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システムエンジニアは「傾聴」のソフトスキルを磨きなさい 〜仕事ができる人材への階段〜

Last updated at Posted at 2018-08-09

おっす俺、システムエンジニア。

ここではエンジニアに必要なソフトスキル「傾聴」の話をするんだぜ。

君は確かにすごいエンジニアかもしれない。
「プログラミングの腕さえあれば良いのさ」と思って、軽く読み飛ばしたくなるだろう?

だけど「話を聞く」いうのはエンジニアの仕事でも、いや、エンジニアという仕事だからこそ、とても重要なスキルなんだ。

しかもこのスキルは、練習次第で伸ばすことが出来る。プログラミングの腕と同じだ。

さあ、やってみよう!

俺の歴史

‥と、その前にオレオレ話。

(冒頭に一人称を「俺」と書いてしまったので、以降も「俺」と書く)

現在、4人-6人ほど少人数チームで、社内向けのアジャイル開発をしている。

俺自身は、システムエンジニアとして働き始めてから、なんと2年ぐらいは、人の話を聞くことがどうにも苦手だった。2日じゃない、2年だ。

チームミーティングや会議中など、自分でも気づかぬうちに、すぐに意識が他の場所に飛んでしまっていた。
仕事において「人の話を聞く」というコツがどうにも分からなかった。

(プライベートでは「人の話を聞くのが上手だね」と言われることが多かったんだけど、仕事での「話を聞くスキル」は、どうやらまた別軸にあるようだった)

空中戦はお好き?

今のチームでは「スタンドアップミーティング」と呼ばれる「朝会」「夕会」を毎日おこなっている。
各メンバーが自分の状況を報告したり、実装について検討・相談を重ねたりする時間だ。

これはさながら空中戦みたいなものだ。
自分が話すことをキープしながら、一瞬一瞬に各メンバーが交わす会話を取りこぼさず、理解し、頭の中で組み立て、反応し、さらにその連鎖反応の中で最適解を見つけていく必要がある。

加えてこいつは、数学の授業のようで、連載ドラマのようで、一回を見逃すと、次からまた展開が分からなくなる。

これは僕には果てしなく難しい課題に思われた。
「逆に、他の人はどうして、そんなに話に集中していられるんだろう?」と不思議だった。

竜王の城

今思うと、それもおかしくはない。
そもそも「リアルタイム」「多人数」「時間制限あり」「連載形式」などなど、そもそも難易度の高い要素が勢揃いしているのだから。

だからたとえば君が同じような場所で課題を感じたとしても、おかしくはない。

これを逆に考えてみよう。
もしこのようなリアルタイムミーティングで、他のメンバーと対等に話せるようになれば、それは君がチームメンバーとして一人前になった証拠だと言えるかもしれない。

目指すべき最難関、最初のワールドのボス、近くて遠い竜王城みたいなものだ。
(でもゲームなら楽しい。ドラクエを嫌いなエンジニアはいない‥はず)

image.png

傾聴とは?

話をよく聞くこと。それに尽きる。

継承とは別物だが、継承したって良い。

class YourEars < GreateListening; end

傾聴を身につけるメリット

仕事が出来るようになる

これに尽きる。

他の人とのコミュニケーションが難しければ、そもそも仕事というものは進められない。
「人の話を聞く」「理解する」というのはプログラミング力以前の、大いなる仕事の基礎能力であり、ベースだ。

自信が持てるようになる

他の人の話が理解できないと、焦る。
他の人の話が理解できれば、安心できる。

っていうシンプルな話。

誰だって、人から「こいつ何も分かってねーな」とは思われたくない。
だけど基本的に話に付いていけてなかったり、理解ができていないと、取り繕ったり、黙ってしまったり、有効な意見が言えなかったりと、すべてが空転してしまう。(そう、そいつが昔の俺だ)

だから傾聴のスキルは「心理的安全性」ってやつを自分で作るための一助になるはずだ。
人のためより、自分のため。

人間関係が良くなる (かもしれない)

副次的効果なので、これをメインに狙ってはいけない。

ただ、話に耳を傾けられて嫌な人はいない。
逆に「こいつ、話聞いてねーな」感は、自分が隠せているつもりでも、人にはダイレクトに伝わってしまうものだと思う。

「人の話を聞く姿勢」を持つだけでも、他の人から見た印象は相当良い方向に変わるのではないかと思う。

さらに、もし人間関係が良くなれば、自分自身も働きやすくなって、エンジニアの仕事がなおさら楽しくなる。
情けは人のためならず。

具体的なトレーニング (やってみよう)

話を聞く

「話を聞くこと」が「話を聞くトレーニング」になる。

禅問答か?
いや、それが答えだ。

たとえば歩くことが歩くトレーニングになるように、走ることが走るトレーニングになるように、筋肉を動かすことが筋力トレーニングになるように、話を聞くことが話を聞くトレーニングになるのだ。

「あ、いま意識が飛んでいたな」と気付くたびに「人の話を聞くスタイル」に戻ってこよう。
このトレーニングは、体とは違って意識に関することなので、コツは要るかも知れないが、だんだんと意識の中の「フォーム」のようなものが見えてくるかもしれない。

これを何度でも、何千回でも気長に繰り返す。基礎トレーニングだ。

視覚情報・聴覚情報を変えてみる

個人的によくやるのが、話を聞きながら「目を閉じる」ということ。
特に、理解が難しい話の時は目を閉じながら話を聞くことが多い。

視覚情報というのは意外と人の気を散らすものだ。

俺も「人の顔を見たほうが、雰囲気もわかって理解も進むんじゃないだろうか」と思ったりしたことがあったけど、その逆だった。
「人の話を理解する」ということは「聴覚情報」と深く結びついている感じがした。

人間には視覚優位タイプと聴覚優位タイプがいるという話もある。
視覚情報、聴覚情報を物理的にコントロールして、そのDiffを試してみても良いかもしれない。

ちなみに俺が目を閉じて話を聞く時は、「こいつ眠ってやがる!」と周りから思われないように「ちゃんと聞いてる感」は出しているつもりだ。気持ち25%ぐらい、首振り=うなづきを多くしたり。

自己アウトプットする

テキスト化したり、図に描いてみたりする。
(理解は鮮魚‥新鮮なうちにどうぞ!)

「分かっていないということ自体」が「分かった」ところから、すべての理解は始まる。無知の知。ソクラテス。

アウトプットした内容を、他の人に見せてチェックしてもらえるようならなお良い。

さらにそれをWikifyしたりしたら、後のチーム、後のプロジェクトにも役立つものになるかもしれない。
何より「将来の自分」のために投資にもなる。いずれ過去の自分にマックスで感謝する時がくるだろう。

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メモを取る是非

話を聞きながら、あまり詳細なメモを取ると、そもそもの「話を聞くという行為」がおろそかになってしまうかもしれない。
仮にメモを取るにしても「気になるキーワードをメモる」ぐらいの軽いものに抑えておいた方が良いだろう。

もちろんメモが「役立っている実感」があるなら、続ければ良い。
あなたの理解力、傾聴力に応じても、メモの必要度は変わってくるはずだ。

もしメモをとるなら、個人的には、スマホやデジタル端末よりは、アナログのメモ帳などの方がおすすめだ。
一瞬のタイムラグがない分、機敏に扱うことが出来る。

ところでトレーニングの最終目標は、メモなしでも理解がちゃんとできて、しばらくは思い出すことも出来る状態。少なくとも短期メモリには書き込まれている状態を目指す。

まずは補助輪をつけるところから始めても良いが、それに頼りきりではいけない。

人と話す

人と話すのは最強。
理解を確かめる手段にもなるし、

自分ひとりで考えるよりも圧倒的に情報量が違うし、「あっ」という間違いにも気づきやすくなる。

  • 分からないことは質問する
  • 分かっていることでも理解を確かめる

周りの環境さえ許せば、どんどん人と話をしてみよう。

余談—質問のしかた

ちなみに質問の基本だが、相手がYES/NOで答えられるぐらいが良いと思う。

たとえば「Aってなんですか?」と聞くより「AのBってCっていうことだと思うんですけど、合ってますか?」と、自分の考えを80%ぐらい作ってから質問したほうが良い。

  • 理解が間違っている場合は、どんな間違いをしたを最初から伝えられる。
  • 理解が合っているのであれば、相手はうなずくだけなので、1秒で事は終わる。

分からなくても聞き続ける

  • 分からないから意識が他に飛ぶ
  • 分からないけど、分からないことを意識しながら、話を聞く

この二つではまるで違う。

前者は経験値が増えない。
後者は経験値が増える。

言葉を頭の中に通過させるだけでも、海で言えば「浅瀬」に浸かっていることになる。

ただ分からない話を集中して聴くのはエネルギーも必要されることなので、後述の「呼吸」のメソッドなどもあわせて活用されたし。

オフトレーニング

もし実戦トレーニングで足りないようなら、オフでのトレーニングをしてみても良いかもしれない。
自分は試したことはないのでフラッシュアイディアレベルだが、思いついたものを書いておく。

例:

  • ラジオやネットラジオを聞きながら、傾聴してみる。
    • 自分が「半分親しみのある分野」「だけど半分分からない分野」を選ぶなど、難易度調整をしてみる。
    • 難易度調整は傾聴に限らず、トレーニングというトレーニングの基本。

ヘルパー

呼吸

ところで人の話を聞くのにはけっこうなエネルギーが要る。
誰だろうと、途中で意識がそれてもおかしくはない。少しも意識が飛ばない人はいない。程度の差があるだけだ。

そんなときは自分の呼吸に注意を向けて、息を整えてみるテクニックがある。
逆説的に聞こえるかも知れないが「自分に戻る」ほど、人の話も聞こえてくるようになるだろう。

体調管理

基本。よく眠ること。
コンディションが良い時は人の話も入ってきやすい。

逆に「人の話がすっと入ってきているかどうか」を、自分のコンディションのバロメータにすることも出来る。
「なんか、人の話が聞きづらいな」と思ったら、体調管理にも目を向けてみてはいかがだろうか。

マインドフルネスのトレーニング

話の聞き方はスキルだ。本を読んでも知識しか身につかない。
しかもこのソフトスキルは、文字情報で表現しにくい分野の極致といえる。

なので「話の聞き方」どうこうの情報を集めるよりかは、マインドフルネスのトレーニングなんかをしてみると良いと思う。

改めてお伝えしたいが、ソフトスキルにおいて重要なのは「具体的トレーニング」だ。

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