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[GSA: Internet] ”シャドウ AI 検出”の正体は アプリケーション使用状況分析(シャドウ IT の検出)のフィルタだった

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Last updated at Posted at 2026-09-13

はじめに

GSA の公開情報を読んでいると、「シャドウ AI 検出」という専用機能が存在するように見えます。

公開情報:グローバル セキュリティで保護されたアクセスでのシャドウ AI 検出
https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/global-secure-access/concept-shadow-ai-discovery?wt.mc_id=MVP_407731

しかし実際に画面を確認すると、シャドウ AI 検出専用のメニューは存在せず、以下の階層からアクセスします。

グローバルセキュアアクセス
└ アプリケーション
  └ Insights & Analytics
    └ クラウドアプリケーション(タブを選択)
      └ 生成AIアプリとツール(トグルを選択)
       └ シャドウ AI 検出 ← ここまで遷移してやっと到達

💡 補足:なぜシャドウ AI 検出は気付きにくいのか
メニューの構造を見ると、両者の配置が対照的です。

  • 生成 AI 分析情報ログ は「監視」メニュー配下にあり、名前も日本語です。分析・監視系の機能を探すときに自然に見つかります。
  • 一方、シャドウ AI 検出の元となる アプリケーション使用状況分析 は「アプリケーション」メニュー配下にあり、しかも「Insight & Analytics」という英語名で表示されています。

そのため、「シャドウ AI を監視したい」と思って「監視」メニューを探しても、シャドウ AI 検出には辿り着けません。私自身が 今回、記事のためにシャドウ AI 検出を掘り下げようとしなかったら、この機能の存在自体に気付けなかったと思います。

image.png

私は当初、シャドウ AI 検出は独立した分析機能だと思っていました。しかし調べていくうちに、アプリケーション使用状況分析(Application Usage Analytics)で収集したアプリケーション利用情報に対し、「生成 AI アプリとツール」のフィルタを適用した結果として提供されているように見えました。

本記事では、シャドウ AI 検出の仕組みを整理するとともに、実際の画面を確認しながら、生成 AI 分析情報ログとの違いについても解説します。

シャドウ AI 検出の位置づけ(全体像)
image.png

ライセンス

GSA のライセンスは、以下の私の記事で解説しています。
このうち、インターネットアクセス のライセンスが必要です。

Microsoft Entra Global Secure Access の全体像(2. GSA の利用に必要なライセンス)
https://qiita.com/carol0226/items/29cba6c32a22893a1349#2-gsa-の利用に必要なライセンス

前提となる構成

以下の構成(詳細は後述)が実装されている必要があります。

  • アプリケーション使用状況分析 および シャドウ AI 検出 の利用に必要な構成
  • 生成 AI 分析情報ログ の利用に必要な構成

アプリケーション使用状況分析 および シャドウ AI 検出 の利用に必要な構成

アプリケーション使用状況分析 および シャドウ AI 検出 を利用するには、GSA の インターネットアクセス が構成されている必要があります。

具体的には、

  • インターネット トラフィックプロファイル の有効化
  • Microsoft サービス トラフィックプロファイル の有効化
  • GSA クライアント の端末への導入

が完了している必要があります。

なお、シャドウ AI 検出は、有効化されているトラフィックプロファイルの通信のみが分析対象となります。Microsoft サービストラフィックも対象になりますが、該当プロファイルが無効の場合は集計されません。

詳細は以下の私の記事を参照してください。

[GSA: Internet] Microsoft Entra インターネット アクセスを構成する
https://qiita.com/carol0226/items/ae2bfdb209170fb41bae

[GSA:MsTraffic] インターネットアクセス for Microsoft サービス を構成する
https://qiita.com/carol0226/items/200319afceefd0de1ec9

[GSA] グローバルセキュアアクセスクライアントの導入手順
https://qiita.com/carol0226/items/8e30fc6caf36c83894dc

これ以外に シャドウ AI 検出のために特別な設定を行う必要はありません。GSA インターネットアクセス が構成済みであれば、アプリケーション使用状況分析およびシャドウ AI 検出に必要なデータは自動的に収集されています。

💡 補足:情報取得の対象外となるケース
アプリケーション使用状況分析 や 生成 AI 分析情報ログ は GSA クラウドを経由するネットワーク通信を前提としています。そのため、以下の通信は検出対象外となります。

  • GSA クライアントが未導入の端末からの通信(または GSA クライアントが一時停止中の通信)
  • ローカル環境(localhost / 127.0.0.1)で動作する MCP サーバーとの通信
    (※PC内部で完結するループバック通信のため、GSA クライアントが導入されていても検出できません)
  • GSA のトラフィック転送ポリシーに含まれないネットワーク経路(Bypass設定など)での直接通信

生成 AI 分析情報ログ の利用に必要な構成

一方、生成 AI 分析情報ログはシャドウ AI 検出とは異なり、TLS インスペクション と プロンプトシールド の構成が必要です。

そのため、

  • シャドウ AI 検出
  • 生成 AI 分析情報ログ

では必要な構成が異なります。

詳細は以下の記事を参照してください。

[GSA: Internet] TLS インスペクションを構成する完全ガイド(AD CS 対応)
https://qiita.com/carol0226/items/9cda8cfa8c6b437f1161

[GSA: Internet] プロンプトシールドによる生成AI防御:構成と実機検証・ログ確認
https://qiita.com/carol0226/items/379b4c0fbc534f639415

アプリケーション使用状況分析 では何が見えるのか?

アプリケーション使用状況分析 を一言でいうと、IT 管理者が、組織内の シャドウ IT を把握するための機能です。

公開情報:アプリケーション使用状況分析とは
https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/global-secure-access/overview-application-usage-analytics?wt.mc_id=MVP_407731

この機能は、GSA を経由した インターネット通信 および Microsoft 365 通信 を分析し、組織内で利用されているクラウドアプリケーションを可視化することで実現しています。

アプリケーション使用状況分析
以下のように、GSA を経由してアクセスされたクラウドアプリケーションを一覧表示できます。

  • 利用ユーザー数
  • 利用デバイス数
  • 通信量
  • リスクスコア

などを確認できます。
image.png

リスクスコアでソートして参照することで、組織内で利用されているリスクの高いクラウドサービスを把握できます。
image.png

image.png

つまり、この機能の本質は、

どのクラウドサービスが利用されているのか
↓
そのサービスは安全なのか

を可視化し、組織内の シャドウ IT を発見することにあります。

任意のクラウドアプリケーションを選択すると、さらに詳細な分析結果を確認できます。

  • 全般
  • セキュリティ
  • ポリシー準拠状況
  • 法的状況

などの観点から、そのサービスを組織で利用して問題ないかを判断しやすくなっています。

全般

セキュリティ

ポリシー準拠状況

法的状況

ここで重要なのは、これらの情報が GSA 独自のデータではないという点です。

アプリケーション使用状況分析では、GSA が収集した通信情報を Microsoft Defender for Cloud Apps の クラウドアプリカタログ と照合し、その結果を表示しています。

一言でいうと、

GSA のトラフィックログ
↓
クラウドアプリカタログと照合
↓
アプリケーション使用状況分析(= シャドウ IT の把握と管理につなげる)

という仕組みです。

クラウドアプリカタログ とは?
Microsoft があらかじめクラウドアプリケーションごとに、セキュリティ、コンプライアンス、法的要件など複数の観点から評価し、リスクスコアとしてデータベース化したものです。

公開情報:クラウド アプリを見つけてリスク スコアを計算する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/defender-cloud-apps/risk-score?wt.mc_id=MVP_407731

クラウドアプリカタログの内容は、以下の Defender for Cloud Apps の管理画面 から確認できます。
Defender for Cloud Apps - App Catalog
https://security.microsoft.com/cloudapps/app-catalog

アプリカタログの画面
image.png

Consumer でフィルタをかけたところ
(クラウドアプリごとにスコアリングされていることが判ります)
image.png

クラウドアプリカタログを参照するには、Microsoft Defender for Cloud Apps へのアクセス権が必要です。
 
例えば、グローバル閲覧者 (Global Reader) やセキュリティ閲覧者 (Security Reader) などの読み取り権限を持つロールでアクセスできます。
公開情報:Defender for Cloud Apps にアクセスできる Microsoft 365 および Microsoft Entra ロール
https://learn.microsoft.com/ja-jp/defender-cloud-apps/manage-admins?wt.mc_id=MVP_407731#microsoft-365-and-microsoft-entra-roles-with-access-to-defender-for-cloud-apps

つまり、アプリケーション使用状況分析 の本質は、組織内で利用されているクラウドサービスを可視化し、シャドウ IT を発見することにあります。

そして、その結果に対して 「生成 AI アプリとツール」 のフィルタを適用したものが、今回のテーマである シャドウ AI 検出 です。

言い換えると、シャドウ AI 検出は独立した分析エンジンではなく、アプリケーション使用状況分析 を生成 AI の観点から表示したビューとして捉えることができます。

シャドウ AI 検出 の正体は何だったのか?
前述のとおり、シャドウ AI 検出は専用の分析機能ではなく、アプリケーション使用状況分析(Application Usage Analytics)で収集した情報のうち、生成 AI サービスだけを抽出して表示するものでした。

ここで重要なのは、アプリケーション使用状況分析 自体が、本質的には組織内で利用されているクラウドアプリケーションを可視化する シャドウ IT の検出機能だという点です。その中から生成 AI サービスだけをフィルタリングした結果が、シャドウ AI 検出 と考えることができます。

そのため、シャドウ AI 検出のために特別な構成を行う必要はありません。GSA インターネットアクセス が構成済みであれば、アプリケーション使用状況分析のデータが収集され、その副産物としてシャドウ AI 検出も利用できるようになります。

公開情報:シャドウ AI 検出へのアクセス
https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/global-secure-access/concept-shadow-ai-discovery?wt.mc_id=MVP_407731#access-shadow-ai-discovery

シャドウ AI 検出とは何か?

アプリケーション使用状況分析の結果に対して「生成 AI アプリとツール」のフィルタを適用したものが、今回のテーマであるシャドウ AI 検出です。

公開情報:グローバル セキュリティで保護されたアクセスでのシャドウ AI 検出
https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/global-secure-access/concept-shadow-ai-discovery?wt.mc_id=MVP_407731

言い換えると、シャドウ AI 検出は独立した分析機能ではなく、アプリケーション使用状況分析を生成 AI の観点から見たビューと捉えることができます。

実際には、クラウドアプリケーション タブで「生成 AI アプリとツール」を有効化することで、生成 AI に関連するサービスだけが抽出されて表示されます。
image.png
image.png

以下のように、フィルタのカテゴリを開いてみると判ります。

  • AI モデル プロバイダー
  • 生成 AI
  • MCP サーバー

また、ChatGPT や Claude、Gemini といった対話型 AI サービスだけではなく、AI モデル API や MCP(Model Context Protocol)関連サービスも検出対象となります。

なお、本記事のキャプチャでは対話型の生成 AI サービスへのアクセスしか検証できていませんが、このフィルタで抽出された結果に着目してチェックすることで、組織内で利用されている MCP サーバーなどのシャドウ AI も発見できるようになっています。

つまり、シャドウ AI 検出の本質は「生成 AI を監視するための専用機能」ではなく、「組織内で利用されている生成 AI サービスを可視化するためのフィルタ機能」と考えると理解しやすくなります。

次に、Microsoft が公開情報の中で比較している「生成 AI 分析情報ログ」との違いを見ていきます。

シャドウ AI 検出 を 生成 AI 分析情報ログ で補完する

以下の公開情報で、シャドウ AI 検出だけで利用するのではなく、生成 AI 分析情報ログ を補完的に使うことが説明されています。

公開情報:シャドウAIの発見と生成AIインサイト
https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/global-secure-access/concept-shadow-ai-discovery?wt.mc_id=MVP_407731#shadow-ai-discovery-vs-generative-ai-insights
(上記より抜粋)

シャドウ AI 検出と 生成 AI 分析情報ログ は補完的です。 シャドウ AI 検出では、Microsoft Defender for Cloud Appsクラウド アプリ カタログを使用して、ユーザーがアクセスする Generative AI SaaS アプリケーションを識別します。

生成AI 分析情報ログ では、TLS 検査とディープ パケット検査を使用して、これらのサービスに送信された実際のプロンプト コンテンツとモデル コンテキスト プロトコル (MCP) 操作をログに記録します。

Global Secure Access における シャドウ AI 検出と生成 AI 分析情報ログ の違い
image.png

つまり、両者を組み合わせることで、

  • シャドウ AI 検出で「どの AI サービスが利用されているのか」を把握する
  • TLS インスペクションとプロンプトシールドを構成し、ログに残す
  • 生成 AI 分析情報ログで「AI に何が送信されたのか」を確認する

という使い分けができます。

生成 AI 分析情報ログ の画面イメージ
コンテンツの列には、生成 AI に投稿したプロンプトが記録されています。
image.png
トランザクション ID の列がリンクになっており、そこから開くことで詳細も確認できます。
image.png
image.png

公開情報:グローバル セキュア アクセスにおける生成 AI インサイト (プレビュー)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/global-secure-access/concept-generative-ai-insights?wt.mc_id=MVP_407731

まとめ

当初私は、「シャドウ AI 検出」は専用の分析機能として提供されているものだと思っていました。

しかし実際に調査してみると、その正体はアプリケーション使用状況分析(Application Usage Analytics)に蓄積された情報に対して、「生成 AI アプリとツール」のフィルタを適用した結果として提供される機能であることが分かりました。

つまり、

GSA(インターネット / Microsoft 365 トラフィック)
↓
アプリケーション使用状況分析
↓
シャドウ IT の可視化
↓
生成 AI アプリとツール(フィルタ)
↓
シャドウ AI 検出

という関係です。

また、シャドウ AI 検出だけではなく、生成 AI 分析情報ログも併用することで、

  • どの AI サービスが利用されているのか
  • AI に何が送信されているのか

をあわせて把握できます。

GSA の公開情報だけでは気付きにくい部分ですが、シャドウ AI 検出は独立した分析機能というよりも、アプリケーション使用状況分析を生成 AI の観点から可視化する仕組みとして理解すると、その位置付けが分かりやすいと感じました。

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