1.はじめに
クラウドの世界は、日々アップデートの連続です。もちろん Azure も同じです。
新しいサービスや機能追加が次々に発表される一方で、情報が多すぎて「どこを見れば大事な情報を押さえられるのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
私自身も、資格学習や実務の中で何度も同じ壁にぶつかってきました。
試験範囲を追うだけで精一杯だった時期もあれば、案件対応で必要な情報を探して右往左往したこともあります。
そんな試行錯誤を繰り返すうちに、全部を追うのではなく、無理なく続けられる仕組みを作ることが大事だと気づきました。
今では、資格勉強にも実務にも共通して活かせる「キャッチアップの型」が少しずつ定着しています。
この記事では、私が実際に使っている情報源と、その活用の工夫を整理しました。
目的は、最新情報のキャッチアップを無理なく続けるためのヒントを共有することです。
資格取得を目指す方にも、日々の実務で Azure を扱う方にも、
自分に合った情報の取り入れ方を見つけるきっかけになれば嬉しいです。
⏰忙しい方・時間がない方はこちらへジャンプ → 3.情報源まとめ
2.キャッチアップの基本スタンス
私はかつて「Azure の情報は全部追えるはず」と思い、RSS やブックマークに片っ端から登録しましたが、未読が山のように溜まり、「これは無理だ」とすぐに諦めた経験があります…
そこから学んだのは、全部を追うのではなく、選択と集中が必要だということです。
大事なのは「どの情報を軸にして、どの情報を補助にするか」を自分なりに決めること。
ここで初めて、無理なく続けられるキャッチアップの形が見えてきました。
2-1.資格視点と実務視点を使い分ける
情報を追うときは、資格学習と実務で少し視点を切り替えるだけでも効果的です。
資格学習の場合は、分野によってアプローチを変えていました。
-
AZ・SC シリーズ1(比較的馴染みのある分野)
- 情報技術の基礎学習と並行して Azure 資格の知識を積み上げるスタイル
- 参考:情報技術の基礎と Azure の資格学習をどう組み合わせたか
-
AI・DP シリーズ1(馴染みが浅い分野)
- 出題範囲を効率的に拾いながら、足りない部分を補完的に学習するスタイル
実務の場合は、担当領域や案件に関連するトピックを中心に最新情報を追い、必要に応じて公式ドキュメントやコミュニティ記事を深掘りしています。
資格でも実務でも、全部を網羅するより、必要な情報を継続的に拾うという姿勢を意識することが、キャッチアップを長く続けるコツだと感じています。
3.情報源まとめ
ここからは、私が日々のキャッチアップで使っている情報源を整理します。
先に正直にお伝えすると、資格学習に直結して使っているのは実質この2つだけです。
この2つを押さえるだけで、資格学習の基盤は十分固められます。
それ以外の情報源は、資格学習というより、実務でのキャッチアップに大きく役立っています(私の場合)。
以降は、主に実務での使い方を中心に整理しています。
生成 AI を活用する方法もありますが、ここでは誰でも再現可能な「一次情報ベースの情報源」に限定しています。
3-1.公式情報源
まず軸にすべきは、やはり公式情報源です。正確性と網羅性が圧倒的に高いです。
私は重要度を付けて参照する頻度を調整しています。
以下は、特によく利用している公式情報源の一覧です。
※重要度の目安:★3=必ずチェック、★2=定期的にチェック、★1=必要時のみチェック
重要度 | リンク | 概要 | 私の実務での使い方 |
---|---|---|---|
★★★ | Azure の更新情報 | 新サービス・機能追加・仕様変更を一覧できる公式ページ。日々の変化を最速で把握できる | 毎朝タイトルをざっと確認し、必要な更新のみ詳細をチェック |
★★★ | Azure のドキュメント | 設計・構築に必須となる公式ドキュメント。サービスごとの正確な仕様が整理されている | 設計やトラブル発生時に必ず活用 |
★★☆ | Microsoft Azure Blog | Microsoft による Azure 全般の記事。大型アップデートの背景や方向性を把握できる | 重要な変更の文脈を把握する際に活用 |
★★☆ | Japan Azure IaaS Core Support Blog | 日本マイクロソフト サポートチームによる IaaS 領域の記事。設計・構築・障害対応の知見が中心 | VM(仮想マシン)や NW(ネットワーク)の設計・構築や障害対応の参考に活用 |
★★☆ | Japan PaaS Support Team Blog | 日本マイクロソフト サポートチームによる PaaS 領域の記事。実践的な Tips を通じて理解を深められる | 設計や PaaS サービスの知識向上に活用 |
★★☆ | Japan Azure Identity Support Blog | 日本マイクロソフト サポートチームによる Identity 領域の記事。認証やセキュリティ更新の最新情報が整理されている | 認証トラブル対応や新機能の動向確認に活用 |
3-2.コミュニティ情報源
公式には載りにくい 細かな技術ナレッジや現場の知見は、コミュニティから得られることが多いです。有志の発信に日々助けられており、実務での解像度を高めるうえでも欠かせない存在です。
3-2-1.技術ブログ
日常的にチェックしている情報源です。習慣に組み込むことで、自然と知識が積み上がっていきます。
重要度 | リンク | 概要 | 私の実務での使い方 |
---|---|---|---|
★★☆ | Qiita (Azure タグ) | Tips が豊富で資格学習・実務に直結。国内利用者が多く検索性も高い | 新着記事はすべて確認し、知見の吸収や自分の発信内容との比較に活用 |
★★☆ | Zenn (Azure) | 整理度が高く体系的な記事が多い | 新しいアーキテクチャ事例や運用知見を体系的な学習に活用 |
3-2-2.イベント・スポット情報
必要に応じて確認する情報源です。新しい知見を効率的に得られる場として、とてもありがたく感じています。
重要度 | リンク | 概要 | 私の実務での使い方 |
---|---|---|---|
★★☆ | connpass (Azure 関連イベント) | 公式・コミュニティ勉強会が多数。最新知見をリアルタイムで収集 | 関心領域のイベントの定点観測に利用 |
★☆☆ | Speaker Deck (Azure 検索結果) | 発表資料が検索可能。イベントスライドが中心で、古い資料が上位に出ることがある点に注意。イベント名やサービス名などを追加キーワードにすると精度が向上 | 案件で行き詰まったときや特定テーマ調査の際にピンポイント利用 |
3-2-3.個人発信(Microsoft 関係者)
個人の発信を網羅的に追うのは現実的でないため、Microsoft 関係者の方の「X(旧:Twitter)」発信に絞っています。
リツイート経由で良質な情報が流れてくることも多く、自分一人では到底拾えない情報を届けてもらっている感覚があり、本当にありがたい存在です。
3-3.国内企業ブログ
国内企業の技術ブログは、実務に直結する事例や検証記事が多く、大変参考になります。
私は週末や月1回ほど時間をとってまとめ読みし、知識を整理するようにしています。
数ある中でも、特によく参考にしているのが JBS さんと NRI さんのブログです。クラウドの最新動向や検証結果が丁寧に公開されており、業界全体の取り組みを知る上でも有益だと感じています。
重要度 | リンク | 概要 | 私の実務での使い方 |
---|---|---|---|
★★☆ | JBS Tech Blog | Azure 全般を対象に、設計・運用・開発基盤など幅広い分野の検証記事やノウハウを公開 | 自社の取り組みと比較し、設計や運用の考え方を整理する際の参考に活用 |
★★☆ | NRI Atlax blogs | マルチクラウド活用や、表彰・イベント・組織的な取り組み紹介など幅広い内容を発信 | 業界全体の動向を把握し、自社の取り組みを俯瞰する際の参考に活用 |
4.活用のヒント
情報源を知るだけでは不十分です。大切なのは「どの頻度で触れるか」を習慣化すること。
私は次のリズムで情報を取り入れています。
毎日:速報を押さえる
対応する情報源:3-1.公式情報源 + 3-2-3.個人発信(Microsoft 関係者)
- 「Azure の更新情報」と「個人発信(Microsoft 関係者)」をチェック
① 新サービスや仕様変更を素早く把握
② 関係者の発信やリツイートから良質な情報を収集 - 日々の実務では、必要に応じて「Azure のドキュメント」を参照
毎週:整理して取り込む
対応する情報源:3-2-1.技術ブログ + 3-2-2.イベント・スポット情報
- 「技術ブログ(Qiita / Zenn)」で実務に直結する Tips をチェック
- 「イベント・スポット情報」をウォッチし、モチベーション向上や知識をアップデート
毎月:深掘りと俯瞰
対応する情報源:3-1.公式情報源 + 3-3.国内企業ブログ
- 「Microsoft の各ブログ」や「国内企業ブログ」をまとめ読み(毎週の場合あり)
- 業界トレンドを整理し、知識の偏りを防止
「毎日=速報」「毎週=整理」「毎月=深掘り」
という粒度で情報を取り入れると、無理なく続けられ、知識も定着しやすくなります。
5.おわりに
Azure は日々アップデートがあり、気づけば新しい情報が次々に登場します。
私自身も試行錯誤を重ねる中で、ようやく自分に合ったキャッチアップの形を見つけました。
ここで紹介した内容やリズムは、あくまで一例です。
大切なのは、自分に合ったやり方を少しずつ作り上げていくことだと思います。
最近では生成 AI の進化によって、情報の探し方や整理の仕方も変わりつつあります。
それでも、公式情報やコミュニティの一次情報源を押さえておくことは変わらず大切です。
毎朝1分だけ Azure の更新情報を眺めるなど、小さく始めてみるのも良いかもしれません。
それでは、快適な Azure ライフを!
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