この記事は,Ubuntuはよく使うが,Arch Linuxは初めてという私 @zacky1972 が,まずは手近なT2チップを備えていない古いIntel MacにArch Linuxをインストールして習得していく過程を記録する駄文の5回目です.前回まで,MacBook Air (11-inch, Early 2014, MacBookAir6,1)にデュアル・ブート環境としてインストールを試みていたのですが,再起動してブートできるようにならないと,ネットワークの設定ができないという問題にぶち当たったので,今回から趣向を変えて,Mac Pro (Mid 2010)にインストールしてみます.これはmacOSなしにクリーンインストールできるので,前述の問題が発生しないと思われます.
シリーズ
- Arch LinuxをブートできるUSBメモリを用意する
- デュアル・ブート環境にするためにパーティションを区切る
- いよいよArch Linuxをインストールする
- ネットワークの設定を見る
- Mac Pro (Mid 2010)にArch Linuxをインストールする(本記事)
- ネットワークが繋がらない最小構成のままElixirをインストールして実行してみる
- ネットワークが繋がらない最小構成のままElixirをasdfではなくソースコードビルドしてインストールする
Mac Pro (Mid 2010)の仕様
- Processor: 2 x 3.46 GHz 6-Core Intel Xeon (プロセッサ数 2,物理コア数 6 x 2,論理コア数 12 x 2)
- Memory 64GB 1333MHz DDR3
- Graphics: ATI Radeon HD 5770 1024MB
- SSD 500GB (Crucial)
Arch LinuxをSSDにインストールする
fdisk -l
の結果は次のとおりです.
Device | Size | Type |
---|---|---|
/dev/sda1 | 200M | EFI System |
/dev/sda2 | 488.9G | Apple APFS |
次のようにして,ext4
で/dev/sda2
をフォーマットします.
mkfs.ext4 /dev/sda2
fdisk -l
の結果は次のとおりで,APFSのままですね.
Device | Size | Type |
---|---|---|
/dev/sda1 | 200M | EFI System |
/dev/sda2 | 488.9G | Apple APFS |
次のコマンドをうちます.
fdisk /dev/sda
選択肢は次のようにします.
Command: t
Partition number: 2
Partition type or alias: linux
Command: w
fdisk -l
の結果は次のようになりました.
Device | Size | Type |
---|---|---|
/dev/sda1 | 200M | EFI System |
/dev/sda2 | 488.9G | Linux filesystem |
念のため,再度ファイルシステムを作ります.
mkfs.ext4 /dev/sda2
次に,下記のようにマウントします.
mount /dev/sda2 /mnt
続いて,次のインストール手順を行います.
pacstrap -K /mnt base linux linux-firmware
おっと,ネットワークに繋いでいませんでした.ネットワークに繋ぎ,ip link
として,繋がっていることを確認し,再び,次のコマンドをうちます.
pacstrap -K /mnt base linux linux-firmware
続いて,次の手順に移ります.
genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab
arch-chroot /mnt
ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
hwclock --systohc
/etc/locale.gen
を編集するためにpacman
でvi
をインストールします.
pacman -Syyu
pacman -Sy vi
すると,署名が信頼できない旨,エラーになったので,一回exit
してアンマウントして,ファイルシステムを作り直すところからやり直しました.すると,うまくいきました.
/etc/locale.gen
を編集して,ja_JP.UTF-8 UTF-8
を有効にして,次のコマンドを実行します.
locale-gen
/etc/locale.conf
を次のように作成します.
LANG=ja_JP.UTF-8
英語キーボードなので,キーボードレイアウトはそのままにします.
/etc/hostname
を作成して,ホスト名を決めます.仮のホスト名にしました(後で変える).
Initramfsは研究してみたいので,設定します.
mkinitcpio -P
Root passwordを設定します.
passwd
ユーザーを作成します.
参考
ユーザーzacky
を作成します.ログインシェルは/bin/bash
とします.
useradd -m -g wheel -s /bin/bash zacky
パスワードを設定します.
passwd zacky
sudo
をインストールします.
pacman -Sy sudo
visudo
で次の2行をコメントアウトします.
# Defaults env_keep += "HOME"
# %wheel ALL=(ALL) ALL
次のようにして,ユーザー権限になります.
sudo su zacky
cd
適当にsudo
して,root権限になれることを確認します.
終わったらexit
して,root権限に戻ります.
ブートローダーの設定
下記に従って,ブートローダーを設定します.
Using rEFindにします.
refindパッケージをインストールします.
pacman -S refind
手順に戻ります.
意を決して,次のコマンドをうちます.
refind-install --usedefault /dev/sda1
成功しました!
手順に戻ります.
次は,カーネル・パラメータをいじるのだそうです.rEFIndの場合は,下記です.
一回起動してみないといけないみたいですね.
意を決して,再起動します!
exit
reboot
起動しました!
rEFIndの起動画面
ここからF2またはInsertまたは+を押します.
さらにF2またはInsertを押すと,カーネル・パラメータの編集画面に移行します.
末尾にreboot=pci
を足して,Enterキーを押します.すると起動しました.
起動した後に,次のコマンドを入力して,カーネル・パラメータが渡されていることを確認します.
cat /proc/cmdline
ただ,再起動するたびに,カーネル・パラメータを指定しないと,いけないようでした.これは今後の課題ですね.
また,ip link
とすると,ネットワークが繋がっていません.懸念したように,systemd
周りの設定をしないといけないですね.これも今後の課題です.
Mac Pro (Mid 2010)の現在の起動シーケンス
- rEFIndの起動で,F2またはInsertを2回押して,カーネル・パラメータの編集画面に移行する.
- 末尾に
reboot=pci
を足して,Enterキーを押す. - ユーザーでログインする