インド・チェンナイはシングルキャンパス MZR
インド・チェンナイ (in-che) は比較的新しい DC で、ちょっと前までは CHE01 の一つしかなく、Classic や PowerVS は使えていたのですが、VPC 環境は無く、PowerVS は PER に対応していませんでした。
そのチェンナイに CHE02・CHE03 が追加され、VPC 対応になりました。
ただし jp-tok のように複数ロケーションに分散した MZR(Multizone region)ではなく、jp-osa と同様の同一ロケーション内に独立した 3 つのゾーンを持つシングルキャンパス MZR(Single-campus MZR/SC MZR)です。
単一キャンパスの MZR
シングルキャンパスMZR(SC-MZR)は、同じ建物内の異なるセクション、または電源、冷却、ネットワーク、物理セキュリティの依存関係が重複する可能性のあるキャンパス内の複数の建物内に3つのゾーンを含む。 SC-MZRは、十分な冗長性と弾力性を持ってセットアップされ、計画的または非計画的な1つのシステム停止を通じて、継続的な可用性と生存性のレベルを確保するのに役立ちます。
SLA が維持されるのは、インフラストラクチャーが並行して保守可能な方法でセットアップされ、単一の障害が同じキャンパス内の 3 つのゾーンすべてに影響を与えないためです。 この設定は、ディザスタリカバリのワークロードをサポートするためのレイテンシを削減するため、ゾーンにコロケートされたユーザーをサポートするサービスに最適です。
インド・チェンナイ MZR ではすべてのゾーンで PowerVS が利用可能
2026年2月の リリースノートで CHE02・CHE03 でも PowerVS が利用可能になったと発表されました。
なお、執筆時点のリリースノートの日本語ページでは、まだこの部分の情報は掲載されていませんでした。
February 2026
CHE02 and CHE03 VPC-only data centers are available
CHE02 and CHE03 are available as VPC‑only Power Virtual Server data centers in Chennai, India. Both data centers use IBM VPC cloud technology and run Power10 S1022 hosts to support Power Virtual Server workloads. Additionally, CHE03 data center also offers Power11 S1122 hosts.
CHE03 では Power11 s1122 も使えるともあります。
では早速試しましょう。
日本語表示のポータルでは、ワークスペースの作成選択で CHE01 と CHE02・CHE03 が並んで表示されない。
ポータルを日本語表示にしておいてワークスペースを作成しようとしました。
「チェンナイ 01」の次に「チェンナイ 02・03」がありませんでした。
「Chennnai 02」と「Chennnai 03」はアルファベット表記で別の場所にありました。
CHE01 は現時点では PER に対応していないまま
CHE01 に新しくワークスペースを作成しましたが、PER 対応していませんでした。
PER 情報が表示される部分になにも表示されません。
これは CHE02・03 が PowerVS 対応する以前と同じ状態です。
CHE02・03 のワークスペースでは PER 情報が表示されています。
後から確認したら CHE01 が PER に対応していないことは、Docs にも記載がありました。
なお、あくまでも現時点の情報であり、今後 CHE01 が PER するかもしれません。TOk04 や OSA21 も後から PER 対応になりましたから。
CHE01 には Power10/11がない - IBM i 7.6 がデプロイできない
これもあくまで「現時点」での情報です。
CHE01 では e890 と s922 が利用可能です。しかし Power10/11 はありません。
そのため、Power10/11 が前提となる IBM i 7.6 がデプロイできません。
なお、CHE01 でも IBM i 7.6 のストックイメージは選択リストに表示されました。選択後、プロファイルで利用可能なマシン・タイプが表示されなくなるだけです。
CHE02・03 には Power9 がない - IBM i 7.2 がデプロイできない
CHE02には s1022 が、CHE03 では s1022 と s1122 が選択できます。
一方、Power9 のサーバーがありません。そのため、Power9 が前提となる IBM i 7.2 がデプロイできません。
こちらもストックイメージは選択リストに表示されました。選択後、プロファイルで利用可能なマシン・タイプが表示されなくなるだけでした。
Local TGW では CHE02・03 の PowerVS が追加できない
CHE02・03 は、前述のように同一ロケーションのシングル・キャンパス内にあります。当然、in-che に作成した Local TGW で接続できることを期待しましたが、CHE02・03 の PowerVS WS は追加候補にリストされませんでした。
Local の TGW を作成します。CHE02・03 が適用範囲として表示されます。
しかし、接続として PowerVS を選択するとが CHE02・03 が接続可能なロケーションとして表示されません。
TGW を Global に変更します。今後は CHE02・03 が接続可能なロケーションとして表示されます。
この動きが正しいかは、Case で問い合わせています。
やっぱり シングルキャンパスだと別 DC でも接続遅延が少ない
CHE02 → CHE03 の接続確認
Global の TGW を in-che に作成し、CHE02・03 に作成した PowerVS IBM i 間の接続を確認しました。
シンプルな最小構成です。
| CHE02 | CHE03 | |
|---|---|---|
| モデル | s1022 | s1122 |
| CPU | 0.25 | 0.25 |
| メモリー | 2GB | 2GB |
| サブネット | 192.128.220.0/24 | 192.128.230.0/24 |
| デフォルトゲートウェイ | 192.128.220.1 | 192.128.230.1 |
| インスタンスのIP | 192.128.220.11 | 192.128.230.11 |
CHE02 上のインスタンスから CHE03 上のインスタンスへ ping を打ちます。
「took 0 ms」で、応答は表示可能な時間未満の応答でした。
3 > PING RMTSYS('192.168.230.11')
Verifying connection to host system 192.168.230.11.
PING reply 1 from 192.168.230.11 took 0 ms. 256 bytes. TTL 57.
PING reply 2 from 192.168.230.11 took 0 ms. 256 bytes. TTL 57.
PING reply 3 from 192.168.230.11 took 0 ms. 256 bytes. TTL 57.
PING reply 4 from 192.168.230.11 took 0 ms. 256 bytes. TTL 57.
PING reply 5 from 192.168.230.11 took 0 ms. 256 bytes. TTL 57.
Round-trip (in milliseconds) min/avg/max = 0/0/0.
Connection verification statistics: 5 of 5 successful (100 %).
TRACEROUTE で確認すると 8 HOP で到達していました。こちらの方が、もっと細かな単位で応答時間が確認できますね。
3 > TRACEROUTE RMTSYS('192.168.230.11')
Probing possible routes to 192.168.230.11 using *ANY interface.
1 192.168.220.1 0.632 0.753 0.489
2 * * *
3 169.254.1.142 1.40 1.03 1.62
4 169.254.50.213 1.62 1.46 1.38
5 * * *
6 * * *
7 192.168.230.1 0.965 0.764 0.921
8 192.168.230.11 0.544 0.430 0.478
More...
TOK04 → OSA21 の接続確認
比較のため TOK04 → OSA21 の場合も確認します。
インスタンスの条件は、同等のものを用意しました。TGW は jp-tok の Global です。
ping 応答が 8 ms 程度でした。
3 > PING RMTSYS('192.168.130.11')
Verifying connection to host system 192.168.130.11.
PING reply 1 from 192.168.130.11 took 9 ms. 256 bytes. TTL 58.
PING reply 2 from 192.168.130.11 took 8 ms. 256 bytes. TTL 58.
PING reply 3 from 192.168.130.11 took 8 ms. 256 bytes. TTL 58.
PING reply 4 from 192.168.130.11 took 8 ms. 256 bytes. TTL 58.
PING reply 5 from 192.168.130.11 took 8 ms. 256 bytes. TTL 58.
Round-trip (in milliseconds) min/avg/max = 8/8/9.
Connection verification statistics: 5 of 5 successful (100 %).
More...
TRACEROUTE で確認すると 7 HOP で到達していました。
HOP 数は少なくても、物理的に距離があると、やはりその分遅延するんですね。
3 > TRACEROUTE RMTSYS('192.168.130.11')
Probing possible routes to 192.168.130.11 using *ANY interface.
1 192.168.100.1 0.738 0.673 0.574
2 169.254.0.198 1.07 0.749 0.678
3 169.254.63.87 1.34 1.22 1.05
4 169.254.49.115 9.47 9.31 9.33
5 * * *
6 192.168.130.1 8.79 8.76 8.62
7 192.168.130.11 8.26 8.22 8.18
More...
結論
シングルキャンパスですが、DC として CHE02 と CHE03 は独立した環境です。
利用にちょっと癖はありますが、遅延を極力許さない災害対策には最適な環境かもしれません。
余談
PowerVS IBM i 日記もついに 100 回になりました。いつもありがとうございます。
100 回記念にふさわしい記事も模索したのですが、いいネタは思いつきませんでした。やはり Index にも書いたように、日々の確認や試行錯誤を書いていくのが、ここにはふさわしいのでしょう。
これは、IBM Cloud の IBM Power Systems Virtual Server で IBM i を構築して、いろいろ確認してゆく記録です。
分かりやすくまとめるというより、試行錯誤の記録になる気がします。
当日記のIndexはこちらです。
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この記事は筆者の個人的な責任で無保証で提供しています。
当記事に関してIBMやビジネスパートナーに問い合わせることは、固くお断りします。















