0. はじめに
お久しぶりです!
半年ぶりの投稿になりました、drken (通称、けんちょん) です。この記事は
の 21 日目の記事として書きました。僕は「記事を書く」というゲームについての記事を書こうと思います!!!
記事を書くのはゲームなのかと問われると、なんか違う気もするのですが、世の中には「一つの作品を作り上げる」というタイプのゲームもたくさんあるので、それに近い感じかなと。そして、ぜひともお伝えしたいのは
記事を書き上げたときの、何物にも代えがたい達成感
です!!!
きっと誰しもが、日々の仕事・勉強で得た気づきや、伝えたい問題意識など、「語りたいこと」がたくさんあるはずです。それを自分の手で体系立てて、題材を取捨選択し、ストーリーを築き上げて、記事という「作品」に仕上げる。今まで混沌としていた知識が整理される。それは最高に気持ちよいことです。
しかも「記事を書く」という行為は、パズルのピースを組み上げるようなゲーム性があるだけでなく、コミュニティへの貢献にもなるのです。自分の書いた記事が「参考になった」「わかりやすかった」と言っていただけることは、大変嬉しいことです。本記事では、そんな「記事を書く」という営みについて、まとめます。
(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1904/08/news130.html)
1. 記事を書くことで広がる世界
さて、いざ「記事を書こう」と言われても、不安に感じている方はたくさんいらっしゃると思います。そんな方へ、まずは不安の原因を探りつつ、それでも記事を書くことによって、ドンドン世界が広がっていくことを書きたいと思います。
1-1. コミュニケーションが生まれる
世の中には、どんな分野に行っても強い方々がたくさんいます。そんな中で記事を書くことに対して、尻込みしてしまう方も多いかもしれません。しかし、その分野の初心者だからこそ書ける記事も間違いなくあります。初心者の状態から精進して成長していく様を発信することは、同じように頑張っている方の刺激になり、モチベーションを高め合う効果が生まれます。そうしているうちに、いつの間にか仲間やライバルが増えて、豊かなコミュニケーションに結び付いていくでしょう!
1-2. 強い方から指摘をもらえる
記事を書くことで、おかしな箇所や書き方について批判されることを恐れている方も多いかもしれません。しかし自分一人では、どれほど注意深く調査を頑張っていても、見落としがあったり、曖昧な理解が残っていたりするものです。そんなときは、まずは記事を出してみるのもよいと思います。それによって、自分では絶対に気付けなかったようなことへの指摘をいただいて大いに学ぶことができます。
そしてそのためにも、指摘していただけるだけの記事にしたいところです。Qiita 公式ガイドラインにも、以下の記述があります。
自分用のメモのつもりで書いたものでも、少し気をつけるだけでぐっと価値のある記事にすることができます。
「何について書いているのか」が一目でわかるようにするだけでも、記事が役に立つ可能性が大きく上がると思います。
1-3. 自分なりの視点を大切にできる
記事を書く上での大きな不安として
- 似たようなテーマの記事はすでにあって、自分が書く意味があるのだろうか...
というものがあると思います。しかし、そこは「記事」と「論文」の違いが出るところだと思います。同じことを解説していても、既存の記事とは異なる視点から語ることには、大きな意味があるでしょう。きっと何かしら、オリジナリティを加える余地があるはずです。それを意識することで、自分がそのテーマについてどう考えているのがはっきりと見えてきます。
そして、100 人の読者がいたら、100 通りの受け取り方があります。きっとあなたの考え方に共鳴する人がいるはずです。そのためにも、オリジナルの視点をはっきりと滲み出していきましょう。
1-4. 知識が明確になる
記事を書くのはやはりとても大変なことです。書きたいことについて曖昧な理解のままでは文章にできません。そこで発想を転換して
- きちんと理解したいことについて、
- 記事にまとめると決めることで、
- それをモチベーションにして勉強する
というのも有効です。記事を書き上げる頃には、曖昧だった知識が整理されて、頭の中がとても気持ちよくなっているはずです!
1-5. 大きな達成感
漠然と日々抱えていた「語りたいこと」を上手く言語化して、一つの記事として形にすることは、ものすごく達成感があります。まとめ上げるのに苦労した記事だと、達成感もひとしおです。僕の場合、たとえば以下の記事を書くのには 1 ヶ月間かかりました。
僕は航空宇宙分野 (一種の組み込み系) でクォータニオンを使っていた人間で、この記事を企画した時点では Unity に触れたことはなかったのです。しかし世の中でクォータニオンというと、むしろ Unity の文脈が多いです。そこでこの記事を書くために、Unity について必要なところを勉強しました。様々な方がどんな想いでクォータニオンに接しているのかを感じるために、たくさんのブログ記事も読みました。その過程で、自分にとって新しい視点がザクザクと出てきて、とても楽しかったのを覚えています。
ときには、とても苦労して記事を書いても、ほとんど誰にも見てもらえないことがあるかもしれません。でもそんな場合であっても、ひとまず、自分の中のモヤモヤを体系化して言語化できたことを大いに喜んでいいと思うのです。
1-6. 喜んでもらえる
とは言ったものの、自分の書いた記事が誰かの役に立つことは、とても嬉しいことです。Twitter などで、記事へのリンクとともに「わかりやすかった」とのコメントが投稿されているのを見ると、とても幸せな気持ちになります。また書こうというエネルギーになりますね。
そして、投稿直後にはほとんど見向きのされなかった記事が、時間差で誰かの役に立つことも多いです。どんな記事もいつか誰かの役に立つ可能性があります。そしてその可能性を少しでも高めるためには、「検索されやすい状態」にすることが重要だと思います1。
1-7. 世界にコミットする
どんな分野でも、日々進歩が激しく、次々と話題となっては消えていく技術のすべてに精通していくことは大変難しいことです。
そんな世界において、技術に関する情報の全体像を素早く掴めるようにしたり、難解なことをわかりやすく解説したりする記事の需要は、大変大きいといえます。それによって、コミュニティを大きく活性化することにもつながります。また、そうした活動の中から、思わぬチャンスをいただけることがあるかもしれません2。
自分がコミュニティの一員として活動にコミットし、コミュニティと密につながれているという感覚は、とても刺激的なものです。ぜひ、オープンな雰囲気の中で、みんながそれぞれの得意なことを発信して、活発な文化が生まれると幸せですね。
(https://mikata.shingaku.mynavi.jp/article/5398/)
2. 記事書きで意識したい 9 つのポイント!
記事を書くからには、少しでも読んでもらえるものにしたいところです。そんなときに僕自身が意識していることを綴っていきます。
ポイント 1: 徹底的に調査する!
徹底的に調査するのは、とても大変な作業です。しかし、「記事を書くことで頭を整理したい」そして「コミュニティに貢献したい」と願うのならば、調査がとても大事になってきます。記事を書いていくと、周辺知識がとても気になってきます。それらも丸ごと勉強してしまいます。
さらに、記事を書こうとしているテーマについて、どんな風に考えている人が多いのかについても調査していきます。それによって、「その方々に向けて、自分なりの視点を伝えるにはどうしたらいいか」という構想が膨らんでいきます。構想が浮かび上がったら、ひたすら題材を揃えつつ書き上げていきます!
ポイント 2: タイトル負けしない!
記事を書くためのポイントとして「広すぎるタイトルにするな」「具体的で簡潔なタイトルにせよ」とよく言われますよね。Qiita 公式ガイドラインにも、以下の例が載っています。
- 「Ruby メモ」→「Ruby の定数探索はスコープと継承関係のどちらが優先されるか」
- 「正規表現でハマった」→「Ruby と JavaScript の正規表現では複数行モードの意味が違う」
- 「OpenSSL のバグ」→「CentOS 6.5 で OpenSSL の Heartbleed バグにパッチを当てた」
たとえば、「CentOS 6.5 で OpenSSL の Heartbleed バグにパッチを当てた」という内容の記事に「OpenSSL のバグ」とタイトルをつけるのは、完全にタイトル負けしてしまっているわけです。
しかし逆に考えてみましょう。もし本当に、OpenSSL のバグとして知られているものを徹底的に紹介する記事が書けたらすごいと思いませんか!?さらには、なぜそのようなバグが生まれたのかを考察することで、重要な教訓を見出せるかもしれません。大風呂敷を広げた壮大なタイトルをつけて、それに負けない記事を書くことも、チャレンジングで大きな意義があると思います。もちろん、それはものすごく手間がかかることであり、小ネタ記事を量産するのも楽しいです。いずれにしても、タイトル負けしないことは重要だといえます。
ポイント 3: 一瞬で伝える!
記事を書くとき、まずはタイトルで、「なにが書いてあるのか」が一瞬でわかるようにしたいところです。
先ほど、あえて大風呂敷を広げたタイトルをつけて、タイトル負けしない記事を目指すのもチャレンジングだと書きました。しかし依然として、「OpenSSL のバグ」といったタイトルでは、何が書いてあるのかよくわからない状態です。もし本当にその話題をまとめようと考えたならば、Heartbleed バグについて深く掘り下げることになると思います。OpenSSL に限らず、暗号ライブラリの脆弱性に関する話に広がっていくでしょう。深く深く調査していくうちに、何かしら、脆弱性に関する重要なポイントが見えてくるのではないかと思います。ぜひとも、それをタイトルに盛り込みましょう!たとえば
- OpenSSL の Heartbleed バグを徹底考察! ○○○○○ のために
とかでしょうか。この辺りのアイディアは、人によって色んなものが考えられるでしょう。
ポイント 4: 盛り上げる!
タイトルの次の掴みはイントロだ!!!
イントロでは、「この記事を読むと、なにがわかるのか」をハッキリと伝えます。そしてできることなら、読者のモチベーションを盛り上げていきたいところです。
たとえばアプリを個人開発した話を共有したいとします。個人開発話はみんな大好きです。「自分もやってみたい」と思っている方はとても多いですが、実際に成果を挙げるまでには多くの困難があることも影響してそうです。人の話を聞くことで、モチベーションを高めたり、なにか参考になることを探したりしたいわけですね。そこでたとえば @jabba さんのこの記事。
等身大の個人のアイディアによって等身大の収益を実現した、ということをイントロでアピールしています。とても気持ちが盛り上がったのを覚えています。
ポイント 5: ターゲットを明確に!
さて、読者のモチベーションを盛り上げるためには、読者層を具体的に想像することが肝要です。「累積和を何も考えずに書けるようにする!」という記事を書いたときは、以下のような流れで考えていました。
- 僕自身、累積和というテクニックを用いるとき、添字の扱い方など、頭がゴチャゴチャしていた
- しかし、累積和の使い方をテンプレ化してからは、思考停止で扱えるようになった
- ぜひ、同じように累積和を扱うときに頭がゴチャゴチャになっている方へ向けて、きちんと整理したい
記事を書くとき、「仮想的な読者」を具体的に設定して、あたかもその人に説明するようにして書くのは大変有効です。「仮想的な読者」について、以下の伊藤さんの記事が参考になります。
ポイント 6: 視点を一貫する!
読み手として色んな記事を読むとき、「結局何がいいたいのかわからなかった...」と感じたことのある方は多いでしょう。書き手としては、読者にそのような想いをさせてしまうことは回避したいところです。
そのためには、記事全体を貫く視点をはっきりとさせることが有効です。以下の記事がとてもよい例だと思いました:
技術系記事ではありませんが、参考になると思います。とても長い記事であるにもかかわらず、だれている印象がありません。それは「焼かれたのは日本アニメの過去と未来」というサブタイトルが秀逸で、記事全体を貫く視点・問題意識を最初に読者に提供しているからだと思います。
ポイント 7: 断腸の想いで削る!
記事全体で、一貫した視点で語ることはとても重要です。その「視点」と照らし合わせて、関係ないところは断腸の想いで削ってしまいます。そのような例としてカッコいいと思ったのが次の記事です。
その遠い場所は、北海道尾花岬という結論なのですが、「実際にそこに行ってハッピーセットを食べた」という話が一言で済まされています。カッコいいです。
ポイント 8: 体裁を整える!
記事を書いて、最後の最後に記事の質を高めるためには、「体裁」と「日本語の質」についても意識したいところです。
記事全体の体裁を整える上では「見出しを見るだけで、記事の流れがわかるようにする」ことがとても重要だと思います。そのためにも、見出しはなるべく短い言葉にします。また、Qiita では Markdown を効果的に活用することができます。Markdown の詳細については、公式チートシートにいつもお世話になっています:
- Markdown記法 チートシート (Qiita 公式)
また、「改行や空行を適度に入れる」ことも有効でしょう。文字を詰めすぎると、読みにくい印象を与えてしまいます。そして、「引用元や参考元へのリンクを書く」ことも大変重要です。引用は最低限のマナーですし、参考元へのリンクを張ることは読者への助けにもなります。たとえば、なにかしらの標準ライブラリ関数について本文中で言及するときは、Quaternion.AngleAxis といった具合に、さりげなく公式リファレンスへのリンクを張るのもよさそうです。
日本語については、「一文を長くしすぎない」というのがとても大きなポイントだと思います。その他、日本語の文章を読みやすくするポイントは無数にあります。それらについて、以下の記事によくまとまっています。
ポイント 9: パッションを大切に!
ここまで様々なポイントを挙げてきましたが、結局、最も大切なものは「伝えたい!」という情熱だと思います。記事を書くというのは、やはりとても大変なことです。多くの場合、書きたいことやその周辺知識について、調査しまくることになるでしょう。その後も記事構成を考えたり、題材を取捨選択したり、イントロの書き方を工夫したり...無数の困難が待ち受けています。僕自身、途中まで書いて下書きに眠っている記事が大量にあります。
だからこそ、一つの記事を書き上げたときの達成感は、何物にも代えがたいものがあります。その達成感が「次」につながるのです。
3. 参考資料
あわせて読みたい記事たちを紹介します!
海外の良記事の翻訳です。元記事は、日本よりも「アウトプットを通して学び合う」という空気感がとても豊かな文化の中で書かれたことが想像され、パッションに溢れた内容になっています。「自分も書いてみたい!」と感じさせてくれる内容です。
良い記事は「過去の自分」が喜ぶもの、備忘録は「未来の自分」が喜ぶもの、という標語的な表現が大変わかりやすいです。伊藤さんは「お世話になったコミュニティへの恩返し」という気持ちを込めて記事執筆活動に励んでおられて、その想いにはとても共感するものがあります。
- Qiitaで良い記事を書く技術 (@t12u さん)
少しでも見やすく読みやすい記事を仕上げるためのポイントを細かく解説しています。「まずリスト化する」「自分にごほうび」といった、記事を書くためのモチベーション管理に関する話もあります。
4. おわりに 〜 最高の達成感を求めて 〜
どんなに解説され尽くしたテーマであっても、きっとあなたに特有の視点や語り口があるはずです。ぜひ、みんなそれぞれが、世界に一つだけの記事を咲かせていきましょう!それは最高の達成感が得られるとともに、コミュニティへの貢献にもつながる、最高のゲームです。