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【長期思考を考える⑤】短期と長期のバランス

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Last updated at Posted at 2025-12-26

list - << << << << ⑤

背景と目的

一瞬でも酸素が無くなってしまった地球には、人類は住めなくなる。
一瞬でも温度が50度を超えてしまった地球には、人類は住めなくなる。
案外、人類が住める条件は狭い。

短期と長期でそれぞれに必要となる条件について、
均衡を保つための予防法を考える。

1. 短期と予防

多くの生存条件は、最小の閾値と最大の閾値の間で成立する。

qiita_longtime_2.png

一つのものが必要であったとしても、
少なすぎたり多すぎる場合、問題を起こしやすい。

1.1. INPUTするもの

渡邉 康太郎は「生きるための表現手引き」で
"生きのびる(to survive)"と"生きる(to live)"の対比を示している。
生きのびるは、生活を安定させ、生きるは、生活に独自性を生み出す。

INPUTするものにも"生きのびる"と"生きる"の双方がある。
必須なものは"生きのびる"で、選ぶようなものは"生きる"である。
生存条件は、一般的に示せる"生きのびる"は含む。
は一般的に示せない"生きる"は、含まれない。

短期的には安定を満たすために、"生きのびる"ための必須なものをINPUTする。
例えば、酸素、光、水、エネルギーとなる食料、身体を構成する食料など。

"生きる"ための要素も出してみる。
例えば、動き見る、会話する、触る、読む、考える。など。
"生きる"ことは、必須ではない外部の環境を感じる行為といえる。

1.2. INPUTするものを生み出すもの

”生きのびる"ための例であげたものを列挙する。
a1 酸素
a2 光
a3 水
a4 エネルギーとなる食料
a5 身体を構成する食料

a1 酸素

光合成をおこなう植物。二酸化炭素から、炭素と酸素を生み出す。
植物自身も呼吸しており、光合成ができないときは酸素が必要になる。
光合成では、光と二酸化炭素と水から、ブドウ糖(C6H12O6)と酸素をつくる。

光とある程度の二酸化炭素、水が必要となる。

a2 光

a1のINPUTとしても光が必要だった。
人間のコミュニケーションは視覚によるものが多い。
メラビアンの法則では、55%が視覚での情報入力とされている。

また、1日の基準点は朝に浴びる光で体内の時計を調整している。
多くの光は、太陽からきている。
屋内での光は、一次エネルギーからLEDなどを電気を経由して来ている。
一次エネルギーの比率は、石油、石炭、天然ガスの合計が8割を超える。(2017年)

a3 水

地球上の水は、97.5%が海水である。淡水は2.5%ほどしかない。
人間が用いる水は、淡水である。

下記図は、国土交通省:地球上の水より

スクリーンショット 2025-12-26 162643.png

地下水の量は、0.8%ほどである。河川の水は、0.01%。
地表で循環している量は、1%ほどである。

a4 エネルギーとなる食料

日本においての、エネルギーとしての食料配分は下記表になる。

下記表は農林水産省:令和6年度 食料自給率についてより
image.png

一人一日2248kcalとしたときに、
穀物からは、805kcal。魚介、畜産物合計で、478kcal。
その他は、植物由来のものがほとんどである。(油脂類が一部)
植物由来のエネルギー源が80%ほどとなる。
畜産物の大きな牛、豚、鶏も、植物をもとにした食料を食べる。

植物は、光と水、酸素、二酸化炭素、土とその他成長に必要な養分からつくられる。

a5 身体を構成する食料

一日あたり、炭水化物を50~65%、脂質を20~30%、
たんぱく質を50~65g、食物繊維を18~22gが推奨量となっている。

炭水化物は、穀物がメイン。脂質とたんぱく質は、動物と植物由来。
食物繊維は、植物がメインになる。

1.3. INPUTするものを生み出すものを維持するもの

植物の肥料の三要素は、窒素、リン酸、カリウムである。
水、根をはるための土、光、空気(酸素、二酸化炭素、窒素)が必要となる。

雌雄がある植物は、花粉の運び手に虫(ハチなど)や鳥などが関係する。

1.4. 整理と維持

1.2/1.3を整理した図である。

qiita_longtime_3.png

人間に都合のよい植物や畜産用動物が、現在の世界では増えている。
人間に都合のよくない生命が、生きのびられる環境が減っているとも言える。

a1~a5の使用量が多すぎることによって、
短期的に持続可能性が減っているのだろう。

2. 長期と予防

2.1. 視野と欠乏

"生きのびる"の条件が満たされたとき、"生きる"の行為が何に対して行われるだろう。

qiita_longtime_4.png

独自性を持ち起業をした会社が、"生きのびる"ために、"生きる"ことを手放すことがある。
"生きのびる"と"生きる"のどちらもが満たせている状態でないと、
視野と活動が長期に向かわない。

欠乏は心を占拠する。
飢えた被験者が食べ物のことを考えたのと同じように、
人はどんな欠乏でも経験すると、それに心を奪われる。
いつも「時間がない」あなたに P19

2.2. 豊かさと欠乏

モノがあふれた現代の"欠乏"は、どこから来るのか?
生命的に"生きのびる"条件は多くの人は満たせている。
生命的ではない条件が、"欠乏"を起こしている。

「いつも「時間がない」あなたに」は、欠乏が引き起こすことを示唆する。

荷づくりのメタファーから、なぜ欠乏がトレードオフ思考を生むのか、その理由が明らかになる。スーツケースが大きければ、人はいいかげんに荷づくりする。隅から隅までぎっしり詰めることはしない。あちこちに使われていないスペースが残る。私たちはこのスペースを、本来はゆるみやたるみを意味する「スラック」と呼ぶ。
いつも「時間がない」あなたに P108

現代の人間は、"スラック"(ゆるみ、たるみ)がないため、トレードオフ思考に陥るという。
持っているものは、大事なものだろうか?
電子メールの受信箱は、いらない情報であふれている。
固定電話にかかってくる電話は、勧誘のものが多くなっている。
無料の動画には多くのCMが差し込まれる。
こうして、"スラック"が埋まっていく。

豊かさを持った人は、"スラック"が埋まらないような行為をする。

  • 本当に大事なものを手にする
  • 大事ではないものを早く手放す
  • 多くを持たない
  • 固定でスラックを設ける(タイムボックス、空間の余白)

2.3. 豊かさと文化

十分な"スラック"があるときに、独自性が周りへ広がる。
文化が広がるときは、"生きのびる"条件が満たされている環境で起こる。

その中で長期思考のタネが芽をだす。
多くの"生きる"により生み出された蓄積がたまり、
先を見たときに善いことを成していく。

9. リンク

URL

wikipedia:惑星の居住可能性
キッズネット:植物はどうして酸素をつくりだせるの
人間の「からだ」にとって「光」とは…「生物の体内時計」という「すごすぎる仕組み」
wikipedia:メラビアンの法則
wikipedia:一次エネルギー
味の素:五大栄養素とは?健康寿命の延伸に役立つ栄養素を解説
カロリーメイト:1日に必要な栄養素量
wikipedia:肥料の三要素

官公庁資料

国土交通省:地球上の水
農林水産省:令和6年度食料自給率を公表します
国立循環器病センター:栄養に関する基礎知識
東京都杉並区:あなたに必要な1日の栄養量は?

書籍

センディル・ムッライナタン, エルダー・シャフィール, 大田 直子 (翻訳)(2015).いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学.早川書房.
渡邉 康太郎(2025).生きるための表現手引き.NewsPicksパブリッシング.

変更履歴

2025/12/26 新規作成

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