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M1/M2 Mac への ElixirとErlang インストール2024年9月決定版

Last updated at Posted at 2021-12-05

はじめに

fukuoka.ex Elixir/Phoenix Advent Calendar 2021の6日目の記事です。 5日目は @kn339264 さんのElixir女子部のオーガナイザーをやってみた話でした。

M1 Mac の初期状態からElixirとErlangを Homebrew とasdfでインストールする完全手順をご紹介します。

% elixir -v
Erlang/OTP 26 [erts-14.2.2] [source] [64-bit] [smp:8:8] [ds:8:8:10] [async-threads:1] [jit]

Elixir 1.16.1 (compiled with Erlang/OTP 26)

2021.12.16 追記: Erlang/OTP 24.2でOpenSSL 3.0に対応したので,その場合のインストール手順を追記しました。
2022.12.3 追記: Ventura対応版を書きました
2023.2.18 追記: Erlang/OTP 26.0 Release Candidate 1にも対応していることを確認しました
2023.3.2 追記: セグメンテーション・フォールトに見舞われる場合のトラブルシューティングを追記しました.
2023.3.30 追記: Erlang/OTP 25.1 からOpenSSL 3.0を本採用して大丈夫という情報を得たので,追記しました.
2023.3.30 追記: Erlang/OTP 26.0 Release Candidate 2にも対応していることを確認しました
2023.6.23 追記: Xcode,Erlang/OTP,Elixirのバージョンを最新にしました.最初にインストールされるOpenSSLのバージョンが3系統になっていたのを確認しました.
2023.7.1 追記: Erlang/OTP, Elixirのバージョンを最新にしました.
2023.9.26 追記: Xcodeのバージョンを最新にしました.Elixirのバージョンを明記しました.
2023.9.28 追記: Erlangのバージョンアップをしました.
2023.10.21 追記: Erlangのバージョンアップをしました.
2023.11.27 追記: OpenSSL 1.1系列がサポート外になったことを踏まえて,記述を見直しました.
2023.12.14 修正: 1箇所,PATHをベタガキしていたところを修正しました.これでIntel Macでもこの手順でいけると思います.
2024.2.15 追記: Erlang/OTP 27に対応しました.
2024.9.23 追記: Xcode 16.0に対応しました。

1. macOSアップグレード

最初にmacOSを最新版にアップグレードしましょう.

2. Xcode インストール (オプション)

Xcode をインストールしなくても Homebrew はインストールできるのですが,Xcodeをインストールするとしたら,この段階でしておきます。

2.5. 要チェック!

Finderでアプリケーション>ユーティリティを開いて,ターミナル.appを右クリックし,「情報を見る」とします.一般情報で,もし「Rosettaを使用して開く」にチェックが入っていたら,チェックを外してください.そうしないと,インストールしたElixir/Erlangがセグメンテーション・フォールトで異常終了するようになってしまいます.

3. Homebrewインストール

ターミナルを起動し,Homebrew公式サイトの手順に則ってインストールした後,コマンドラインで表示されるインストール後の手順をします。

ここにコマンドを転載しておきますが,↑と照合して確認して使用してくださいね。(途中,sudoによるmacOSログインのパスワード入力が求められます)

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ${ZDOTDIR:-~}/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"

HomebrewでElixirをインストールする場合

ここで次のコマンドを入力すれば完了です。

brew update
brew install elixir

最近はこのインストール手順で最新版かつ完全版のElixirとErlangがインストールされます。常に最新版を使うという人は,Homebrewでのインストールの方が簡単かつ保守しやすいですね。

HomebrewでErlangのみをインストールする場合

brew update
brew install erlang

asdfでElixirをインストールする場合

公式の手順だと不完全版がインストールされます。どう不完全かというと,wxとリンクされなかったりとか,odbcとリンクされなかったりとか,Erlangのドキュメントが欠落したりとかします。

Homebrewでasdfをインストール

公式サイトの手順にのっとります。下記にコマンドを記載しますが,必ず照合して確認して使用してくださいね。

brew install asdf
echo -e "\n. $(brew --prefix asdf)/libexec/asdf.sh" >> ${ZDOTDIR:-~}/.zshrc
source ${ZDOTDIR:-~}/.zshrc

asdfでErlangをインストール

この手順がポイントです。まず前提となるライブラリ群をインストールします。なお,OpenSSLはasdfを入れる際に3系統が入る模様です。

2023.6.23 追記: 最初にインストールされるOpenSSLのバージョンが3系統になっていたのを確認しました.
2023.12.14 修正: 1箇所,PATHをベタガキしていたところを修正しました.これでIntel Macでもこの手順でいけると思います.
2024.2.15 追記: Erlang/OTP 27に対応しました.

Erlang/OTP 26以前は,下記のようにインストールの準備をします.

asdf plugin add erlang https://github.com/asdf-vm/asdf-erlang.git
brew install wxwidgets
brew install openjdk
echo 'export PATH="$(brew --prefix openjdk)/bin:$PATH"' >> ${ZDOTDIR:-~}/.zshrc
source ${ZDOTDIR:-~}/.zshrc
brew install fop

Erlang/OTP 27をインストールする時には,ドキュメントの生成にex_docコマンドを使用するので,上記に加えて,一旦,Erlang/OTP 26以前をインストールし,最新版のElixirもインストールした後で,次の手順を行います.

mix escript.install hex ex_doc

すると例えば次のように表示されます.

* creating .../.asdf/installs/elixir/1.16.1-otp-26/.mix/escripts/ex_doc

このディレクトリ(最後のex_docを抜いたパス)をPATHに追加します.

2021.12.16 追記: Erlang/OTP 24.2以降はOpenSSL 3.0に対応したので,その場合には次のようにします。
2023.3.30 追記: Erlang/OTP 25.1 からOpenSSL 3.0を本採用して大丈夫という情報を得たので,追記しました.

Erlang/OTP 25.1以降をインストールする場合には,次のようにしてOpenSSL 3.0以降を用いるように環境変数を設定します.

export KERL_CONFIGURE_OPTIONS="--with-ssl=$(brew --prefix openssl@3) --with-odbc=$(brew --prefix unixodbc)" CC="/usr/bin/gcc -I$(brew --prefix unixodbc)/include" LDFLAGS=-L$(brew --prefix unixodbc)/lib

2023.11.27 追記: OpenSSL 1.1系列がサポート外になったことを踏まえて,記述を見直しました.

もしErlang/OTP 25.0以前をインストールする場合には,次のようにしてOpenSSL 1.1系列を用いるように環境変数を設定します.ただし,OpenSSL 1.1系列は2023年9月にサポート外になりましたので,Erlang/OTP 25.0系列以前の使用を推奨されません..

brew install openssl@1.1
export KERL_CONFIGURE_OPTIONS="--with-ssl=$(brew --prefix openssl@1.1) --with-odbc=$(brew --prefix unixodbc)" CC="/usr/bin/gcc -I$(brew --prefix unixodbc)/include" LDFLAGS=-L$(brew --prefix unixodbc)/lib

なお,ODBCを有効にするための手順は次のIssueを参考にしました。

2024.9.23 追記: Xcode 16.0に対応しました。

その後,最新版をインストールするなら次の手順です。結構時間がかかります。

ulimit -n 65536
asdf install erlang latest
asdf global erlang latest

現在インストール可能なバージョンを確認するのは次の方法で行います。

asdf list-all erlang

ただし,21以前のメジャーバージョンや各バージョンのリビジョン古めのものは,M1に対応していないことが多く,インストールできないことがあります。

22バージョンの新しめリビジョンをインストールするときには次のIssueを参考にしてください。(現時点で未解決?)

インストールが終わったら他に影響を与える環境設定を解除しておきます。Elixirインストール後にターミナルを閉じるのであれば,この手順は不要です。

unset CC LDFLAGS

asdfでElixirをインストールする

Elixirのインストールは公式の手順でOKです。

asdf plugin-add elixir https://github.com/asdf-vm/asdf-elixir.git

その後,最新版をインストールするなら次の手順です。

asdf install elixir latest
asdf global elixir latest

現在インストール可能なバージョンを確認するのは次の方法で行います。

asdf list-all elixir

おわりに

以上でElixirとErlangの完全版をM1 Macにインストールできます。

明日は @koyo-miyamura さんのElixir + SendGrid でメール送信してみるですね。お楽しみに。

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