10/5 の「ふりかえりの手法をたくさん学ぼう」でいいふりかえり手法をたくさん紹介いただいたので、改めてまとめます。
記事の元になったお話、資料
ここに記載しているのは、以下で紹介された手法です。
ふりかえり手法の確認には、以下が紹介されていました。
各手法、簡単に実践方法と効果を書いています。
実践例の記事が見つかったものはリンクを貼っているので、詳細はそちらをご参照ください。
各手法の参考リンクは、適当にググって出て来たものがほとんどですので、個人サイトのものなどは特別な理由があるわけではないです。
切り口別は、YouTube内で紹介された話以外に主観が入ってしまってると思います。ご指摘歓迎です。
(2020/11/7 追記)
以下に、より個々の手法を詳細に説明した記事が公開されましたのでご紹介します。
ふりかえりの手法をたくさん学ぼう - taumax-github
(2021/5/15 追記)
以下に、ふりかえり手法と例を以下にまとめていただいているのでこちらもご紹介します。
ふりかえりを拡張する「ふりかえりカタログ」
紹介されたふりかえり手法一覧
実に、24手法。
- 象、死んだ魚、嘔吐
- 斜に構える、構えないを繰り返す
- ORID
- 360度感謝
- Small Starfish
- Happiness Radar
- Happiness Door
- SSC(Stop Start Continue)
- Starfish
- Following up on Action Items
- 温度計
- カラーコードドット
- フラクタル
- 555(triple nickels) / envelope
- story of a story
- Good & New
- KPT as ART
- effort & pain
- 闇鍋
- 対話による学びの抽出
- 質問の輪
- 熱気球・スピードカー・帆船
- Value Stream Mapping
- デイリーハッスル
切り口別
サイズ別:
-
一人でふりかえる/気軽にふりかえる
-
YWT (一番楽)
-
ORID (少し深くふりかえりができる)
-
※ 一人でふりかえる上で大事なこと:
- 習慣化する。同じ時間にする。(通勤中とか)
- 見える場所にアクション、付箋をおく。
- 無理しない(毎日やらなきゃ...の強制感を持たない)
-
-
長期間をふりかえる
環境別
- オンラインでふりかえる
- 熱気球・スピードカー・帆船 (ホワイトボードで楽しく)
- 音声だけでふりかえる
シチュエーション別
- チームビルディングしたい
- 象、死んだ魚、嘔吐 (問題を言える空気ができる)
- Happiness Radar
- いつもと違う感じを出したい
- 斜に構える、構えないを繰り返す (いつもと違う立ち位置で喋る)
- 闇鍋
- 声の大小の効果を抑えたい
- 何かをやめたい
- ポジティブになりたい
段階別
- 場を作りたい
- ふりかえりを終わりたい
それぞれの手法
象、死んだ魚、嘔吐
[やること]
以下の3つを順番に挙げていく
- 象: すごく大きい、見ないフリをする課題
- 死んだ魚: 放置するとまずいことになる問題
- 嘔吐: 胸の中にあった課題
[有効なシーン/効果]
- 関係性ができてないチームで強力。
- チームの中盤に、終わりに向かって気になることを出したい時にもいい。
[参考]
斜に構える、構えないを繰り返す
[やること]
- ロールプレイをする。2つのロールを、交互に演じる。
- 斜に構える: うがった見方をする、皮肉っぽく言ってみる
- 斜に構えない: 素直にみる
[有効なシーン/効果]
- 繰り返すと、いろいろな視点が出てくる。
- それぞれがどちらかに振られてる人が多い。
- 普段と違う自分が出せる。
[参考]
ORID
[やること]
以下の4つを順番に挙げていく
- O: Objective, 事実
- R: Reflective, 感情 (嬉しい、悲しい)
- I: Interpretative Question, 学び、気づきの抽出
- D: Decision, 決定 (次の行動をどうする?)
[有効なシーン/効果]
- 内省に特化したふりかえり。
- 研修のあととかにもいい。
- 5分くらいかかる。一人ふりかえりで、深くみることができる。
[参考]
360度感謝
[やること]
- チーム全員に感謝する、全方位
[有効なシーン/効果]
- ふりかえりに慣れてない人に有効
- 感謝をしてからふりかえりするかで、その後の意見の出方が変わってくる。
- KPTプラス感謝でやってみるのもいい。
[参考]
Small Starfish
[やること]
以下の3つを順番に挙げていく
- Keep (続けること)
- More Of (もっとやること)
- Less Of (もっと減らせること)
[有効なシーン/効果]
- ポジティブな気持ちで喋れる
[参考]
Happiness Radar
[やること]
- レーダーチャートで書いていく
- 感情の上下をタイムラインで表現
- 3段階の感情付箋をつけるとか
[有効なシーン/効果]
- 感情の上下をふりかえりの材料にする
- 場づくりにい
[参考]
Happiness Door
[やること]
- 研修、職場で必ず通るところにマークを貼っていく
- 晴、曇、雨、雷
- とても幸せ、幸せ、悲しい、とても悲しい
[有効なシーン/効果]
- さくっとフィードバックが得られる
- アンケートなどよりも、感想を求めやすい
[参考]
SSC(Stop Start Continue)
[やること]
以下の3つを順番に挙げていく
- Stop (止めること)
- Start (始めること)
- Continue (続けること)
[有効なシーン/効果]
- 世界では一番浸透している方法。(日本だとKPTとか)
- 明確な "stop" がある。badを止められる。
- 問いの中に "stop" が入った物を考えるのは、やめるための一つの方法。
- stop や less of は出にくいので最初に。
- 最初にStopを話すと、出やすい。
- プラスする物を話し始めると、止めることを考えづらくなる。
[参考]
Starfish
[やること]
以下の3つを順番に挙げていく
- keep (続ける)
- stop (やめる)
- start (始める)
- more of (もっとやる)
- less of (もっと減らす)
[有効なシーン/効果]
- small starfish + SSC
[参考]
Following up on Action Items
[やること]
- 過去のアクションを見直す。
- Dropped : やったけどやらなくなったもの
- Added : 追加されたもの
- Pending: 途中で止まっているもの
- Doing : 今もやっている
- 挙がったアクションに対して見直しをかける
- やり続けているけれど不要な物
- Dropped になっているけれど、再開したい物
- Doing が多すぎる/やりすぎ
[有効なシーン/効果]
- 溜まって来たアクションの見直し
- 長期間のふりかえり、フラクタルなふりかえりにいい
[参考]
温度計
[やること]
- 水銀の温度計イメージで書いていく
- 感謝(お互い)
- 気づき、学び
- パズル/興味が出たもの(よくわからなかったけど, 気づき)
- 提案付き苦情(ここはこうしたほうがいい。提案が大事)
- 希望
- 一つ一つを話していく
[有効なシーン/効果]
- ふりかえりの終わりにいい
- ワークショップ後、明日からやりたいこと、お互いの感想を話すのにいい
[参考]
-
Agile Retrospectives / 8.3 Activity: Temperature Reading
- 日本語版は「 アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き」にて
-
Temperature Reading Retrospective - Scrum.org
- 上の記述と違い、6項目の方式です。(上の分類はアジャイルレトロスペクティブの形)
- 感謝、興味、提案/苦情、気づき、パズル、希望 (興味がパズルから独立している)
-
温度計ふりかえり (Temperature Reading)
- 参考というか、自身の記事です。画像イメージがあるとやりやすい人もいるかと思うので、参つけました。
カラーコードドット
[やること]
- ドットシールを使う
- タイムラインなどを洗い出した後、ドットシールで感情を表す
- 感情の種類で色を分ける
- 強い感情は複数ドットを複数貼る
- 感情の偏りを見てみる
[有効なシーン/効果]
- 他の手法のふりかけ
- タイムラインなどの分析に、感情を重ねられる。
- 感情は次の原動力になる。
[参考]
フラクタル
[やること]
- フレームワークとして使う。
- 時間ごと、日毎、全体でなどの単位でふりかえりを行う。
[有効なシーン/効果]
- カンファレンスなどで、セッションごと、日毎、イベント通してなどのふりかえりができる
[参考]
555(triple nickels) / envelope
[やること]
- グループに分かれる ( 8人なら 4 + 4 とか)
- それぞれのグループで、どんなふりかえりをしたいか書く
- Aグループの書いたものをBグループが受け取る
- BグループはAグループの議論に上書きする
- 次のグループに順々に渡していく
[有効なシーン/効果]
- アイデアを発散させる
- 何をふりかえるか決める、深掘りする
- 他の人の書いたものに肉付けしていける
[参考]
- トリプル ニッケルス(もしくは、それっぽいもの)
- 書籍 Agile Retrospectives
- 封筒という方法もある
story of a story
[やること]
- 道を辿って、思い出していく
- 事実の上に、keepを並べる
- 続いて、避けるべきこと
- その後、コミュニケーション、コラボレーション
[有効なシーン/効果]
- コミュニケーション、コラボレーションの話に注力できる。
[参考]
Good & New
[やること]
- 良かったことと、気づきを挙げる。
[有効なシーン/効果]
- 良いことを出しにくい人ほどいい。
- 1%でも良いから、変化を考えるのが大事。
[参考]
KPT as ART
[やること]
- フラクタルスプリント・ライフログのようなKPTを行う。
- ラベリングとかなしに、K, P, Tに関連した話を出していく
- (短い言葉で、背景まで説明するのは難しいです。参考のリンクからいける動画を確認してください)
- (リンク先の話だと、各々がスプリント(15分)ごとに K, P, T がつく一言を書いていく、などでした)
[有効なシーン/効果]
- フラクタルに実践するスプリントの中で有効
- クリエイティビティには、アート、サイエンス、デザイン、エンジニアリングの4つが大事。エンジニアリングやデザインに寄ってるチームに変化を与える。
- そのために、デザインになるラベリングとかは避ける。
[参考]
effort & pain
[やること]
- アイデアを絞り込むための二軸
- effort : 努力
- pain: どれだけ痛みを軽減する?
- Y軸に effort 、X軸に pain で付箋を貼る。
- 少ないeffort, 多くのpain解消 できる物を探す。
[有効なシーン/効果]
- リターンの高いものを優先して、アイテムを除外するのに非常に効果的。
- keepの意見が出やすい
[参考]
闇鍋
[やること]
- 話したいテーマをボックスに入れる
- ボックスからテーマを出して、順に話していく。
[有効なシーン/効果]
- kptに飽きたら。
- 楽しい。
- 同じ手法を続けると飽きる。
- 別の手法を使うとか、ふりかえりテーマを決めてみるとかが効果的。
- 声の大小を無視して、テーマを選べる。
[参考]
対話による学びの抽出
[やること]
- 問いかけを投げ合う
- 音声で学びを言い合う
[有効なシーン/効果]
[参考]
質問の輪
[やること]
- 次のスプリントで何をしたらいいか、問いかける。
- 聞かれた人は、その次の人に同じ質問をする。
- 前の人の意見を踏まえた回答が続く。
- 2, 3週すると、具体化する。
[有効なシーン/効果]
- 可視化した方が効率的。
[参考]
熱気球・スピードカー・帆船
[やること]
- 気球に乗ってる姿を描く
- 自分たちを持ち上げてくれたものは? 上昇気流になった物を描く。
- 自分たちの情報を妨げたものは? 重りになった物を描く。
[有効なシーン/効果]
- メタファーを通して、絵を描きながら話すことで、クリエイティビティが発揮されやすい。
- 遊びながら描くことで、楽しいアイデアが出る。
[参考]
Value Stream Mapping
[やること]
- ふりかえりの手法としても使える
- 価値の流れ、顧客に届くまで、どんなプロセスがあるか考え、どこがボトルネックか出す
- リードタイム、プロセスタイムを出す
- リードタイム: 工程の開始から終了
- プロセスタイム: 作業にかかった時間
- リードタイムとプロセスタイムの差 ... 無駄。
- 手戻りとか、待ちとか。
- これをなくす対策を打てるよう、問題を出す。
- リードタイム、プロセスタイムを出す
[有効なシーン/効果]
- フラクタルなふりかえりのため、3ヶ月、半年に一度はやってほしい。
[参考]
デイリーハッスル
[やること]
- ストレスに感じたことを書き出す。
[有効なシーン/効果]
- 自分のストレス、他の人にとってのストレスがわかる。
- 愚痴大会になりやすい。ポジティブな手法と組み合わせて使うといい。
[参考]
- デイリーハッスル(daily-hassle) : 日常生活でおきる日常の慢性的な煩わしい出来事
- よく日本語でいう「ハッスル」は、hutsle. ここでのハッスルとは違う。
まとめてみて
改めて書き直してみると、すごい量ですね。紹介いただいた お二方に感謝です!
2時間で24手法、使い所を合わせて聞けるこの動画は、ふりかえりを日常的にやる方は必見と思います。
ふりかえりは、マンネリ化して情報が出なくなることは多いと感じることがよくあります。うまく状況に合わせて引き出せるようになりたいですね。
あとは、 参考サイトを書いていて Fun Retrospectives さんのサンプル量に驚いていました。画像付きでのサンプルが多くて、ありがたい!!