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2019年RPA業界この1年を振り返る~業界7大ニュース

Last updated at Posted at 2019-12-01

こんにちは、2019年RPA アドベントカレンダー第1日目です。初日なので、この1年にどのようなニュースがあったかを振り返り、まとめてみました。7つのカテゴリーにまとめています。

こちらもどうぞ。

#1 RPAがついに大企業に一巡~幻滅期へ

2019年末時点で、日本の従業員1,000名以上の大企業の9割以上がRPAのトライアルまたは本格導入を行っている、と考えられています。RPA Bankが定期的に行っているRPA利用実態調査では2018年上半期で大企業の80%1、2018年下半期で大企業の85%2がRPAに着手しているというデータがあり、これから想定すると2019年下半期は95%弱くらいまで伸びている可能性があるようです。2019年11月の日経コンピューターの特集における調査でも大企業を中心にピックアップした約100社のうちの約95%が着手済みとのデータとなっています。つまり、大企業ではRPA導入は一巡しつつあるということになります。ただし、RPAの適用業務は3~9種類の企業が多い3ということで、適用範囲を広げる余地は残っています。

MM総研が行っている別の調査では、年商50億円以上の企業の32%4が2019年1月の時点でRPAを導入済みとのことで、中小規模の企業まですそ野を広げてみても、それなりの割合の企業で導入が進みつつあるようです。

また、Gartnerが発表した2019年版のハイプサイクル5ではRPAは幻滅期に入っており、「概念実証(PoC)などの取り組みを通し、単に期待を抱いていたところからリアリティーに直面するようになった困難の表れ」が認識されるようになってきています。RPAはもはやバブル的な導入ではなく、リアリティに即して粛々と導入されるフェーズに差し掛かっています。

したがって、2020年のRPA導入は、(1) 大企業においてRPAの適用業務を増やしスケールさせる、(2) 中堅中小企業へのRPAの普及、の2方向に展開されることになるでしょう。

#2 マイクロソフトがRDAに参入

2019年の一番大きなニュースはマイクロソフトがPower AutomateでRDAの世界に足を踏み入れたことかもしれません。いままでは、RPA/RDAの市場には大手ソフトウェアベンダーは参入しておらず、新興ソフトウェアベンダーの市場でした。2019年11月に開催されたIgnite 2019にて、マイクロソフトがMicrosoft Flow改めPower AutomateでRDAに参入したことで、2020年にはWinActorやUiPath、BizRobo! mini などが主流であったRDAの市場に侵食してくる可能性が十分ありえます。Power AutomateはDynamics 365やOffice 365とライセンス提供方法が同じなので、Office 365ユーザーには導入しやすいオプションとなる可能性があります。このニュースの発表を受けて、ソーシャルメディアなどでも反響が大きかったようです。
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#3 Automation Anywhere が日本語化、RPA as a Serviceを発表

Automation Anywhereは2019年に大きな進化を遂げました。5月には無料のCommunity Editionの提供開始と同時に日本語化されたエディションを提供開始しました。10月にはRPA as a ServiceのWebベースでプラットフォームを完全に作り替えた新バージョン「A2019」を発表、日本語のCommunity Editionも提供開始しています。また、2018年にシリーズAで資金調達を受けたソフトバンクとも緊密に連携しながら日本展開を進めるようで、11月にはシリーズBでセールスフォース・ドット・コムのファンドなどから2億9,000万ドルの資金も調達するなど、着々と準備を始めているように見えます。2020年は新しいバージョンを本格展開させて新しい市場を切り開いていく可能性があります。

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#4 UiPathが開発者以外への簡易開発ツールを発表

UiPathもさまざまなニュースで市場をにぎわせています。2019年10月に行われたUiPath Forward にて、「Studio X」と呼ばれる簡易開発環境の発表がありました。これによりいままではプログラマーにしか難しかったプロパティへの式の入力や変数の利用が簡易化され、Excelが扱えればできるようになりました。2019年7月には国内ユーザー企業が1,000社を超えたことが発表され、ユーザー数の伸びが日本で急激にであることをうかがわせます。一方、日本ではあまり報道されませんでしたが、2019年10月には全世界で500人規模のレイオフ報道の報道があり、いままで急成長を遂げてきただけにちょっと心配なところでもあります。2020年は開発者でなくてもRPAが扱えるようになり市場が広がりコストが削減できるようになることと、教育市場など「すべての人の仕事にロボットを」を実現するための展開が期待できます。

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#5 WinActorが従量課金型RDAを開始

WinActorも国内トップシェアの国産ベンダーとして順調な伸びを見せています。2019年3月には国内ユーザー企業が3,000社を突破したことが発表されました。2019年5月には、WinActorの従量課金制バージョンである「WinActor Cast on Call」が発表され、9月より正式サービス開始になっています。また、メジャーバージョンが6になり、メール受信機能、画像マッチング精度向上、Google Chrome操作自動記録等の新機能が搭載されました。管理機能のクラウド化も新バージョンを出すなど、いろいろな手を打っているように見えます。WinActorは小規模RDAでの導入が多く、全国のNTTグループ網を使っての展開が可能であるため、より小規模なユーザー企業をターゲットにしていることがうかがわれます。2020年はさらに新規ユーザー企業を増やす戦略にでるようです。

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#6 BizRobo! が新バージョンを提供開始

BizRobo! は2019年4月にベースとなるKofaxのバージョンが10.4となったことを受けて10.4ベースの展開が発表されました。これにより従来はDS端末とDAS端末の2台が必要であったDesktop Automation 使用ロボットの開発において、1台の端末で済ませられるという改善がなされました。

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#7 Blue Prismが日本での新体制を発表

Blue PrismもRPAの老舗として日本展開を加速させています。2019年6月には日本での新体制が発表され、機能を補完するための企業買収も行いながら引き続き機能強化を行っていく戦略をとっていくようです。

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