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業務知識すら知らないとデータ分析をやれないでしょう【連載-2】

先週、業務知識すら知らないとデータ分析をやれないでしょう【連載1】にECサイトの訪問数の分析について説明しました。購買プロセスにおいて、訪問の次は購買なので、今回は購買につながる指標のコンバージョン率の分析を行います。

会社によって違いますが、ECサイトを訪れたユーザーが購入に至るまで、閲覧⇒登録⇒カートに入れる⇒注文⇒決済⇒完了などのステップが必要です。

 

いずれかのステップでユーザーがやめてしまうことがあるので、ユーザが障壁なく購入完了に到達するように努力して、各ステップのコンバージョン率を向上させるのはECサイトにとってもっとも重要なタスクだと考えられます。

このコンバージョン率が高ければ高いほど、売上を生み出す最適化されたECサイトであるということになります。


分析の目標:

各ステップのコンバージョンにある異常を分析し、次に効果的な一手を打つすることで、各ステップのコンバージョン率を最適化する

下記のチャートはFineReportで作りました。


分析のポイント:

1.コンバージョン率に問題のあるステップを見つけて、改善する

2.コンバージョン率の変化を追跡し、施策効果を測定する

3.集客チャネルのコンバージョン率を分析し、効果的な集客方法を打ち出す

4.各ステップのコンバージョン率周期を分析し、ユーザーの購買習慣を理解する


1.コンバージョン率に問題のあるステップを見つけて、改善する

従来のファンネルチャートでは1つのパスのコンバージョン率しか表示できませんが、上図に示すように、少し変えれば、新規ユーザーと既存ユーザーのコンバージョン率の比較などが実現できます。 実際の状況に応じて、登録、お気に入りなどそのほかのステップをファンネルに追加してもいいです。

上図から、注文率と決済率の間の差が大きいことがわかります。ユーザが注文すれば、決済の可能性が高いことになるでしょう。しかし、ここは決済のコンバージョン率は50%しかありません。原因として、以下にいくつかを挙げます。


  • 他社ECサイトの商品を見て、それがもっといいと思って、決済をキャンセルする

  • 決済前にこの商品がそれほど必要ではないと思うようになる

  • 決済の際、自分のクレジットカードがサポートされないことを気づく

  • 注文した後、在庫不足と知らせられる

  • ウェブページの読み込みが遅い

  • クレジットカードが残高不足
    など......

決済に至らなかった原因は主にユーザー自身とシステム設計にあると考えられます。決済率はこんなに低い場合、システム設計に問題があると推測できます。具体的にどこに問題あるのか、さらにデータを分析してみましょう。

FineReportのデザイナで、一つのセルデータを複数の表とグラフへのドリルダウンを設定できます。上図のように、「決済」をクリックすれば、それに対応する流入元と商品カテゴリのコンバージョン率が表示されます。

流入元間に差が大きくて、商品カテゴリ間にあまり差がないことが明らです。さらに、PC経由からの決済率が非常に低いので、PC端末に問題があると確認できます。

上記のように、決済率が低いことを簡単に見つけることはやはり少ないでしょう。では、

どうすれば、どのステップのコンバージョン率を改善すべきかを判断するんですか?

上図は、自社の前期、類似競合サイト、優秀競合サイト、複数のダイメンションから現時点のコンバージョン率を比較します。業界と競合他社のデータを手に入れることが難しい場合、ダイメンションを減らしても、代わるデータ(目標値、類似業界)をさがしてもいいです。

でも、「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉があります。やはり今の自社のサイトと競合サイトを比較したほうがいいと思います。


2.コンバージョン率の変化を追跡し、施策効果を測定する

訪問数だけではなく、コンバージョン率も追跡する必要があります。時間の経過に伴う各ステップのコンバージョン率をトラッキングすることで、施策の効果を計ります。

上図から、4月17日から4月21日までの間に、コンバージョン率が減ったことがうかがえます。流入元と商品カテゴリ別に分析すれば、コンバージョン率に減少が見られる流入元と商品カテゴリを確認できます。

最も多い原因は新しく利用した集客チャネルは、新規ユーザーを獲得した一方、商品を購入したユーザーが少なく、全体的なコンバージョン率を下げたということです。

そのほか、4月22日からコンバージョン率が伸びて、それから高く維持されています。販促活動、機能の最適化、効果的な集客チャネルなどの施策の効果が証明され、これからも打ち続けられるのではないでしょうか?


3.集客チャネルのコンバージョン率を分析し、効果的な集客方法を打ち出す

ECサイトの集客チャンネルには様々な種類があります。例えば、Googleではチャネルを下記のように分類しています。


  • ディスプレイ広告

  • 有料検索(リスティング広告)

  • その他の広告

  • オーガニック検索

  • ソーシャルネットワーク

  • 他のサイトからの参照(リファラル)

  • メール

  • 直接流入(ダイレクト)

訪問数の分析に述べたように、集客チャンネルの効果は訪問数だけではなく、コンバージョン率やROIなども考慮して測定する必要があります。

データ分析に欠かせない五つの考え方【データ分析手法をたくさん知っても活用できない根本理由】に、4象限マトリクスを紹介しました。4象限マトリクスとは、横軸、縦軸をそれぞれの中心点で交差させた図表のもので、課題の現状と改善方法(例えば、商品分析、市場分析、顧客管理など)を説く際に使われます。

ここは集客チャンネルの効果の測定に使って、バブルチャートを作成します。訪問数、購買完了のコンバージョン率を横軸、縦軸として、集客チャンネルの効果を四つの象限に分類します。そして、バブルの大きさをROIに設定することで、各チャンネルの効果をわかりやすく表示するようになります。

しかし、4象限マトリクスは特定の時間と状況のコンバージョン率(1つの点)しか表示せず、コンバージョン率のトレンドを表示できません。集客チャンネルの安定性を確認するには、コンバージョン率のトレンドを表す折れ線グラフと繋げて分析する必要があります。


4.各ステップのコンバージョン率周期を分析し、ユーザーの購買習慣を理解する

一部の商品は最終的に購入を行うまで長時間がかかる場合、各ステップのコンバージョン率周期を分析する必要があります。

上図のように、決済に至ったほとんどの顧客は第5週前に購入が完了し、第6週になると、購入完了率はほぼ100%です。そこで、第5週に購入が完了しなかった原因を辿り着き、コンバージョン率を向上させます。

また、コンバージョン率周期を短縮するために、四週間内に購入すればポイント倍返し、などの対策を立てることもいいでしょうか。


最後に

上記のコンバージョン率の分析はあくまで浅くて簡単な分析で、データ分析の結果の表示に偏っています。コンバージョン率に影響する原因がいろいろありますので、データマイニングを利用して、データ分析チームに任せる会社が多いです。

ネットや手元のデータを利用し、Excel、TableauFineReportなどでチャートやダッシュボードを作ってみましょうか。作ってみれば、データ分析の考え方と手法に対する理解が深まると思います。

ダッシュボードの作り方↓↓↓

ダッシュボードを作ってみたらそんなに難しくない

新規ユーザを獲得し、購入にコンバージョンした次のステップは、ユーザの継続的な訪問を実現することです。次回はアクティブユーザーの分析をご紹介します。

次回の記事:業務知識すら知らないとデータ分析をやれないでしょう【連載-3】


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