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AIで作ったものは誰のもの? ― 規約を原文で読んだら、意外な3文字が付いていた

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Last updated at Posted at 2026-10-13

AI にアプリを作らせました。プログラムは一行も書いていません。でも動きます。見た目も悪くない。

そこで思いました。「これ、売れるんじゃないか」。

App Store の登録画面を開いて、手が止まりました。

……待って。これ、僕のものなんだっけ?

作ったのは AI です。指示したのは自分です。じゃあ、できあがったものは誰のものなのか。

ここで止まっている人は、たぶん大量にいます。僕も同じところで止まりました。

先に書いておきます。僕は弁護士ではありません。 なので法律の解釈はしません。やるのは1つだけです。会社が自分で書いた規約を原文で読んで、何と書いてあるかを確かめる。 それ以上は書きません。


まず、規約を読んでみた

AI を作っている会社自身が何と言っているか。ここを確かめないと始まりません。

Anthropic(Claude)と OpenAI(ChatGPT)、2社の利用規約を開きました。どちらも自分のサイトに置いてあります。誰でも読めます。でも、たぶんほとんどの人が読んでいません。

OpenAI の規約にはこうありました。

you (a) retain your ownership rights in Input
and (b) own the Output.

「入力したものはあなたのもの。出力もあなたのもの」。 はっきりしています。

Anthropic も同じでした。会社が持っている権利を利用者に渡す、と書いてあります。

ここで、こう思いませんでしたか。

なんだ、自分のものじゃん。売っていいんだ

僕もそう思いました。画面を閉じかけました。でも、もう一度その一文を見て止まりました。


小さな3文字が付いていた

権利を渡す、と書いてある文。その真ん中に短い言葉が挟まっています。英語で3文字です。

we assign to you all of our right, title, and interest
—if any— in Outputs.

if any。 日本語にすると「もしあれば」。

会社はこう書いています。

当社が持っている権利を、もしあれば、あなたに渡します

会社は「あなたのものです」とは言っていません。 言っているのは「うちが持っている分は渡す。でも、うちが持っているかどうかは分からない」です。

会社自身が断言していない。しかもこの3文字は、Anthropic にも OpenAI にも両方入っています。 偶然ではないと思います。

そして、もう1つ見つけました。こっちのほうがずっと怖い一文でした。


この記事の続きの部分(手数料8か所の実額比較、どこで売るべきかの判定表)は、note に有料でまとめています。

この記事だけでも、権利の話と「消される条件」は分かるように書いてあります。数字で比較した表が必要な方だけ、こちらへどうぞ。

→ AIで作ったものは本当に売っていいのか、どこで売れば手取りが一番多いのか


もっと怖かった1行

OpenAI の規約の、権利を渡すと書いた文のすぐ近くにあります。

other users may receive similar output from our Services.

「他の利用者にも、似た出力が出ることがあります」。

さらに続きがあります。さっきの「あなたに譲渡します」は、他の人に出た出力には及ばないと明記されています。

つまり、こういう状況が成立します。

あなたが AI にアプリを作らせる
        ↓
同じころ、別の誰かが似たプロンプトを投げる
        ↓
ほとんど同じアプリが2つできる
        ↓
どちらも、相手に文句を言えない

売ってはいけない、という話ではありません。 売っていいです。禁止事項を読んでも、「作ったアプリを売るな」とはどこにも書いていません(並んでいるのは「競合モデルを作るな」「サービスを転売するな」です)。

でも、「これは自分にしか作れない」とは言えない。

この一文を読んだとき、考え方を変えました。それまでは「どれだけすごいものを作るか」で勝負するつもりでした。でも無理です。同じものが他の人にも出ているからです。


売る場所のルールは、3つとも違った

権利の話はいったん置きます。次は売る場所です。

Steam・App Store・BOOTH の3つを調べて驚きました。言っていることが3つとも違います。

Steam の線引きははっきりしている

Steam には「AI を使ったか」を書く欄があります。2026年1月に中身が書き直されました。

何に AI を使ったか 開示
コードを書くのを手伝ってもらった 不要
開発効率を上げるために使った 不要
プレイヤーが見る絵・音・文章を生成した 必要
実行中にその場で生成する仕組みを入れた 必要(別枠)

原文にこうあります。

Efficiency gains through the use of [AI powered dev tools]
is not the focus of this section.

裏方で使うのは自由。プレイヤーが触る部分に使ったなら開示する。 書かずに出すと、あとで問題になります。

BOOTH のルールがいちばん厳しかった

BOOTH は 2025年7月に、監視を強める対象を発表しています。

  • 特定の作品・作家への依拠性が高い商品
  • 大量・連続的な出品

罰には段階があります。

商品を非公開  →  ショップごと非公開  →  アカウント停止

いきなり最後まで行くこともある、と書いてあります。


消されていないのに、誰も来ない

ここが、調べていていちばん怖かったところです。

想像してください。あなたの商品は消されていません。ページもちゃんと生きています。でも誰も見に来ません。

何が起きているか。

BOOTH には 2023年5月から続いている運用があります。商品は残る。でも検索結果に出てこない。

  • 通知は来ません
  • 画面に表示も出ません
  • 基準は公開されていません

出品者から見えるのは「売れないなあ」だけです。消されたことにすら気づけない。 原因が分からないまま、何か月も過ぎます。

対策は2つだけです。誰かの作風に寄せない。同じようなものを大量に並べない。


いちばん驚いたのは、お金のほうだった

権利も規約も分かりました。じゃあ、どこで売るか。

売る場所の手数料を8か所調べました。App Store、Google Play、Steam、BOOTH、ほか4つ。

そして「1,000円のアプリが100本売れた場合」で計算しました。売上はどこで売っても10万円です。

でも、手元に残る金額がまったく違いました。

いちばん多い場所  約100,000円
いちばん少ない場所  55,000円
―――――――――――――――――
差                45,000円

作る手間は同じ。売れた数も同じ。変えたのは売る場所だけ。 それで45,000円です。10万円売って、半分近くが消える場所があります。

AI で作る時間はどんどん短くなっています。1週間かかったものが1日で終わります。つまり作る部分では、もう差がつきません。 差がつくのは、売る場所を決める5分のほうでした。


まとめ:価値がどこに移ったか

調べ終えて、こう整理しました。

AI が作れるもの AI が作れないもの
プログラム 何を作るか決めること
絵・音・文章 誰に向けて作るか決めること
デザイン どこで売ると決めること
説明文 集めたお客さん
いくらでも作れる 自分しか持っていない

左の列は月3,000円で誰でも手に入ります。だから左の列には、もう価値がありません。

作ることは、もう勝負ではない
売ることが、勝負になる

規約を読む前は、作るほうで勝負するつもりでした。other users may receive similar output の一行で、それは無理だと分かりました。

この記事で分かることは、ここまでです。「売っていいか」と「消される条件」には答えが出ました。


数字で比較したい方へ

手数料8か所の実額比較と、どこで売るべきかの判定表は note にまとめています。Qiita に載せきれなかったのは、この4つです。

  • 売る場所8か所の手数料一覧(初期費用つき)
  • 10万円売ったときの手取り(場所ごとに金額で)
  • 値段をいくらにすべきか(固定費が効いて、100円だと手取りが半分になる話)
  • どこで売るべきかの判定表

AIの記事を1000本以上読んで、Claude Code を毎日使っている僕が、AIで作ったものは本当に売っていいのか、どこで売れば手取りが一番多いのかを徹底解説します
https://note.com/nextsurvive/n/nc2ef66741d65

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