この記事について
こんにちは。ちょこぱいと申します。
今回技術書を商業出版することになったため、出版までの知見をシェアしたいと思い書きました。
タイトルの答え
ゼロから商業技術書を出版するには、
アウトプット(ブログ、同人誌)をして
天命を待とう!!
対象読者
- 技術書の執筆に興味のある人
商業の技術書を書こうと思ったきっかけ
昔から漠然と「本屋に自分の本が並ぶのって良いよなぁ」と憧れを持っていました。
ある時、なぜか「商業出版を目指そう!」と思い、商業出版の仕方を調べることにしました。
出版形態について
出版形態は大きく2つに分かれます。
商業出版
出版社が本の制作費用を負担する出版形態で、著者には売上に応じて「印税」が入ります。
書店に並んでいる本をイメージすると分かりやすいです。
自費出版
著者が本の制作費用を負担する出版形態です。
自費出版を扱っている出版社を通して出版する形態と、イベントなどで頒布(※売ったり無料で配ること)する同人誌という形態に分かれます。
出版社を通して自費出版する場合は一部書店に並ぶ場合もあるようです。
本を書き始めるまで
「商業出版をするにはどうすればいいのか」というところからスタートしました。
一般的には、
- ブログなどのアウトプットを見た出版社から声がかかる
- 技術書典などで技術同人誌を頒布することで出版社から声がかかる
- 編集者とのコネクション
などのパターンがあるようでした。
私は漫画やイラストなどの同人誌制作の経験があったため、2のパターンで攻めてみることにしました。
ちなみに技術同人誌は、その名の通り、技術をテーマにした個人制作の本のことです。
技術同人誌を制作するにあたり、まずはQiitaに記事を上げてみることにしました。
それがこの「サイバーセキュリティお嬢様」シリーズです。
会話形式でセキュリティの基本についてまとめた記事になります。
このシリーズはQiitaのランキングに毎回ランクインするなどそこそこの反響がありました。
技術書典で頒布したところ、開始1時間で完売してしまうという嬉しい誤算もありました。
その後時は流れ、もはや商業出版の夢も忘れかけていたころ
私が技術同人誌を頒布していることを知っている会社の先輩が、友人の編集者を紹介してくれたのです。
おそらく、そこで一生分の運を使い果たしました笑
その方が担当編集となり、企画を進めることになりました。
出版までのスケジュール
出版までの流れはざっくり以下のようになります。
- 企画を作る・通す
- ひたすら書く&レビュー、fix版を提出
- 紙面の校正、責了(原稿が著者の手から離れる)
- 編集、印刷など出版社側での作業〜発売
1. 企画を作る・通す
<2023年6月〜7月>
まずは企画書を作って編集者に提出しました。
今回は著者が企画を持ち込む形です。
編集会議に企画を掛けてもらうのですが、企画が通るかはその時の情勢によるようなので、著者はひたすら祈るのみ。
電話で企画の採用連絡をいただいたときはとても安心しました。
2. ひたすら書く&レビュー、fix版を提出
<2023年8月ごろ〜2025年6月>
ここが一番孤独でしんどかったです笑
でもとにかく書くしかありません。
今回、本文だけでなく表紙イラスト・挿絵・漫画なども全て自分で書くという奇行に走ったため、かなり大変でした笑
諸事情により休止期間があるため、パッと見かなり長い期間執筆しているように見えますが、実質は1年弱でしょうか。
レビューはエンジニアの友人などに協力してもらいました。
また、本の正確性を担保したかったので、大学院の教授の方に技術監修を(出版社を通して)依頼しました。
3. 紙面の校正、責了(原稿が著者の手から離れる)
<2025年7月〜8月>
組版をして実際の紙面になったものを見て、細かい間違いがないかをチェックする校正作業を行います。
修正→チェックを複数繰り返したら、原稿が著者の手から完全に離れます。
4. 編集、印刷など出版社側での作業〜発売
<2025年9月>
ここからは未来の話なのですが、
発売の1-2週前に見本誌が届き、
発売日ごろ全国の書店に著作『サイバーセキュリティお嬢様と学ぶ 情報セキュリティの基本』が並びます!!
おわりに
執筆はとてもしんどい作業でしたが、責了後、素直に「また書いてみたい」と思えました。
この記事が誰かの参考になれば幸いです。