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動画配信サービスは、特にユーザー体験が重要なサービスと言えるのではないでしょうか。再生が途切れたり、読み込みが遅かったりするだけで、ユーザーは簡単に他のサービスに乗り換えてしまうかもしれません。

動画配信サービスは、フロントエンド、バックエンド、CDNなど、多数の複雑なコンポーネントが連携して成り立っています。この複雑な環境でユーザー体験を把握するためには、個々のコンポーネントを監視するだけでは不十分です。個別の問題を拾えても、「サービス全体としてユーザーの満足度はどれくらいか」といった、より本質的な問いに答えることは難しいでしょう。
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この記事では、動画配信サービス全体をEnd-to-Endで可視化するフルスタックオブザーバビリティの重要性と、それがどのような価値をもたらすかについて解説します。

サービス全体を俯瞰する「End-to-End」のユーザー体験向上

動画配信サービスにおけるユーザー体験は、フロントエンドのUIやプレイヤー、バックエンドのコンテンツ管理システム、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)など、複数のコンポーネントが連携することで成り立っています。この複雑なサービスの監視が個別のコンポーネントごとにサイロ化していると、以下のような状況に直面した際、速やかに状況把握することが難しいかもしれません。

・フロントエンドのパフォーマンス悪化が視聴数にどのくらい影響したか?

フロントエンドの監視データと動画プレイヤーからの視聴数を付き合わせる必要があります。

・ 一部のデバイスで発生した視聴品質の断続的な悪化がアクティブユーザー数や登録ユーザー数に影響しているか?

動画プレイヤーでの視聴品質の悪化と、フロントエンドやバックエンドでのユーザーの数や振る舞いが併せて分析できるといいでしょう。

・CDNの障害は視聴体験にどのくらいの影響を与えたか?視聴数に影響があったか?

CDNの障害の検知と、それに起因する視聴品質、視聴数への影響をリアルタイムに把握する必要があります。このためには情報が一箇所に集約されていることが重要になります。

・フロントエンドアプリの更新が視聴含めたユーザー体験に影響したか?

フロントエンド側で更新実施した際に、視聴も含めたユーザー体験の影響まで観測できれば、異常があった際には速やかに切り戻しができるでしょう。

それぞれの連携しているコンポーネントでの問題が他にどのような影響を与えたのか。サービス全体を俯瞰してみなければ、ユーザー体験は損なわれてしまいます。
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フルスタックオブザーバビリティは、アプリケーション、インフラ、フロントエンド、バックエンドなど、全てのコンポーネントから収集したデータを一つのプラットフォームに統合することで、個別の監視では見えなかったデータの関連性相関関係を迅速に把握することを可能にします。これにより、バックエンドのAPIレスポンスの遅延が、結果として視聴時間の減少の原因になっている、といったEnd-to-Endでの因果関係を明確に捉えることができます。
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データを共通言語とするチーム横断の円滑な連携

動画配信サービスは、ビジネス企画、カスタマーサポート、フロントエンドチーム、バックエンドチーム、SRE、ビデオ品質管理チームなど、様々な組織によって運営されています。これらのチーム間でデータがサイロ化していると、問題が発生した際の対応に時間がかかってしまうかもしれません。
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例えば、ユーザーから「動画がバッファして見られない」という問い合わせがあった場合、統合された情報がなければ、カスタマーサポートは事象を推測するしかなく、おそらくはビデオ品質管理チームに調査を依頼するのではないでしょうか。もし原因が直近のプレイヤーのアップデートだった場合、この調査はフロントエンドチームがすべきです。関係するチームが共通のデータを見ることができない場合、コミュニケーションのコストは増加してしまいます。

フルスタックオブザーバビリティは、すべてのチームが同じデータソースにアクセスし、共通の認識を持って議論することを可能にします。これにより、同じ「事実」を起点としてスムーズな連携を実現します。
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ビジネス層でのユースケース

Pathpointのような機能は、サービスフローをビジネス視点で可視化し、どこで問題が起きているのかを一目で確認できます。さらに問題がビジネスKPIにどのように影響しているかも明確に把握できます。
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運用部門でのユースケース

先ほどあげた例のユースケースのように、カスタマサポートがユーザーからの問い合わせを受けた際、初期切り分けで原因がビデオ品質ではなく、プレイヤーのバージョンアップにあると判明すれば、ビデオ品質管理チームを巻き込むことなく、適切なチームへ迅速にエスカレーションできます。情報を一箇所に集約し、それぞれのチームが確認すべき情報をダッシュボードで見せることで、対応フローは大幅に効率化されます。
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フルスタックオブザーバビリティの実現

従来の監視ツールは、それぞれが特定のコンポーネントに特化しており、複数のツールを切り替えて情報を突き合わせる必要がありました。このような監視ツールの乱立は、問題解決までの時間を長期化させる大きな要因となります。

フルスタックオブザーバビリティは、単一のプラットフォームでアプリケーション、インフラ、UXなど、全てのテレメトリデータを統合することで、チーム間のデータの壁を取り払い、共通の情報ソースとして機能します。

以下のブログでもまとめていますが、『メディア・エンターテインメント業界でのオブザーバビリティ予測レポート』でもテレメトリーデータやビジネスKPIを集約して観測することで、障害対応やビジネス影響の大きな停止を大幅に削減できたというデータが示されています。

この仕組みは、単なる技術的な監視手法ではありません。それは、ビジネスの意思決定やチーム間の連携をデータドリブンに変革し、結果としてより高品質で安定したサービスをユーザーに提供するための、強力な基盤となります。

まとめ

フルスタックオブザーバビリティが動画配信サービスにもたらす価値を解説しました。

  • End-to-Endでのユーザー体験を可視化し、個別のコンポーネントだけでなく、サービス全体としての影響を把握できる
  • チーム間のデータのサイロ化を解消し、データを共通言語として円滑な連携を実現する

これらの価値は、動画配信サービスなど動画を含んだサービスの課題解決に繋がるはずです。

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