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Power BI の今年、2023年に向けてちょっと未来のお話

Last updated at Posted at 2022-12-24

Power BI Advent Calendar 2022 のオオトリです

Happy Holidays🎄🎊🎉🚀👍

この記事は Power BI Advent Calendar 2022 のカレンダー1 - 25日目 の記事です。

いよいよ今年もこれで最後の記事となります。
今年も去年に続き、石川さん @ishiayaya が Advent Calendar のホストを務めてくださいました。まずは石川さん、ありがとうございました👍

さて、2022年は皆さんにとって、どんな年になりましたか?
そしてどんな Power BI Year になりましたか?

  • 今年から Power BI を始めた方
  • 7年間 Power BI をやってきていて、更なる進化を遂げた方
  • 数年前に始めて、ようやく思い通りの Power BI レポート が作成できるようになった方

それぞれのステージにおられることでしょう。皆さんがどんなステージにいようとも、Power BI はその進化を止めることはありません。時代に合わせて、継続的に発展するクラウドサービスである Power BI は今年どうなり、来年どうなっていくのか?

Microsoft MVP であるワタクシが勝手に自由に語ってみます。

注意
Microsoft MVP は中の人ではありません。MS社員以外の外の人を対象にしたアワード制度です。
詳細は Microsoft MVP Overview をご覧ください。

[投稿者の皆様へ] お疲れ様でした📢

本文を始める前にこれを言っておかなければなりません。
投稿者の皆様、お疲れ様でした。そして、素敵な記事をありがとうございました!

師走という、どんな仕事でも忙しい時期に、仕事とは別にブログ記事を期限までに書き、公開するというのは、それだけ大変なことです。

公開&投稿していただいただけで感謝なのです。

もちろん、すべて読ませていただきました。それぞれのレベル、ステージにおられる皆様によるバラエティーに富んだ内容となっており、これらがいっぺんに読める素晴らしい Advent Calendar になっています。

今回初めてブログに挑戦したという方もいらっしゃいました。願わくば、これを機に定期的にブログを書いてみてはいかがでしょうか?

発信することは、そのレベルを問わず、素晴らしいのです。よく 「間違った情報を書いてしまったら...と思うと、なかなか公開できません」 ということを耳にしますが、そんな方には 「やってみた」 が向いています。

なぜなら、「やってみた」 というのは事実なので、があり得ないのです。そして 「やってみた」「こう思った」 を付け加えれば、「事実」「考察」 がプラスされます。さらに 「次回はこれを試してみます」 と結べば、シリーズものに昇華します。

というエレガントな流れが作れるので、ぜひとも 2023 年は毎月1件ブログ書く、みたいなことにトライしてみるのもいいかもしれません。

まだすべての記事を読まれていない方は、25日以降、冬休みにでも読んでみてください。そして、読んだら感謝の念を込めて [いいね]ポチっ としてあげましょう📢

過去のオオトリな記事

おかげさまで未だに過去のオオトリな記事はアクセスがあり読んでいただいているようです。もしお時間がある方は過去分を振り返ってから、この記事を読んでいただけると読みやすくなるかもしれません。

2022年の日本における Power BI のお話

私は仕事でもプライベートでも多くの Power BI ユーザーの方とお話する機会に恵まれています。もちろん、日本のすべての Power BI ユーザーにお会いできているわけではありませんが、1年間お仕事をしてきて、私が感じたことを以下に記しておきます。

Power BI は難しく、学習が必要だって気付かれ始めた🎉

今年と昨年までを比較すると、顕著に変化が見られました。ユーザー層の方が Power BI の学習に取り組まれているのです。

昨年までは、方法を聞かれる質問がとても多かったです。

  • 「累計を計算する DAX を教えてください」
  • 「前年比を求める関数は?」
  • 「ピボット解除するにはどうすればいいのですか?」

こんな感じでした。
もちろん今年もこのような質問はありました。が、明らかに減っています。方法を聞く質問ではなく、

「ここまでやったのですが、これができないのです」

といった、現状を共有し、やりたいことを示すスタイルが定着してきた感じを受けます。

必要なのは方法を覚えることではなく、理解すること🔦

これはとてもよいことだと思います。
その理由はとてもシンプルです。

「方法は忘れますが、一度理解したものは忘れないから」

です。

そう、必要なのは、理解なのです。
Power BI に限らず、すべての学習に言えることですが、方法を覚えることに一生懸命になると、残念ながら一過性の対策になってしまいます。悲しいかな、人は忘れる生き物です。学生時代の若くてフレッシュな脳であれば、覚えることに意味があったかもしれません。覚えていられる時間が長いからです。それでも使わなければ、忘れてしまいます。学生時代に必死で覚えたことを、今どれだけ覚えているか?を考えれば、説明の必要はありませんね。

歳を取ると、覚えることそれ自体が遅くなります。昔よりコストが高いのです。そんな中で新しく、Power BI を学習するには、理解をするしかありません。自身に対して、「なぜ?」を問い続けるのです。ゆっくりで構いません。理解には時間がかかります。ですが、一度理解をしてしまえば、まず忘れません。そして、未知の問題(初見の問題)に自分の解を導くことができます。

第13日の [初学者へ向けて] Power BI で基本を守る大切さ と 今から学ぶ難しさ について にも書きましたが、Power BI は難しい のです。決して、簡単ではありません。

昨年のオオトリで書いた通り、これだけの知識とスキルが求められます。

image.png

ひとりの人がすべてを理解するのは大変です。ですから、各ロール(役割)に分けて、組織内でそれぞれの人が担当し、Power BI に当たる必要があります。BI (Business Intelligence) ですから、組織に導入する必要があります。ひとりのスーパーマンがいても、BI 導入は成功しないでしょう。

理解に必要なのは自ら手を動かすこと

理解をするには、自ら経験するのがもっとも簡単です。ブログだろうが書籍だろうが、読んだだけでは、できるようにはなりません。「知ることはできることではない」 からです。どんなに簡単だと思われることでも、試す必要があります。

  1. Power BI の場合は、まずはテストデータで試してみる。
  2. 次に業務上のデータで試してみる。最初から上手くいかないのが普通。
  3. 上手くいかなかったら、チャンス。なぜ上手くいかないのか?を考えて、可能性を試して(潰して)いく。

そうして、難易度に関わらず、ひとつでも上手くいったら、それはご自身の血の通った経験になります。経験はすべてに勝るのです。

手を動かすときはベストプラクティスに従う

手を動かすといっても、やみくもに手を動かしても、時間のみ消費してしまいます。大事なのは、正しいと言われている方法に則って、試すことです。いわゆる 「ベストプラクティス」 です。

image.png

上記は Power BI ガイダンスのドキュメント という公式ドキュメントです。

例えば Power BI でモデリングをするなら、絶対に守るべき スタースキーマ について、この公式ドキュメントの中に説明があります。

image.png

上記の画像の下にかなり長く記述が続きますが、それだけ大事なことだということです。

公式ドキュメントは、元は英語で機械翻訳されているものも多いため、不自然な日本語に感じるところもあります。故に、もともと難解な概念が、さらに難解に見えることも否めません。しかし、だからといって、読まない理由にはなりません。もともと難解なのです。仮に我々が英語のネイティブスピーカーだったとしても、その難解さは変わらないのです。事実、海外の英語がわかる方でも、同じように DAX に苦しんでいます。英語のせいではないのです。もともと難しい概念なのです。ですから、安心して、わからないことをゆっくりと手を動かして、学んでいきましょう。

社内コミュニティの必要性

Power BI を組織に導入する際に必要だと言われているのが、社内コミュニティです。Power BI は、組織において、一部の人だけが理解していればいい、というものではありません。また、昨今は人材の流動性もありますから、継続的に引き継げる状態も求められます。簡単に言うと、特定の人に依存している状態はリスクだということです。それぞれにロール(役割)はありますが、可能な限り多くの人が、理解しているようにしたいものです。

そのために有効なのが 社内コミュニティ です。

Power BI で困ったら、そこに聞けばいい。」

こういうコミュニティがあるのが望ましいということです。そしてそれは、従来の情報システム部門ではないというところが、重要なポイントです。

少し話は逸れますが、思うに日本の企業では、情報システム部門に何もかも頼り過ぎるきらいがあります。PC やスマホ、インターネットのことならまだしも、果てはプロジェクターや電池など、すべての電気製品について面倒を見ているなんて言う話も聞きます。

「情報システム部門の人は、IT の専門家なのだから、当然 BI も詳しいはずだ」

これは幻想です。IT の専門家にもいろいろといて、現在はとても細分化されています。そして、IT エンジニアの中で、BI の勉強をしてきた人は、おそらく 1% もいないでしょう。それくらいニッチな分野なのです。また、BI は IT の専門用語でもないというところがポイントです。

「BI とは経営手法のひとつです」

↑ は私が「BIとは?」を説明する時に使用するセリフです。故に、BI の専門家を育成する必要があります。可能な限り、早く、そして多く、専門家を育成し、その人達を専任として、社内コミュニティを構築する。

組織における Power BI の導入ロードマップは以下が参考になるはずです。
ぜひ一読してみてください。

さぁーて、2023年の Power BI はー?

王子です。来年の Power BI は以下の3つが大事です。

  1. 基本の継続的学習
  2. Power BI Service の既存機能を使ってみる
  3. どうやらいろんなことがより簡単になっていくかもしれない...

1. 基本の継続的学習

これについては言わずもがな、ですね。どのフェーズにある人でも、忘れてはいけないことです。ベストプラクティスに従って、基本を繰り返す。「初心忘るべからず」ということです。

2. Power BI Service の既存機能を使ってみる

Power BI Desktop は皆さん一生懸命触られるのですが、Power BI Service については、相変わらずあまり触られていないようです。現在、提供されている機能 (GAされている機能) だけでも、組織内で使用するのにとんでもなく便利な機能があります。

Power BI Desktop のみで頑張っている組織は、pbix ファイルを共有しちゃっているところもあります。レポートを Power BI Service に発行して、レポートを共有するのが、正しい BI です。そして、それを経験すると、ワークスペースの存在に気付き、適切なアクセス権とともに データセットの共有ができることに気付きます。Power BI dataflows の存在に気付きます。Power BI Apps という組織でレポートを共有するのに、とんでもなく便利なものがあることに気付きます。

Power BI の本体は Power BI Service なのです。

3. どうやらいろんなことがより簡単になっていくかもしれない...

最近の Power BI Blog を読んでいると感じることなのですが、どうやら Power BI の開発チームは、既存の Power BI がユーザーにとって、難しいものだということに気付いているようです。例えば、DAX。メジャーを作るのに DAX という言語で DAX 式を記述する必要があるわけですが、これがとても難しいということを理解しているようです。故に、より簡単に使えるように、現在準備をしているとのこと。

image.png

上記は 2022 年 12 月の Feature Summary の内容の抜粋です。新たに追加された DAX 関数についての紹介なのですが、記載されているような計算処理をより簡単にできるように新たな関数を追加したよとのことです。そしてさらに続きとして、以下のように記載されています。

image.png

ブラウザの翻訳機能で日本語にしたものなので、一部不思議な日本語になっていますが、要は、今回の DAX 関数を使うのは難しいので、もしよくわからなくても、今後より簡単にしていくので、安心してお待ちくださいと言いたいようです。

このことから予想できるのは、DAX それ自体は難しいのですが、おそらくその難しさをラップした何らかの機能を準備しているのではないか?ということです。

ですので、2023年、安心して、基本を継続的に学びながら、首を長くして、待つことにしましょう。

おわりに

というわけで、2022年の Power BI Advent Calnedar は以上です。

個人的には 2023 年は正常進化をしながら、より簡単に使える 何か が出てくるのではないかと期待しています。エンタープライズ向けの機能は、その進化を止めることなく、全方位での進化が見込めるのではないかと。

どうですか?ワクワクしてきませんか??

一方で、やはり基本は大事です。最近 Power BI を始められた方もいらっしゃることでしょう。この記事を読んでいる方の中で、ある程度わかってきたぞ!という方は、ぜひとも伝える側に回っていただきたいと切に願います。ご自身が所属する組織内でも結構ですし、社外のユーザーコミュニティでも結構です。発信する側に回ると、より理解が深まってきます。間違いなく。

Power BI はご自身のキャリアをかけるに値する面白いサービスです。私はそう感じております。

それではこのあたりで失礼します。
最後にひとこと。

皆様の来年が よりよい Power BI Year になることを心より願っております。
Yugo でした😎

(おまけ) 盛大に宣伝📢🎉🎊

毎週日曜日20時より Power BI Weekly News を石川さん @ishiayaya とライブでお届けしております。以下のチャンネルを登録しておいていただけると、通知がいきます。ライブでなくとも、アーカイブにてご覧になっていただければ幸いです。

また、

  • この記事でお話したことをより深く聞いてみたい
  • 社内で Power BI を導入しようとしているので、スタートラインに導いて欲しい

そういったお仕事のご相談をしたいという方がいらっしゃいましたら、ご連絡をください📢

私のプロフィールから各種 SNS にて DM をいただければ幸いです。

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