4
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

👋 はじめに

私は普段、Webアプリ・Windowsクライアントアプリ・クラウド基盤を扱うプロダクト開発チームで、開発兼チームマネージャーのような立ち回りをしています。日々の仕事は「自分で全部コードを書く」フェーズをとっくに過ぎていて、実際のところは 調べる・答える・レビューする・仕組みを作る の比率がずっと高い。

そんな私が、ここ1〜2か月でAIコーディングエージェントに実際に投げていた業務を棚卸ししてみたら、想像以上に「コード生成以外」の使い方が多いことに気づきました。この記事では、その実例をカテゴリ別に紹介します。

🛠️ 前提:私の使い方

  • AIエージェントはIDE統合型のものを利用(プロジェクトのソースコード全体を文脈として読ませられるタイプ)
  • 複数リポジトリ(Webアプリ、クライアントアプリ、運用ツール群)を横断して質問する
  • MCP(Model Context Protocol)でブラウザ操作やデザインツール連携も併用
  • 定型作業は「スキル」や「フック」として仕組み化して再利用

ポイントは、AIに自社コードとドキュメントを丸ごと読ませたうえで会話していること。これが「コードを書く道具」から「業務の相棒」へ変わる境目でした。

💬 実例1:外部委託先・他部署からの技術質問への一次回答

一番件数が多かったのがこれでした。

委託先や他チームから飛んでくる質問は、たいてい「この機能って内部でどう動いてるの?」「この仕様の根拠は?」というもの。従来なら該当ソースを自分で追い、設計ドキュメントやADR(Architecture Decision Record)を引っ張り出して回答していました。

今はこうしています。

「○○機能について質問が来ている。ソースコード・ADR・仕様書を根拠に回答の下書きを作って」

AIがリポジトリ内のコードと設計文書を横断的に読み、根拠となるファイル名を添えて回答案を出してくれます。私はその内容の妥当性をチェックして、必要なら補足して返すだけ。

📌 学び

  • 「根拠を示して」と指示するのが重要。ソースの該当箇所を引用させることで、回答の裏取りコストが激減する
  • AIの回答をそのまま送らない。一次回答の生成までがAIの仕事で、最終判断は人間が持つ

👀 実例2:コードレビュー / PRレビュー(マネージャー視点)

レビュー依頼が重なると、どうしても後回しになりがちです。そこでAIに「先にざっと見て」を頼むようになりました。

「開発リーダーの観点で、次のPRをレビューして」

観点を明示するのがコツです。「開発リーダー観点」「セキュリティ観点」「可読性重視」など役割を与えると、指摘の粒度が変わります。命名、責務分割、既存パターンとの整合、テスト漏れあたりを一通り洗ってくれるので、私は本質的な設計判断のレビューに集中できます。

📌 学び

  • AIレビューは「一次スクリーニング」。定型的な指摘はAIに任せ、人間はアーキテクチャや業務ロジックの妥当性に注力する
  • レビュー観点をプロンプトで役割として渡すと、出力の質が安定する

🔍 実例3:仕様の「逆引き」壁打ち

「この機能の仕様、ドキュメントが古くて当てにならない」――あるあるです。

こういうとき、AIに 実装コードから仕様を逆算させる のが効きます。

「この画面の入力チェック仕様を、実装コードを根拠に整理して」

コード上の分岐ロジックやバリデーションを読み取り、仕様の形に起こしてくれます。ドキュメントとコードの乖離を発見するきっかけにもなり、「ドキュメント側が間違っていた」というケースを何度も拾えました。

📌 学び

  • 一次情報(コード)を正としてAIに整理させると、形骸化したドキュメントの棚卸しにも使える

🧭 実例4:新機能の検討・設計フェーズ

新機能は、いきなり実装ではなく検討から入ります。認証方式の変更、管理対象の絞り込み機能、画面の入力項目設計など、要件の解像度を上げる段階でAIを壁打ち相手にします。

「この新機能を入れると、既存のどこに影響が出る? 影響範囲を洗い出して」

既存コードを踏まえた影響範囲の洗い出しや、実装方針の複数案出しをやらせると、検討の抜け漏れが減ります。設計ドキュメント(要件・設計・タスク)の下書きまで一気に作らせることもあります。

📌 学び

  • 設計フェーズこそAIの価値が高い。「作る前に考える」を高速で回せる
  • 影響範囲の洗い出しは、人間だと見落としがちな箇所をAIが機械的に拾ってくれる

🤖 実例5:MCPでブラウザ操作・プロトタイピング

コードを書く以外で一番「未来を感じた」のがMCP連携です。

  • ブラウザ操作MCP:ローカルで動かしたWebアプリに実際にログインし、画面遷移を自動でテスト。「この操作でちゃんとログインできるか確認して」と頼むと、AIがブラウザを操作して結果を返す
  • デザインツールMCP:デザインデータからプロトタイプUIを生成し、顧客提示用の叩き台を短時間で用意

「AIが手を動かして確認する」領域に入ってきた感覚があります。

📌 学び

  • MCPは「AIに現実世界の操作をさせる」拡張。テストやプロトタイピングの初速が段違いになる

☁️ 実例6:クラウド運用の調査

運用フェーズの「調べもの」もAIに投げています。

  • 監査ログから特定リソースの作成者を特定する
  • サーバーレス関数の構成確認や、監視ツールで特定要件が達成できるかの調査
  • 疎通先環境の切り替え設定の確認

「このログから作成者を調べて」のような調査依頼は、コマンドの組み立てから結果の解釈までまとめて任せられます。

📌 学び

  • 運用調査は「コマンドを思い出す」コストが地味に高い。そこをAIが肩代わりしてくれる

📝 実例7:ドキュメント・技術記事づくりと自動レビュー

ドキュメントや技術記事も、AIと一緒に書いています。さらに一歩進めて、フックで自動レビューを仕込みました。

たとえば「記事ファイルを保存したら、法務観点・表記ルール観点で自動チェックを走らせる」といった仕組みです。書く→保存→自動レビュー、が回るので、公開前のチェック漏れが減ります。

📌 学び

  • 繰り返す品質チェックは、フックで自動化してしまうのが正解
  • 「書く」だけでなく「書いたものを継続的に点検する」までAIに任せられる

♻️ 実例8:スキル化による定型作業の再利用

同じ種類の作業を繰り返すなら、その手順自体をAIに教え込んでスキルとして保存しておけます。

  • 環境構築の手順
  • 特定フォーマットのテスト項目書づくり
  • 仕様書のフォーマット変換

一度スキルにしておけば、次回は「あのスキルでやって」の一言で同じ品質の作業が再現されます。属人化していたノウハウを、チームで共有できる資産に変えられるのが大きい。

📌 学び

  • 「毎回同じ説明をしている」と感じたら、それはスキル化のサイン

💡 AIに任せてみて分かったこと

  1. AIの主戦場は「コード生成」ではなく「文脈理解」
    自社コードとドキュメントを丸ごと読ませられると、質問対応・調査・レビューの初速が劇的に上がる。
  2. 役割と観点を与えると出力が安定する
    「開発リーダーとして」「根拠を示して」の一言で、回答の質が別物になる。
  3. AIの出力は一次成果物。最終判断は人間が持つ
    特に社外へ出す情報や設計判断は、人間のレビューが前提。
  4. 繰り返す作業は仕組み化する
    スキル・フックに落とし込むと、個人の効率化がチームの資産になる。

🎯 まとめ

AIコーディングエージェントは、もはや「コードを書く道具」という枠に収まりません。私の直近の使い方を棚卸ししてみると、実際には 質問対応・レビュー・仕様調査・設計・運用調査・ドキュメント・自動化 と、開発ライフサイクルのあらゆる場面に食い込んでいました。

「コードを書かせる」から一歩踏み出して、自分の業務そのものをAIと一緒に回す。その視点で使い方を見直すと、まだまだ任せられる仕事が眠っているはずです。

🎁 おまけ(オチ)

……ところで、この記事で紹介した「実例」たち。どうやって思い出したと思いますか?

この記事は、AIエージェントがローカルに残していた私自身のセッション履歴(対話ログ)を、AIに読み込ませて自動生成しています。

「最近どんな質問を投げてたっけ?」をAIに棚卸しさせ、カテゴリに分類させ、社外向けに固有名詞をぼかし、記事の形にまとめてもらう――つまり、AI業務活用の記事を、AI業務活用そのもので書いたというオチでした。

自分の作業履歴すら、AIにとっては立派な一次情報。使わない手はありません。

AIエージェントの対話履歴はローカルに保存されており、それを入力として本記事を生成しました。保存されるファイルの中身には業務情報が含まれ得るため、履歴ファイル自体を社外に共有することはしていません。

本記事に掲載している内容は、私個人の見解であり、所属する組織の立場や戦略、意見を代表するものではありません。

4
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
4
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?