われたときにどうするか」とか「後輩に仕事を任せたがこういうミスをしてしまったときに仕事を任せた自分はどうするか」とかそういう具体的なシチュエーションでどう行動するか、ってのが概して合っていると職場に居やすいです。

「説明責任」と「ステークホルダーへのリスペクト」は「自分のご機嫌」で両立できる

説明責任に話を戻すと、説明責任は果たすにせよ、そのために他へのリスペクトをなくしては目的の達成に至らないなと最近では思っています。さらにまず自分のご機嫌を自分で取ることがだいじだなと感じています。自分の機嫌を取れると、相手へのリスペクトも忘れずにいられるくらい心に余裕が生まれます。

で、コツは「話し方」にもある気がしています。「真摯に話す」「戦場カメラマンのように話す」「お医者さんのように話す」

ただの些細な言い回しがどのように人に響くかとか、考える機会をもらえるようになった気がしています。で「説明責任」に関して考えると、ユーザーとは (喧嘩するのではなく) どう協業して現状の取れうる答えを見つけるかという面白い作業なわけです。

  • 謝るときに謝りすぎない。気軽に謝ってると謝られたほうは本当に謝られるに値する迷惑を受けた気になってしまう
  • 二重否定を使わない
  • 無効にすることができない みたいな脳に負担のかかる言い回しをしない

などなど。

伝え方について気持ちが及ぶようになると、自然と、トゲついた言葉は結局相手を動かすという目的には不十分、非合理なので、選択肢から外れるようになります。そしてそこまで冷静に考えが及ぶようになるためにはまず、自分のご機嫌をちゃんと取らねばとなるわけです。

image.png

まとめ

  • 1 年め ... 仕事を覚える
  • 2 年め ... 仕事をして、人の役に立てるようになることを覚える
  • 3 年目 ... 仕事をして、人の役に立てるようになることを覚える + 質と量を伸ばしていく

説明責任を果たすことと喧嘩しても良いということとは違う。なんだか結果的に技術とは技術以外の領域でどれだけ相手を尊敬してふるまえるかということが 最強のスタッフ エンジニア だなあなどと感じつつ、お仕事を面白がっております。

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