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Blender 4.2で可能な限り三角面を四角面に変換する(数理最適化)

Last updated at Posted at 2022-03-21

メッシュの四角面化

Blenderには、三角面を四角面にする機能があります。これは、辺の長さを考慮して溶解する辺を選んでいます。
これはこれで便利なのですが、可能な限り三角面を四角面に変えたいことがあります。
ここでは、それを数理最適化で実現するアドオンを紹介します。

具体例

下記のメッシュで試してみます。

通常の「三角面を四角面に」を実行すると下記のようになります。

隅の方に三角面ができています。

一方で、今回紹介するアドオンを実行すると下記のようになります。

すべての三角面が四角面になっています。

インストール方法

PuLPのインストール

本アドオンは、PythonのPuLPモジュールを利用しています。
そのため、下記のように、コマンドラインでBlenderにPuLPをインストールする必要があります。コマンドラインからBlenderを操作する方法については、「Blenderのコマンドサンプル」も参考にしてください。

※ バージョンは適宜変えてください。

  • macOSの場合
/Applications/Blender.app/Contents/Resources/4.2/python/bin/python3.11 -m pip install pulp
  • Windowsの場合
"C:\Program Files\Blender Foundation\Blender 4.2\4.2\python\bin\python" -m pip install pulp
または
"C:\Program Files\Blender Foundation\Blender 4.2\4.2\python\Scripts\pip" install pulp

※ Windowsで、インストールできるのにimportエラーになる場合は、一旦アンインストールしてから、管理者権限のコマンドプロンプトでインストールし直すとうまくいくかもしれません。

※ 実は、Python-MIPライブラリーを使いたかったのですが、Blenderでは動かないためPuLPを用いています。

アドオンのインストール

  • GitHubのTris-Quads-Exから、下記のアドオンのZIPファイルをダウンロードしてください。ZIPファイルは解凍しないでください。

  • Blenderのプリファレンスのアドオンで「ディスクからインストール…」ボタンを押し、ダウンロードしたZIPファイルを選択します

  • 下図のように、Tris to Quads Exにチェックを入れてください

使い方

  • 対象のオブジェクトを選んで、編集モードに入ります
  • 対象の範囲を選択して、面メニューの「Tris to Quads Ex」を選びます

選択している辺の中でしか溶解しません。すべてを対象にする場合は、Aで全選択してください。

  • 実行後、四角面以外を選択します

最適化について

「可能な限り三角面を四角面にする」ためには、溶解する辺の数をなるべくたくさん選ぶ必要があります。
一方で、選びすぎるとNゴン(頂点が5以上の多角形)になってしまうので、できる多角形の頂点を4までに抑える必要があります。
このような問題は混合整数最適化問題になります。
混合整数最適化問題とは何かについては、「組合せ最適化を使おう」を参考にしてください。
ここでは、混合整数最適化問題を定式化し、PuLPでモデル化し、CBCソルバーで解きます。

定式化

変数は以下の条件を満たす辺ごとに0-1変数を作成します。1が溶解する、0が溶解しないに対応します。

  • 選択されている
  • 両側の面がともに選択された三角面である

ここでは、下記の定式化を解いて、溶解する辺を求めています。

目的関数 溶解する辺の数 + 0.1×正規化した辺の長さの和 → 最大化
制約条件 三角面ごとに、溶解する辺は1本以下

三角面に対し2本以上を溶解するとNゴンになるため、上記の制約条件になります。

アドオンのコード(Python)

実際に辺を溶解するのは、execute()メソッドになります。

参考:BlenderでPythonを実行する方法

以上

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