はじめに
データのバックアップと復元は、システムの信頼性とデータの安全性を確保するために非常に重要です。ここでは、rsync
と dd
の基本的な使い方を紹介します。
コマンド説明
rsync
- 高速なファイル同期とバックアップ
rsync
コマンドは、ファイルやディレクトリを効率的に同期およびバックアップするためのツールです。特に大規模なデータセットや定期的なバックアップに適しています。
主なオプション
-a : アーカイブモード(再帰的にディレクトリを転送し、シンボリックリンク、デバイス、属性を保持)
-v : 詳細情報を表示
-z : データ転送時に圧縮
--delete : 同期先に存在しないファイルを削除
rsync [オプション] ソース ディスティネーション
# ローカルディレクトリからリモートディレクトリへのバックアップ:
rsync -avz /path/to/local/ user@remote:/path/to/remote/
# リモートディレクトリからローカルディレクトリへのバックアップ:
rsync -avz user@remote:/path/to/remote/ /path/to/local/
# 特定のディレクトリをバックアップ
# /home/user/backup/ を /media/backup_drive/ にバックアップし、同期先に存在しないファイルを削除します。
rsync -av --delete /home/user/backup/ /media/backup_drive/
dd
- ディスクイメージの作成と復元
dd
コマンドは、低レベルのコピーを行うためのツールで、ディスクイメージの作成や復元に使用されます。
主なオプション
if : 入力ファイル
of : 出力ファイル
bs : ブロックサイズを指定
count : コピーするブロック数を指定
dd if=入力ファイル of=出力ファイル [オプション]
# ディスク全体のバックアップを作成:
sudo dd if=/dev/sda of=/path/to/backup.img bs=4M
# ディスクイメージを復元:
sudo dd if=/path/to/backup.img of=/dev/sda bs=4M
# USBドライブのイメージを作成
# このコマンドは、USBドライブ(例:/dev/sdb)のイメージを作成します。
sudo dd if=/dev/sdb of=/path/to/usb_backup.img bs=4M
# ディスクイメージを新しいディスクに復元
# このコマンドは、作成したディスクイメージを新しいディスク(例:/dev/sdb)に復元します。
sudo dd if=/path/to/backup.img of=/dev/sdb bs=4M
おわりに
データのバックアップと復元の基本的なコマンドを使用することで、データの保護とリカバリーが効率的に行えます。
次の記事では、システムのシャットダウンと再起動について説明します。
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