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【オフライン環境】インターネット未接続のWindowsにPython環境を構築する

Last updated at Posted at 2025-10-01

はじめに

セキュリティ要件の厳しいプロジェクトや、AWSのVPC内など、インターネットに接続できない閉域網のWindows環境でPythonを使いたい場面はありませんか?

この記事では、そのようなオフライン環境でPythonをインストールし、さらにpipで好きなライブラリを使うための環境を構築する手順を解説します。

この記事の対象読者

  • オフライン環境でPython開発を行う必要がある方
  • セキュリティの都合上、インターネット接続が制限されているPCで作業する方

この記事のゴール

  • オフラインのWindows環境にPythonをインストールする
  • 必要なライブラリをオフライン環境にインストールする

1. Python本体のインストール

まずは、Pythonそのものをオフライン環境にインストールします。

手順1: オンライン環境でインストーラーを準備

インターネットに接続できる別のPCで、Pythonのオフラインインストール用インストーラーをダウンロードします。

  1. Python公式サイトにアクセス
    Python for Windowsのダウンロードページを開きます。

  2. インストーラーをダウンロード
    "Stable Releases"の中から、オフライン環境にインストールしたいバージョンの "Windows installer (64-bit)" をダウンロードします。

    Pythonのインストーラーを選択する画像

  3. インストーラーをオフライン環境へ移動
    ダウンロードしたEXEファイルを、USBメモリや社内ファイルサーバーなどを経由して、インストール対象のオフライン環境にコピーします。

手順2: オフライン環境でPythonをインストール

オフライン環境にコピーしたインストーラーを実行します。

  1. インストーラーを起動し、インストール設定を行います。
  2. Add python.exe to PATH のチェックを推奨します。 これにチェックを入れると、コマンドプロンプトやPowerShellで python コマンドがすぐに使えるようになります。
  3. Install Now をクリックしてインストールを開始します。

これで、Python本体のインストールは完了です。


2. ライブラリのインストール

次に、pandasrequestsといった外部ライブラリをオフライン環境にインストールする方法です。

!! 最重要 !! 前提条件

オフラインでライブラリをインストールする場合、オンライン環境とオフライン環境で以下の2つを完全に一致させる必要があります。

  • Pythonのバージョン (例: 3.10.4)
  • OSのアーキテクチャ (64bit / 32bit)

これらが異なると、ライブラリが正しく動作しないため、必ず確認してください。

手順1: オンライン環境でライブラリ(.whl)を準備

  1. プロジェクトフォルダと仮想環境を準備
    作業用のフォルダを作成し、その中で仮想環境を有効化します。

    # 仮想環境を作成
    python -m venv venv
    # 仮想環境を有効化
    .venv\Scripts\activate
    

  2. requirements.txt を用意
    インストールしたいライブラリを記述した requirements.txt を作成します。

    requirements.txt
    pandas
    requests
    beautifulsoup4
    

    もし既存のプロジェクトがあれば、pip freeze > requirements.txt でファイルを作成できます。


  3. ライブラリをホイール形式でダウンロード
    pip downloadコマンドを使い、requirements.txt に基づいてライブラリファイル(.whl)を一括ダウンロードします。

    # wheelhouseディレクトリにライブラリをダウンロード
    pip download -r requirements.txt -d .\wheelhouse
    
    • -dオプションで、ダウンロード先ディレクトリを指定します。ディレクトリ名は wheelhouse でなくても構いません。

    コマンドが成功すると、wheelhouse ディレクトリに .whl ファイルや、依存関係のあるライブラリのファイルがまとめてダウンロードされます。

    wheelhouseディレクトリにwhlファイルがダウンロードされた画像

  4. wheelhouse ディレクトリをオフライン環境へ移動
    Pythonインストーラーの時と同様に、wheelhouse ディレクトリと requirements.txt をオフライン環境にコピーします。

手順2: オフライン環境でライブラリをインストール

  1. 仮想環境を準備(推奨)
    オフライン環境でも、ライブラリをクリーンに管理するために仮想環境を作成することをおすすめします。

    # 任意のプロジェクトディレクトリで仮想環境を作成
    python -m venv venv
    # 仮想環境を有効化
    .venv\Scripts\activate
    

  2. pip install を実行
    wheelhouse ディレクトリと requirements.txt がある場所で、以下のコマンドを実行します。

    pip install --no-index --find-links .\wheelhouse -r .\requirements.txt
    
    • --no-index: インターネット上のパッケージインデックス(PyPI)を見に行かないようにするオプション。
    • --find-links <ディレクトリ>: 指定したローカルディレクトリをパッケージの検索場所として使用するオプション。

  3. インストール完了
    コマンドが成功すれば、requirements.txt に記載されたライブラリがオフライン環境にインストールされます。pip list コマンドで確認してみてください。

まとめ

本記事では、インターネットに接続できない閉鎖環境のWindowsにPythonをインストールし、さらに外部ライブラリを追加する方法を解説しました。

  • Python本体: 公式サイトからオフラインインストーラーを入手してインストール。
  • ライブラリ: オンライン環境で pip download を使ってホイール(.whl)ファイル一式を準備し、オフライン環境で --no-index--find-links オプションを付けて pip install を実行する。

この手順で、セキュアな環境でも快適なPython開発環境を構築できます。

最後に

弊社ではエンジニアの求人を行っております。
少しでも興味を持たれた方は下記よりご応募ください。

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