製品を提供する開発のお仕事は、期待を良い意味で裏切ったり、悪い意味で裏切ったりすることがあると思います。ユーザーから受けるフィードバックにはどちらかと言えば悪い意味で期待値がズレていたことが可視化されてきます。そのすべてを「伸びしろ」として受け止めておけば、受け止める側としては良いことづくめなのですが、一方のユーザーには「消化不良」が残ることになってしまいます。
そんなユーザーの期待値をどうコントロールするか、永遠の課題ながら、なんとなく思っていることを見える化してみようとして書きます。我流ですが…
例えば
人は、期待値という物差しで相手を、サービスを比べることがある
- あのラーメン屋すごく美味しいってテレビでやっていたから行ってみよう!
- でも、思ったほどじゃなかった…
 
 - あの映画、すごく面白いって言われてる!
- でも、思ったほどじゃなかった…
 
 
逆に
- 旅先でたまたま入った食堂がものすごく美味しかった!
 - たまたま時間が空いたから見た映画、ものすごく面白かった!
 
後者のほうが、満足度が高くなることがある。当然、できれば満足感を得てほしい。以下、自分が「ラーメン屋」だった際にどうすればよいのかを考えたもの。
期待値が高い人にどう接するか
期待値をありがたく受け止める
- 大前提として、感謝して受け止めるようにしています。
 - 「はい」「承知しました」「了解です」「わかりました」「ありがとう」、自分はどストレートに言うようにしています。ど頭から話題を逸らすと聞いてもらえていない感があるのではと思うのです。元気に対応するのも大前提。
 - 「一方で」… 「一方で」をよく使います。もう少しほかの語彙も欲しいです。でも「しかし」「ですが」とかは言わないようにしています。否定されたように感じられてしまうと思うのです。
 
期待値が高い = 対象への解像度が低い
- たとえば
- 「クラウドって便利なんですよね!」
 - 「マネージド サービスって便利ですよね!」
 
 - バイアス
- 前回も良かった (と思う)
 - 評判が良かった (みたい)
 
 - 要件定義がゆるい: 要件定義とは?開発に役立つ使い方、トレンド記事やtips - Qiita
 - 単によく知らない
 
来店してくれてありがとう。でもなんだか不安をよぎるその視線。
断るのではなく、正しく解像度を上げる
- 「解像度」と表現していますが、正確に「これはできる、これはできない」とかを詳細化していく作業かもしれません。
 - 具体的なストーリーを添える。
 - まずはざっくり、目次的なものを伝えてみる。以下みたいな。
 - 「期待値が高い」と、すでにハードルも高い。できる限り、ハードルを下げていく…
 
正しく断る。代替案を言い換える。たまには逃げる
- そもそもできないことをできるかのように表現することはしない。
- しかし、単刀直入に「できない」と言うと期待値に反して満足度が下がりすぎる。ので、いきなり伝えない。
- 「ご来店心よりありがとうございます。お伝えしづらいのですがこのメニューはオプションで…」
 
 
 - しかし、単刀直入に「できない」と言うと期待値に反して満足度が下がりすぎる。ので、いきなり伝えない。
 - まず「現段階の情報だけでは具体策に落とし込めない」など、嘘をつかずに伝える。
- 「こうすることならばできる」を伝える。
- 「材料の値上がりなどもあってこのメニューはプラス 50 円となっております」
 
 
 - 「こうすることならばできる」を伝える。
 - 無理難題に対して聞かれたとおりに答えない。
- 「これ明日までにできる? (と夕方 5 時に言われる)」
- この場合相手はもはや本当に明日までにやってほしいと思っているわけではなく、単に我を忘れているだけである。
- 明日までにやる気持ちで臨んでほしいという期待だけ受け止める。
- まあ、無理なので、時には逃げるに如かず。逃げ方だけ考える。
 
 
 - 明日までにやる気持ちで臨んでほしいという期待だけ受け止める。
 
 - この場合相手はもはや本当に明日までにやってほしいと思っているわけではなく、単に我を忘れているだけである。
 
 - 「これ明日までにできる? (と夕方 5 時に言われる)」
 - 期待値に応えられる人、モノを探す。
- 自分だけで応えられなくていい。
- 「ラーメン屋」でパスタは出せない。
 
 
 - 自分だけで応えられなくていい。
 
お返事の対応速度に対する期待値は、可能な限り裏切らない
- わかりやすく情報を盛り込む。
 - 必要とされている締め切りから逆算して依頼主が作業できる余白を付けて返す。
 - リアルタイムで応答する。
 
期待に応えられないことがわかっているときは、冷却期間をつくる
- 期待に応えることがお互いに幸せではないケース
 - いわゆるお祈りメールの法則
- お祈りメールは、いきなり送られてこない。1 週間位かけて送られてくる…
 
 
最後はお礼
- 色々伝えつつ、最後はお礼の言葉を添える。
- 「ご来店心より感謝申し上げます!」
 
 
期待値が低い人にどう接するか
期待値を低いまま受け止める
- 理解いただいている部分を、やはり 感謝 して受け止める。
 
オマケを付ける
- まさに良い意味の期待の裏切り。喜んでもらえる。
 
ここでもお返事の対応速度に対する期待値は、なるべく裏切らない
- さらに次につながる。
 
そして感謝
- 以下略。
 
そもそも期待値は、自分じゃない、他人の物差し
- 他人の物差しをコントロールするのは、元来とても難しい。普段から、ドキュメントとか、発信を心がけていくことは大事だとおもう。
 - 他人の物差しを、自己補正してもらえるように、ちょっとだけ手助けをする。
 - 期待に応えられないことがあっても、究極的には自分のせいじゃない、単なる「伸びしろの発見」
- …と思えるようになってからとても楽に考えられるようになったなー、とおもいます。
 
 
参考
期待値には「幅」をもたせる #初心者 - Qiita
結局すべては期待値調整だよ!というお話。 #ポエム - Qiita
期待値のコントロール - Konifar's ZATSU
以上です~

