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Azure 資格 AZ シリーズ全10資格 合格体験記 - 学習ステップ・教材・モチベ維持の実践知まとめ

Last updated at Posted at 2024-06-14

1.はじめに

2024年5月に Microsoft 認定資格(Azure)のスタンダート試験である AZ シリーズ の全10資格(全11試験)の取得を達成することができました。

image.png

Web 上にクラウド系資格の全取得の記事が数多くありますが、残念ながら AWS の記事がほとんどであり、Azure の記事は数件程度しかありません。
せっかく資格を取得したので、今後 Azure 試験を受験予定の方や これから Azure の勉強を始める方の参考になる記事を書ければと思います!

本記事では以下の内容について説明します。

  • 全資格の取得を目指した理由
  • 受験履歴
  • 資格の学習方法
  • 資格取得のフロー
  • 全資格を取得しての所感

2.全資格の取得を目指した理由

実業務に活かせる Azure 知識を増やしたかったのが理由です。

私は2020年1月に中途で当社 BIPROGY(旧:日本ユニシス)に入社しています。
※2024年度より BIPROGY グループの "ユニアデックス" へ出向中

前職ではクラウド業務の経験がなく、入社当初からチーム内のメンバーに比べて、
Azure を含む情報技術に対する基礎知識が乏しかったり全体的に視野が狭い傾向にありました。

そこで、自分が担当する分野の技術については第一人者でありたい!と自負できるようにしたいという思いから、客観的に知識があるかを評価できる資格取得(Microsoft 認定資格 や 情報系の国家試験など)を始めた流れになります。
あとは、情報技術の基礎知識や Azure 知識の向上により、全体的な視野も広がったら良いなという気持ちもありました。

尚、当社グループではクラウド資格や情報系の国家試験・資格の取得を推奨していることもあり、私自身取得するきっかけの一つになりましたし、チーム内のメンバーも同じように取得するきっかけにしている方が多いです。

上記を踏まえると、当社は若手エンジニアの人財育成に力を入れている会社と感じます。
HP に若手人財育成の内容についてまとめたページがあるので、ご興味がある方は是非ご覧ください。
https://www.biprogy.com/recruit/workstyle/p2.html

3.受験履歴

初受験の初級資格である AZ-900 から全資格の取得まで期間としては約4年半(2020年2月~2024年5月)になります。
※廃止済みの試験は一覧から除外しています。

全試験のスコアを並べてみましたが、勉強時間に比例して点数が高い傾向にありますね。
ただ、実業務がインフラメインのため、開発系の資格は勉強時間に比べて思ったより点数が伸びなかったです..

No   資格名 試験コード 受験日 スコア 勉強時間(h) 資格認定に必要な試験数(試験コード)
1 Microsoft Certified: Azure Fundamentals AZ-900 2020/2/14 788 20 1(AZ-900)
2 Microsoft Certified: Azure Administrator Associate AZ-104 2021/10/26 918 50 1(AZ-104)
3 Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate AZ-500 2022/6/27 858 30 1(AZ-500)
4 Microsoft Certified: Azure Network Engineer Associate AZ-700 2022/7/4 833 30 1(AZ-700)
5 Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert AZ-305 2022/11/4 935 50 2(AZ-104 → AZ-305)
6 Microsoft Certified: Azure Developer Associate AZ-204 2023/7/11 865 50 1(AZ-204)
7 Microsoft Certified: Azure Virtual Desktop Specialty AZ-140 2023/11/7 903 50 1(AZ-140)
8 Microsoft Certified: Windows Server Hybrid Administrator Associate AZ-800AZ-801 2024/5/2・2024/5/8 880・826 30・30 2(AZ-800・AZ-801)
9 Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert AZ-400 2024/5/16 788 50 2(AZ-104 or AZ-204 → AZ-400)
10 Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty AZ-120 2024/5/21 763 30 1(AZ-120)

4.資格の学習方法

学習方法は人それぞれ異なると思いますので、今回説明する学習方法は参考程度に留めてもらえればと思います。

学習方法は、資格取得の目的により学習のアプローチの仕方が異なります。
Web 上の Microsoft 認定資格(Azure)に関する過去記事を拝見したところ、 試験に特化した学習方法は既に記事として書かれている方がいらっしゃいました。
そこで、今回は私の資格取得の目的でもある、実業務に活かせる資格取得に向けた学習方法を説明します。

4-1.学習ステップ

実業務に活かせる学習方法とは基礎を理解し、その基礎知識を実業務で応用できるか否かだと思います。

大事な点としては試験に特化した学習(試験に出題される特定サービスや問題集の暗記)を行わないことかと思います。
もちろん資格の取得目的が"資格の取得"であれば良いと思いますが、別の目的(例:Azure 知識の向上など)があれば学習のアプローチを変える必要があります。

と偉そうに書いてしまいましたが、私自身もどのようなステップで実際に学習していたか厳密に整理したことがありませんでした..

学習ステップをサイクル図にすると、私の場合はこのようになりました。
※学生の方であれば③の実業務を Azure での実機検証や大学での研究(Azure を研究で利用している場合)に置き換えてみると良いかもしれません。

日々学習していく中で、クラウドサービス(Azure や AWS)も昔からある基礎的なアーキテクチャ(TCP / IP など)をベンダに特化したサービスに置き換えているだけと気付きました。(例外はあります)
以前は、闇雲に特定の Azure サービスを学習していることがありましたが、根本的に技術の理解ができておらず、メンバーから特定の技術の質問があった際に答えられないということが多くありました。

ここ数年は、こちらの学習ステップで技術を基礎から理解して学習を進めた上で、実業務で応用することにより、円滑に業務を進めることができるようになったように思えます。
尚、Azure 試験としてもこの学習ステップをしていく中で試験単位に時間を区切って受験を行いました。(1試験:30時間~50時間)

4-2.学習教材の紹介

①、②で私が利用した学習教材の一覧は以下の通りです。
②で特に利用したものは 各 Azure サービスの概要や具体的な機能がインプットできる Azure Docs や 試験問題集が提供されている Udemy です。

その他の教材は利用することでどのようなメリットがあるかコメントしましたので、参考になれば幸いです。こちらも整理してみると、インフラ寄りの一覧になっていますね..

①情報通信技術全般
※書籍は最新版の購入リンクです。(2025年7月時点)

No   教材名 出版社 著者(または運営者) 備考欄
1 図解入門TCP/IP 仕組み・動作が見てわかる SBクリエイティブ みやた ひろし TCP/IP の基礎本(ネットワーク)。基礎を理解することで Azure 学習の理解が早まる、深まる
2 マスタリングTCP/IP―入門編― オーム社 井上 直也、村山 公保、竹下 隆史、荒井 透、苅田 幸雄 同上
3 マスタリングTCP/IP 情報セキュリティ編 オーム社 齋藤 孝道 TCP/IP の基礎本(情報セキュリティ)。基礎を理解することで Azure 学習の理解が早まる、深まる
4 インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク・デザインパターン SBクリエイティブ みやた ひろし オンプレミスでのインフラ設計の基礎本。オンプレミスとクラウドサービスで何が異なるのかの理解が進む
5 DNSがよくわかる教科書 SBクリエイティブ 渡邉 結衣、佐藤 新太、藤原 和典 DNS の基礎本。Azure DNS の理解が早まる
6 Youtube(まさるの勉強部屋) Youtuber まさるさん IPA 試験(ネットワーク・情報セキュリティ)の学習動画。インフラ教材で理解できない部分の補完ができる
7 ゼロからスタート! 教育系YouTuberまさるの情報処理安全確保支援士1冊目の教科書 KADOKAWA まさる IPA 試験(情報セキュリティ)の学習教材。情報セキュリティの基礎を知ることができる
8 ネットワークスペシャリスト - SE娘の剣 - 左門 至峰 IPA 試験(ネットワーク)の学習教材。理解してるつもりのネットワーク知識を本当の意味で理解してるにできる
9 左門至峰の出るとこネスペ教科書 最短距離で合格できるネットワークスペシャリスト 日経BP 左門 至峰 同上
10 ネスペの基礎力 -プラス20点の午後対策 技術評論社 左門 至峰、平田 賀一 同上
11 [左門式ネスペ塾]手を動かして理解する ネスペ「ワークブック」 技術評論社 左門 至峰、山内 大史 同上
12 Udemy 開発系(寄り)の学習教材。アルゴリズム、プログラミング、コンテナ、クラウドでの IaC 知識などが深まる

②ドキュメント

No   教材名 備考欄
1 Azure ドキュメント Azure サービス単位の技術資料
2 Microsoft Learn Azure サービス単位や資格単位の学習プラットフォーム

②Web 問題集

No   教材名 備考欄
1 Udemy AZ シリーズ試験の問題集。試験コードによっては英語のみの提供

②Azure 検証環境

No   教材名 備考欄
1 Azure Portal 新規登録で USD $200 分の Azure サービスの利用が無料

②書籍

No   教材名 出版社 著者 備考欄
1 AWSの基本・仕組み・重要用語が全部わかる教科書 SBクリエイティブ 川畑 光平、菊地 貴彰、真中 俊輝 他社クラウドサービス(AWS)の基礎本。Azure サービスとの機能比較やアーキテクチャの違いが理解できる

4-3.学習のモチベーション維持

他の方の記事では資格の概要や学習方法がメインの説明になっていることが多く、学習のモチベーション維持に関する記事がありませんでした。
私個人としては、何かしらの資格の全資格を取得するにはモチベーションを維持する方法を見つけないと学習が続かないと思っています。

モチベーション維持の方法は数多くありますが、今回は私自身が実践して良かったものを2つご紹介します。

学習時間を記録する

1つ目は日々の学習時間を記録し、可視化することです。
自身の学習の積み重ねを可視化することでき、日々成長できている実感や学習の習慣化を行うことができます。
昨年度のこの時期や先月はこのぐらい頑張れたんだから今月も頑張ろうというモチベーション向上に繋がるというイメージです。

学習管理ツールはいくつもあると思いますが、私の場合はスマホアプリの「StudyPlus」を利用しています。
https://app.studyplus.jp/

自習室を利用する

最近は社会人向けの自習室が各地域にどんどん増えています。
実際、自習室を利用すると別業種や同業種の方で日々自己研鑽に取り組まれている方がたくさんいらっしゃいます。

周囲に勉強する人がいると周りが勉強しているのに、自分だけ怠けるわけには..となり、半強制的に学習を行うことができます。
一人で学習を継続できる方は不要かと思いますが、私のように誰かに見られていないと怠けてしまう人にはうってつけだと思います。

読者の方の近隣にも社会人向けの自習室があると思いますので、是非活用してみてください!

5.資格取得のフロー

資格取得のフローですが、まずはどのような資格があるのか把握する必要があります。
過去の記事や MS Docs にて資格情報の掲載がありますが、最新の情報ではなかったり、廃止された資格が含まれていたりと、困惑することが多いと思います。

結論、最新の資格一覧は以下の MS Docs(学習ガイドの一覧)より確認できます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/resources/study-guides/az-104

5-1.各業種(役割)での取得フロー

それでは、実際の取得フローの説明を!と進めたいところですが、それぞれの役割や立場によって取得フローが異なります。
SEであればインフラ系、開発系、特定分野の専門系に分かれますし、その他営業の方や Azure を利活用する方に大きく分類できます。

私が調べる限り、2024年6月時点で AZ シリーズの取得フローの記載がある 記事や Docs は見つかりませんでしたので、独断と偏見込みで各業種(役割)向けの取得フローを作成しました。

image.png

個人的な見解になりますが、どの業種(役割)の方も Azure に携わるのであれば、AZ-900(初級試験) と AZ-500(中級試験:セキュリティ)の取得(あるいは知識を身に付ける)を推奨します。
AZ-104(中級試験) から取得する方も多いかもしれませんが、基礎の基礎の Azure 知識やセキュリティの知識というのは非常に重要だと思うからです。

なぜなら、どの Azure サービスを触れるにしても基礎の Azure 知識やセキュリティ知識は必ず必要になります。
業務の中での一つの設計ミスや操作ミスにより、機密情報が漏れたり、脆弱な箇所が見つかり攻撃のターゲットになったりと、知らず知らずのうちに自身がセキュリティ事故を起こしてしまう、あるいは何らかの被害を受ける可能性があります。
そうなるものとは知らなかったんです!というのは通用しないので、是非とも Microsoft 認定資格(Azure)に興味を持たれた方は取得を進めていただけると幸いです。

6.全資格を取得しての所感

約4年半掛けて、AZ シリーズの全資格の取得が完了しましたが、取得してみて自身の中で変わった点を書きたいと思います。
ざっと箇条書きで書くと以下の通りです。

  • 数少ない Microsoft 認定資格(Azure)取得の記事を BIPROGY グループから社外へ発信できたこと。
  • Azure 技術の担当分野の範囲は自身を持って実業務で発言できるようになったこと。
  • 実業務で何らかのサービスを調査・整理をする場合も一度資格で学習した範囲が多く、記憶を呼び戻すだけで対応できることが多くなったこと。(作業効率アップ!)

人それぞれ取得のメリットは異なると思いますが、私自身の体験談も読者の方の参考になれば幸いです。

最後に Microsoft 認定資格(Azure)には AZ シリーズの他に AI(人工知能・機械学習) シリーズ、DP(データベース) シリーズ、SC(セキュリティ)シリーズがあります。
今回はあくまでも AZ シリーズの全資格の取得になるので、今後は AI、DP、SC も含めて、本当の意味での全資格の取得をいつか達成したいなーと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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