※記事作成の補助にChatGPTを活用しています。
オンプレミスのVMware環境をAzureへ移行するとき、
「Azure VM(ネイティブ)」に移すか、「Azure VMware Solution(AVS)」を使うかは多くの企業が悩むポイントです。
検討の中で、特に重要だと感じたのは次の6つの観点です。
- ✅ IPアドレスの変更有無
- ✅ ダウンタイムの許容時間
- ✅ 対応OS
- ✅ 運用モデルの変化への耐性(バックアップなど)
- ✅ コスト構造
- ✅ 移行速度(並列移行できる台数・移行完了までの期間)
さらに最近、「VCFライセンス BYOL」や「東日本リージョン新SKU提供」が追加され、選択肢が増えています。
🧭 まず全体像:どちらを選ぶべきか?
| 観点 | Azure VM(ネイティブ) | Azure VMware Solution(AVS) | 判断ポイント |
|---|---|---|---|
| ① IPアドレス変更有無 | 基本的に IP 再割当が必要 | L2延伸により IP変更不要で移行可能 | IP依存アプリはAVSが有利 |
| ② ダウンタイム許容時間 | レプリケーション切替に停止時間が発生 | HCX / vMotion により短時間・ほぼ無停止も可能 | 停止できない業務はAVS |
| ③ 対応OS | AzureサポートOSのみ | vSphereで動作するOSはほぼそのまま移行可 | レガシーOSはAVS |
| ④ 運用変更の必要性 | Azure運用モデルに移行(Backup/Monitor) | 既存vCenter/NSX/Veeamなどを継続利用 | 運用変更リスクを避けるならAVS |
| ⑤ コスト構造 | VM単位従量課金。RI+AHBで最適化 | ノード単位だが新SKUで柔軟性向上 | 規模が大きいとAVSも有利 |
| ⑥ 移行速度 | Azure Migrateは同時移行数に上限あり | HCXにより多くのVMを同時に移行可能 | 移行期限(EoS)や大規模移行はAVS |
🔍 各観点を深掘り
① IPアドレス変更の有無
-
Azure VM
ネットワーク設計が必要で、IP変更がほぼ必須。 -
AVS
HCXでL2延伸ができ、IPそのまま移行が可能。
特に「IP変更不可のアプリ」「固定IP前提のシステム」が多い企業ではAVSが極めて有利。
② ダウンタイム許容度
-
Azure VM
切替時に数時間〜の停止が発生。 -
AVS
vMotionまたはHCXで極小の停止のみ、ほぼ無停止も可能。
クリティカル業務の移行では大きな差になります。
③ OS対応
-
Azure VM
古いWindows、特殊Linuxは動作しないことが多い。 -
AVS
オンプレで動いていれば基本そのまま動く。
(補足)
AVSの対応 OS は、「AVSで動く OS」=「vSphere でサポートされている OS(VMware Hardware Version に準拠したゲスト OS)」 として定義されています。
https://compatibilityguide.broadcom.com/search?program=software&persona=live
レガシー比率の高い環境で特に重要。
④ 運用モデルの変更耐性
-
Azure VM
監視・バックアップ・パッチ管理すべてAzure方式へ切替が必要。 -
AVS
現行のVMware運用(vCenter/NSX/Veeamなど)を維持できる。
運用変更リスクや教育コストを最小化できるのはAVS。
⑤ コスト構造
-
Azure VM
小規模〜中規模、段階的移行に強い。RI+AHBで柔軟に最適化。 -
AVS
ノード単位だが、VM密度が高いほど効率がよく、
VCFライセンスBYOL対応によりコスト改善余地が拡大。
⑥ 移行速度(並列移行のしやすさ)
これは意外と見落とされがちですが、大規模移行では最重要ポイントのひとつです。
-
Azure VM(Azure Migrate)
- 同時に移行できるVM数に上限あり
- 帯域やレプリケーション設計に大きく依存
- 台数が多いほど移行期間が長くなる傾向
-
AVS(HCX)
- 設計次第で短期間に大量移行が可能
- EoS期限・データセンタークローズなど「絶対期限がある」移行に向いている
✔ 移行期間が限られている(EoS、契約更新、データセンター閉鎖など)
✔ 環境が大規模(数百〜数千VM)
このような場合は、AVSの「並列移行のしやすさ」が非常に大きなメリットになります。
🆕 最新アップデート:AVS
● VCFライセンスの BYOL(Bring Your Own License)対応
- 既存の VMware Cloud Foundation(VCF)のライセンスをAVSに持ち込めるように。
- ライセンス二重払いを避けられ、既存投資を有効活用できる。
👉 https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-vmware/vmware-cloud-foundations-license-portability
● 東日本リージョンで新SKU「AV48」が利用可能に
- Japan East(東日本)リージョンでもAV48ノードが選択可能に。
- 高性能・大容量ワークロードも国内で柔軟に対応可能に。
👉 https://learn.microsoft.com/en-us/azure/azure-vmware/azure-vmware-solution-platform-updates
⚙️ 実務的ハイブリッド移行戦略
| フェーズ | 対応内容 | 目的 |
|---|---|---|
| Phase 1:Lift & Shift | クリティカル → AVS(IP維持、無停止) 周辺 → Azure VM |
移行完了を最優先 |
| Phase 2:最適化 | AVS上のVMをAzure VM / PaaSへ段階移行 | コスト・運用のモダナイズ |
| Phase 3:統合運用 | Azure ArcでAVS+Azure VMを一元管理 | ハイブリッド最適化 |
📊 最終判断まとめ(最新版)
| シナリオ | 最適解 |
|---|---|
| IP変更が難しい | AVS |
| ダウンタイムを最小化したい | AVS |
| レガシーOSが多い | AVS |
| 運用変更したくない | AVS |
| EoSや期限が迫っており、短期で大量移行する必要がある | AVS(並列移行がしやすい) |
| モダナイズやPaaS活用を重視 | Azure VM |
🗣 さいごに
オンプレミスVMware環境をAzureへ移行する際、
単に「どちらに載せるか」ではなく、
- どのシステムを
- どの順番で
- どれくらいの期間で移行するか
この3点が最も重要です。
特に移行期限があるケースや大規模環境では、AVSが現実解になりやすい一方、
将来的なモダナイズを見据えるならAzure VMの価値も非常に大きいです。