業務知識すら知らないとデータ分析をやれないでしょう【連載-3】

前はECサイトの訪問数とコンバージョン率の分析に解説しました。

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業務知識すら知らないとデータ分析をやれないでしょう【連載-1】

業務知識すら知らないとデータ分析をやれないでしょう【連載-2】

顧客の購買プロセスにおいて、訪問、購入の次のステップは継続訪問ですが、今回は継続訪問に直結したAU(アクティブユーザ-)リテンション率のデータ分析を行います。


AUとリテンション率

訪問数とコンバージョン率を知ってるが、AUとリテンション率にあまり詳しくない方がと思うので、まずこの二つの意味を説明します。

AU(アクティブユーザー):アプリ、SNS、ECサイトなどにおいて、ある期間内に1回以上ログインしたり、利用したりするユーザーのこと。「DAU」は1日あたりのアクティブユーザー、「WAU」は週間アクティブユーザー(Weekly Active User)、「MAU」は月間アクティブユーザー(Monthly Active User)を指します。

リテンション率(Rentention):直訳すると、顧客維持率となります。つまり、既存のユーザーを維持している割合のこと。簡単な例を挙げて説明します。新規ユーザーを100名獲得し、その内の20名が3ヶ月目もサービスを継続利用した場合、3ヶ月目のリテンション率は20/100=20%となります。

実際の計算は下記となることが一般です。

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(画像の出所)

AUとリテンション率は、ECサイトの売上をあげることと、サービス運営を安定させることと強く繋がります。現在の日本インターネット業界において、新規ユーザーを獲得するためのコストは、年々増加しています。せっかく獲得したユーザーに継続利用させないと、広告費などのコストはもったいなくなるのではないでしょうか。

逆に、より多くの既存ユーザーを維持できれば、ユーザー毎のライフタイムバリューが高くなって、高価の広告費をかけなくても売上を確保することができます。


分析の目標

DAUとリテンション率をモニタリングすることで、課題を発見してマーケッターに施策の根拠を示し、最終的にAUとリテンション率を向上させること。

一部のマーケッターは、DAU( 1日あたりのアクティブユーザー) だけに注目していますが、しかし、高いDAUでも问题があるでしょう。アクティブユーザーは新規ユーザーと既存ユーザーを含めます。新規ユーザーをたくさん獲得したので、実に減少している既存ユーザーのことを発見しないことになりがちです。

リテンション率が高いほど、AUが自然に上がっていくと考えられます。

(下記のチャートはFineReportで作成しました。)


分析のポイント

1.DAUの構成を分析して、施策の効果を測定する

2.リテンション率の法則を見つけて、マーケティング戦略を調整する

3.機能別などにリテンション率を比較し、サービスの機能を最適化する


1.DAUの構成を分析して、施策の効果を測定する

アクティブユーザーは新規ユーザー既存ユーザー復帰ユーザーの3種類を含めてます。復帰ユーザーは、ある原因で一度サービスを離脱して、再度使うようになるユーザーのこと。

復帰ユーザーを心がけないマーケッターがいるかもしれませんが、しかし、ある場合には復帰ユーザーの分析が必要と思います。例えば、リテンション広告を配信したり、プッシュ通知機能を改善したりすると、休眠ユーザーを呼び戻すこよができるのではないでしょうか。

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上図では、何日目を軸項目に、新規、既存、復帰ユーザーをラベルにして、DAUの面積グラフを作りました。

AUの理想的な状態は、既存ユーザーの割合が高く、しかも増え続けることです。それは、継続利用している新規ユーザーが、離脱ユーザーより多いことを示すからです。

そうでなければ、新規ユーザーのリテンション率が低いか、既存ユーザーの離脱率が高いことになって、いずれの場合も対策を講じしなくてはなりません。

上図は5月19日から、既存ユーザーの割合がアップして、復帰ユーザーが19日から23日の間に少し増えたことがわかります。この期間の施策が休眠ユーザーを再度アクティブユーザーになってもらえたと推定されます。


2.リテンション率の法則を見つけて、マーケティング戦略を調整する

利用頻度が比較的に高いECサイトに対して、リテンション率を段階的に分析する必要があります。


  • 段階一:獲得した新規ユーザーはすぐ離脱する可能性が高くて、リテンション率が大幅に低下するに違いありません。一般的に、この期間が短いと思われます。


  • 段階二:それから、継続利用のユーザーに満足してもらえなければ、その一部が離脱します。


  • 段階三:最後に残ったユーザーがリポーターになって、リテンション率もあまり変化しないことになります。


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利用頻度がそれほど高くないECサイトは、下図のように、月間のリテンション率をモニタリンすることが多いです。しかし、この場合、リテンション率を段階的に分析し、その法則を見つけることが困難なので、再購率を分析したほうがいいと思います。(再購入率についてはまた次回で説明します)

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3.機能別にリテンション率を比較し、サービスの機能を最適化する

下図のように、機能別にリテンション率を比較したら、「Like」と「Share」機能のリテンション率が高いことがうかがえます。従って、ユーザーがその二つの機能をより多く使用するように、ECサイトのデザインや機能を調整します。このように、全体のリテンション率も上がるのではないでしょうか。

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また、切口を変えて、性別、年齢、集客チャンネル、商品カテゴリ別にリテンション率を比較してもいいです。データ分析に欠かせない五つの考え方に述べたように、問題が起きているデータと、問題が起こっていないデータを比較することで、違いがなにによって発生しているのかを発見できます。

例えば、男性ユーザーのリテンション率が女性ユーザーより高い場合、その差の原因を明確化し、女性ユーザーを引き付けるサイトのデザインか集客チャンネルを利用するなどの施策を行う必要があります。


最後に

ECサイトの運営者であれば、「AUとリテンション率を増やさなければならない」という意識を持っているものです。上記はただAUとリテンション率を分析する際に参考になれるポイントをいくつか挙げますが、実際の状況に応じてにお役立てください。

次はECサイトのデータ分析シリーズの最終回で、最後のステップの再購入にかかわる再購率を分析してみます。


そのほか

データ分析の勉強法:

小売業のデータ分析: