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業務知識すら知らないとデータ分析をやれないでしょう【連載-1】

Last updated at Posted at 2019-06-27

はじめに

お久しぶりの更新です。

仕事の関係で、最近インターネット業界でデータ分析の仕事をする人と付き合うことが多いです。その中に、業務データを手に入れた時、「どんなデータを分析すべきか」「どのような分析をすればいいのか」「分析の結果をどのように活用するのか」、といったことがさっぱらわからない人がいます。その原因として、業務のフローや業務に伴う様々な課題に関する具体的なイメージを持っていないだろうと考えます。

【学習計画】十週間で知識ゼロからのデータ分析入門では、第九週は業務知識を習得することです。業務知識を勉強しなければと思うものの、どこから手を付ければよいものかに悩んだ方のために、ここはインターネット業界のECサイトを例に挙げて、業務フローや業務データの分析のポイントをご紹介します。

ご参考になれば幸いと思います。もしご意見があれば、コメントお願いします。

購買プロセス

ECサイトはインターネット上で顧客に商品やサービスを販売することで利益を獲得するので、顧客と商品がECサイト運営におけるもっとも重要な要素だと考えられます。まずは顧客データの分析を解説します。

ECサイトの顧客の購買プロセスは簡単に言うと、訪問購買継続訪問再購入の四つの段階に分かれます。ありたい姿は、大勢の顧客を獲得し、受注し、既存顧客から継続して受注することですが、現実的にかなり難しいです。
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顧客データの分析によって、ありたい姿と現状の差(問題)を明確にして、どの問題を改善するのかを決定できます。それから、問題に対して施策して、施策効果を測定します。

このシリーズは顧客の購買プロセスに従って、訪問数(アクセス数)コンバージョン率(CV率)アクティブユーザー(AU)再購率の四つの指標から顧客データの分析を行います。

今回はまず訪問数の分析をご紹介します。

1.訪問数の分析

ここに使うデータはネットからダウンロードしたある中国ECサイトのデータで、FineReportでダッシュボードに作成した。

分析の目的:

訪問数の分析を通して、安定した訪問数を保証する;

改善策によって訪問数の向上を図る。

分析のポイント:

1.訪問数の法則を見つけて、販売活動の効果の最大化に役立てる

2.訪問数にある異常を発見し、異常原因を分析することで改善策を考える

3.訪問数の構成を分析し、調整を行う

4.訪問数をトラッキングして、施策効果を測定する

分析の方法:

以上の目的を果たすにはいろいろな方法があります。データを可視化し、グラフやチャートに表示することで、問題をより簡単に発見することができます。

以下はFineReportで作った簡単なダッシュボードで、様々な切口からデータを分析します。FineReportのパラメータパネルおよび多様なウィジェットにより、ノンプログラミングで絞り込み機能を実装し、データを検索できます。

1.訪問数の法則を見つけて、販売活動の効果の最大化に役立てる

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上図から、一日のうち9時から11時と、14時から17時の勤務時間にアクセスが集中し、一年のうちは1月、2月前後のアクセス数が多くて、毎週アクセスが平日に集中しているということが分かります。ほとんどのECサイトは休日にアクセス数が高いですが、まったく違う状況になる可能性もあります。

アクセス数は時間、日間、週間、月間などの時間軸で区切って集計し、1つの画面に配置して観測すれば、毎日どのくらいの人がサイトを見てくれているのか、曜日によって変化はあるのか、時間帯によって変化があるのかどうかなども分かります。

訪問数の法則を見出すことは、販売活動の効果と業務の調整に影響を与えます。例えば、 A社は、20000円以上の買い物で使える3000円引きクーポンを発行するという販促活動を二日間行うつもりです。水曜日と木曜日の午前9時と10時に活動をはじめれば、より多くのユーザに知られるでしょう。このように、コストを抑えたり、売上アップに繋げたりすることができるのです。

2.訪問数にある異常を発見し、異常原因を分析することで改善策を考える

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上図から訪問数にある異常がわかりませんか?

①アクセス数が平日に多くて、週末になると減少することが一般的ですが、上図で5月2日と4月5日は月曜日なのに、アクセス数が非常に低いです。ちょっと考えると、5月2日と4月5日が中国の連休なので、アクセス数が高くないのは自然なことです。

②3月21日から4月17日まで、平日は2400ぐらいの訪問数を維持しました。しかし、4月18日から5月15日の間、4月19日から毎日の訪問数が2000以下になって、大幅に減少したことがわかります。原因としては、競合他社が広告の数を増やすとか、自社サイトのSEO対策に効果が出ないとか、が挙げられます。 具体的な原因は実際の状況に合わせてしっかり調べる必要があります。

アクセス数は周期的に分布するので、一度に複数の周期のデータを見れば、問題が見つけやすくなります。過去のデータと比較することも、問題の発見に役立ちます。

下図のように、ドリルダウンして、訪問数をより深く解析します。流入元か商品カテゴリー別にアクセス数を分析し、問題の原因を絞り込むことができます。例えば、4月中旬から、PC端末経由のアクセス数が減少したので、最近Webサイトに何か調整したかなどを確認する必要があるということになります。
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3.訪問数の構成を分析し、調整を行う

下図のように、流入元、商品カテゴリー、および地域別に訪問数の構成を分析します。

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流入元では、PC端末の割合が比較的に高くて、アプリの割合が低いことがわかります。今、ユーザが携帯に費やす時間が長くなるので、アプリの割合を高めたほうがいいのではありませんか。アプリの割合が低すぎる原因を分析し、アプリからの訪問数を増やす方法を見つける必要があります。各流入元の訪問数の折れ線グラフを通して、この状況が長期間つづけていたのかを分析したりして、問題の原因を特定します。

一般的に広告のような有料な流入元の割合を抑えて、無料な流入元の割合が優位を占めるようにする必要があります。商品カテゴリーによって状況が異なりますが、業界と競合他社のデータと比較することで、自社の流入元の構成が合理的であるかを確認します。

もちろん、流入元の効果は構成だけではなく、コンバージョン率やROIなどによって測定する必要があります。これは今後【コンバージョン率の分析】で説明します。

4.訪問数をトラッキングして、施策効果を測定する

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上記の訪問数の分析によって、現状の課題をはっきりさせて、どのような解決策を取るかを決めた後、施策前後の訪問数をトラッキングすることを忘れないでください。例えば、訪問数が販促活動期間大幅に上がって、活動終了後少し下がれば、その販促活動は効果がいいと考えられます。それに反して、訪問数が販促活動期間あまり上がらないか、活動終了後大幅に下がれば、その販促活動を改善する必要があります。

販促活動以外、会社は常に広告を増やしたり、サイトのデザインを調整したり、機能を最適化したりします。施策効果を測定するには、訪問数だけではなく、コンバージョン率、受注数、客単価なども考えるべきです。これも今後一一紹介します。

次の記事は「コンバージョン率の分析」。↓↓↓
業務知識すら知らないとデータ分析をやれないでしょう【連載-2】

そのほか

【学習計画】十週間で知識ゼロからのデータ分析入門シリーズ、今迄の記事:

最近記事の更新を怠って、知らないうちに最初の学習計画からもう半年経ちました。でも、どうしてもこのシリーズを終わらせようと思います。お読みいただきありがとうございます。


ツイッターでデータ分析・可視化、仕事のスキルについての面白い情報を発信しています。よかたっら覗いてください!:sparkles:

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