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Security Hubがマルチクラウド拡張へ 2026年進化の方向性

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Last updated at Posted at 2026-03-21

AWS Security Hub の進化予告【マルチクラウド拡張方針】を読んで気になったポイント

※マルチクラウドと書かれていますがAzureやGoogle Cloudの文字は出てきていませんので、私の推測部分以外での言及は避けます。

2026年3月10日に、AWS Security Blog で AWS Security Hub のマルチクラウド拡張方針が公開されました。
今回の発表で印象的だったのは、単に「他クラウドも見られるようにする」という話ではなく、Security Hub を AWS の外まで広げた統合セキュリティ運用基盤として再定義しようとしているように見える点です。

発表の中で特に気になった一文を取り上げつつ、そこから読み取れることと、今後期待できそうなことを整理してみます。
なお、本文中の「読み取れること」は公開情報ベース、「期待できること」は私の推測を含んでいます。

2025/12/02 Security Hubを中心に「CNAPP-like」を実現

202512_AWS_CNAPP.jpg

2026/2/26 守備範囲を拡張するパートナー連携

SecurityHubがまた進化!?
202602_AWS_CNAPP.jpg

今後数か月以内に予定されている拡張 [New!]

2026後半_AWS_CNAPP.jpg

まず気になった最重要箇所

In the coming months, we are expanding Security Hub with new multicloud capabilities that extend unified security operations beyond AWS.

AWS は、今後数か月で、Security Hub に AWS の外まで統合セキュリティ運用を拡張するマルチクラウド機能を追加すると述べています。

ここから読み取れること

この一文からまず読み取れるのは、AWS が Security Hub を AWS 向けの統合ビューとしてだけでなく、マルチクラウド環境をまたいだ統合運用の中心として位置付けようとしていることです。
特に beyond AWS という表現はかなり明確で、単なるデータ連携や画面統合ではなく、製品の守備範囲そのものを広げる意思が見えます。

期待していること

ここからは私の推測ですが、今後の Security Hub は、

  • AWS のセキュリティサービスをまとめて見る画面
  • Findings を集約するハブ

にとどまらず、Azure や Google Cloud を含めた運用判断の共通基盤に近づいていくのではないかと感じています。

もしこの方向に本格的に進むなら、各クラウドごとに別々のコンソールと考え方で運用していたものを、一つの軸で比較・判断する世界に寄っていくのかもしれません。

今までは「CNAPP-like」と言っていましたが、「We are the CNAPP」になる日も近そうです!

CNAPPとは
CNAPPは、AWSやGoogle Cloud、Azureのようなクラウドのインフラストラクチャーやクラウドネイティブなアプリケーションに関して、オールインワンでセキュリティソリューションを提供する総合的なセキュリティツールパッケージです。

次に気になった一文

The foundation of this expansion is a common data layer that unifies security signals from wherever your workloads run.

この拡張の基盤として AWS が挙げているのは、ワークロードの実行場所に関係なくセキュリティシグナルを統合する共通データレイヤーです。

ここから読み取れること

ここはかなり重要だと思いました。
AWS は単に「他クラウドのアラートも取り込みます」と言っているのではなく、まず 共通データレイヤー を基盤にすると述べています。

要は、クラウドごとに異なるイベントや Findings の表現を、そのまま寄せ集めるのではなく、Security Hub 側で共通の見方に揃えたいという考え方にも見えます。

期待していること

ここからは推測ですが、将来的には次のようなことが期待できそうです。

  • クラウドごとに粒度や意味が違うシグナルを共通化する
  • posture、脆弱性、露出情報を同じ土台で関連付ける
  • 優先度付けをクラウド横断で比較できるようにする

もし本当にそうなるなら、これは「マルチクラウド対応の画面を追加する話」ではなく、マルチクラウド対応の共通基盤を作る話です。
この差はかなり大きいと思います。

さらに気になった一文

On top of that, a unified policy and operations layer delivers consistent posture management, exposure analysis, and risk prioritization, so your security team operates from a single view of risk rather than a fragmented collection of consoles.

AWS は、共通データレイヤーの上に 統合されたポリシーと運用レイヤー を置き、そこで posture management / exposure analysis / risk prioritization を一貫して提供すると説明しています。

ここから読み取れること

この一文で面白いのは、AWS がマルチクラウド対応を 監視対象の拡大としてではなく、運用の一貫性を作る話として語っている点です。

つまり AWS が重視しているのは、

  • どのクラウドの設定不備をどう見るか
  • どの露出を危険とみなすか
  • 何を優先して直すべきか

といった判断を、クラウドごとにバラバラなままにしないことなのだと思います。

私が期待していること

この方向が進めば、企業にとってはかなり大きいです。
たとえば、AWS と Azure と Google Cloud でそれぞれ別のルール・別の運用フロー・別の優先度判断をしている状態から、リスクを単一の視点で見ることがしやすくなります。

特に SecOps や SOC の観点では、
「どのアラートが来たか」よりも「何を先に直すか」を統一できることの価値が大きいはずです。

個人的にインパクトが大きかった一文

Security Hub will also deliver external network scanning that enriches security findings with context about internet-facing exposure across your multicloud environment, including for resources not running in AWS.

AWS は、Security Hub が インターネット公開された露出情報を補強する external network scanning を提供し、しかも AWS 上で動いていないリソースも対象に含むと述べています。

ここから読み取れること

これはかなり大きい話だと思いました。
従来の「AWS アカウント内の設定不備を評価する」という見方を超えて、外から見える露出面そのものを起点にリスクを捉える方向がより明確になっています。

私が期待していること

ここからは推測ですが、今後の Security Hub は、単なる CSPM の延長ではなく、Exposure Management 的な色合いをさらに強めていくのではないかと思います。

たとえば今後は、

  • posture の悪さ
  • 脆弱性の有無
  • インターネット露出の有無
  • 攻撃経路につながる関係性

をまとめて見て、「本当に今対応すべきものは何か」 を出していく方向に進むのではないでしょうか。

今回の発表をどう捉えるか

今回の発表を読んで感じたのは、AWS が Security Hub を

「AWS のセキュリティサービスをまとめる場」から、マルチクラウド時代の統合運用基盤へ進化させようとしている」

ということです。

特に印象に残ったのは、次の 3 点です。

  • beyond AWS という、守備範囲の拡大をかなり明確に示す表現
  • common data layer という、共通基盤を先に作ろうとする考え方
  • single view of risk という、運用判断を統一したい意図が見える表現

これらを並べて見ると、AWS がやろうとしているのは単なるマルチクラウド対応ではなく、マルチクラウド時代のセキュリティ運用の標準化なのかもしれません。

まとめ

今回の発表時点では、まだ「今後数か月で拡張」とされており、詳細な機能範囲や対応クラウド、実装方法までは出揃っていません。
ただし、公開された表現だけでも、AWS が Security Hub を AWS 内の可視化基盤から AWS 外も含めた統合リスク運用基盤へ広げようとしていることは十分伝わってきます。

個人的には、今後特に注目したいのは次の点です。

  • Azure / Google Cloud が対象であり、どの粒度で統合されるのか
  • CSPM と Inspector の役割分担がどう広がるのか
  • external network scanning がどこまで実用的に使えるのか
  • attack path や risk prioritization がクラウド横断でどう表現されるのか

今後の続報次第では、Security Hub の立ち位置そのものが大きく変わるかもしれません。

参考

2025 Japan AWS Jr. Championsメンバーが主催する AWSアップデート情報共有会で発表した記事は以下です。
【2025 Japan AWS Jr. Champions主催】 AWSアップデート情報共有会(最終回)を開催しました!

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