はじめに
この記事は、ミニPC「GMKtec EVO-X2」の AMD製GPU(ROCm対応)環境で、ComfyUI をインストールするという話です。
その際の構成は、デフォルトの Windows 11 の環境で、WSL や Docker は使わずに ComfyUI を使うという内容になります。
事前のセットアップ
今回の手順を進めるにあたり、その中で必要になるものの事前準備として、以下の記事に書いたセットアップを行っています。
●ミニPC「GMKtec EVO-X2」で少し開発環境関連のセットアップ【Ryzen AI Max+ 395・メモリ128GB搭載の PC】 - Qiita
https://qiita.com/youtoy/items/344731830eb0d4b99145
そこで導入したものは、この後の手順で出てくるツール(uvなど)です。
今回試す手順の情報源
今回試す手順の情報源は、以下の記事です(※ 投稿されたタイミングは、本記事の執筆時点から 1ヶ月前くらいになるようです)。
●How to Install ComfyUI + ComfyUI-Manager on Windows 11 natively for Strix Halo AMD Ryzen AI Max+ 395 with ROCm 7.0 (no WSL or Docker) : r/ROCm
https://www.reddit.com/r/ROCm/comments/1no2apl/how_to_install_comfyui_comfyuimanager_on_windows/
上記の冒頭に、以下の画像で示した手順が書かれています。
この後、基本的には上記の流れを進めます。
ただし、上記の手順で使われていた「Nightlies」の URL(gitなどで取得している対象の URL)は、現在だと Nightlies ではないものを使えば良くなっていたようなので、その部分は変えています。
具体的には、以下のように URL を置きかえています。
- 変更前の URL
- 変更後の URL(今回用いる URL)
さっそく進める
上記の Reddit の記事に書かれた内容をベースに、さっそく進めていきます。
リポジトリからのクローンと下準備
以下での記載に関して、実行する内容・コマンドをメインに、流れをざっくり書く形にしています。
フォルダ作成とリポジトリからのクローン
まずは適当なところに「ComfyUI用のフォルダ」を作成して、PowerShell上でそのフォルダへと移動します。
その後に、以下のコマンドを実行します。
git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git
リポジトリからクローンしたファイルの中で、トップの階層にある「requirements.txt」を開いて内容を少し編集します。
具体的には、「requirements.txt」に書かれた内容のうち、「torch、 torchaudio、 torchvision」の行を削除します(※ その際 torchsde の行を誤って消してしまわないように、という注意書きもありました)。
ここで「requirements.txt」から削除した「torch、torchaudio、torchvision」の 3つは、この後に、それぞれ gitコマンドでクローンして導入します。
なお、自分が上記のクローンをした時の「requirements.txt」の中身(torch・torchaudio・torchvision の 3つの行を削除する前の状態)は以下でした。
comfyui-frontend-package==1.28.8
comfyui-workflow-templates==0.2.4
comfyui-embedded-docs==0.3.0
torch
torchsde
torchvision
torchaudio
numpy>=1.25.0
einops
transformers>=4.37.2
tokenizers>=0.13.3
sentencepiece
safetensors>=0.4.2
aiohttp>=3.11.8
yarl>=1.18.0
pyyaml
Pillow
scipy
tqdm
psutil
alembic
SQLAlchemy
av>=14.2.0
#non essential dependencies:
kornia>=0.7.1
spandrel
pydantic~=2.0
pydantic-settings~=2.0
仮想環境の準備とセットアップ
PowerShell で、クローンしてきた ComfyUIフォルダに入ります。
そこで以下のコマンドを実行して、仮想環境を準備します。
自分の環境だと、Python のバージョンは 3.14 にしていたのですが、ざっくり調べた感じだと現状は 3.12 を使っておくと良いという話を見かけて、元手順のとおりのバージョン 3.12 を指定しました。
uv venv .venv --python 3.12
.venv/Scripts/activate
さらに仮想環境内で、少しセットアップを進めます。ここで、上で書いていた「Nightlies ではないものを使う」という内容が出てきます。
uv pip install で、以下の 2つを実行します。
uv pip install --index-url https://repo.amd.com/rocm/whl/gfx1151/ "rocm[libraries,devel]"
uv pip install --index-url https://repo.amd.com/rocm/whl/gfx1151/ --pre torch torchaudio torchvision
上記により、先ほど「requirements.txt」上からは消していた「torch、torchaudio、torchvision」をインストールした形です。
URL を書きかえる前のもの
参考として、以下に「Nightlies を使ったもの(元の手順通りのもの)」を折りたたみにして掲載しておきます。
【折りたたみ】
uv pip install --index-url https://rocm.nightlies.amd.com/v2/gfx1151/ "rocm[libraries,devel]"
uv pip install --index-url https://rocm.nightlies.amd.com/v2/gfx1151/ --pre torch torchaudio torchvision
「requirements.txt」での依存関係をインストール
さらに、以下を実行して依存関係をインストールします。
uv pip install -r requirements.txt
ComfyUI-Manager を追加
さらに、以下でフォルダ移動やコマンドの実行(リポジトリからのクローンなど)を行ったりします。この部分は ComfyUI-Manager の追加です。
cd custom_nodes
git clone https://github.com/Comfy-Org/ComfyUI-Manager.git
ComfyUI の実行など
先ほどの状態から、1つ上のフォルダへと移動して、ComfyUI を「uv run コマンド」で実行します。
同一PC内で使えれば良いという場合
ComfyUI を EVO-X2内でのみ使えれば良い、という場合は以下を実行すれば OK です(元手順通りの内容)。
cd ..
uv run main.py
しかし、例えばローカルネットワーク内の別PC からアクセスして使いたい、という場合は、上記のコマンドを少し変える必要があります。
ローカルネットワーク内の別PC からアクセスして使いたい場合
以下のコマンドが、ローカルネットワーク内の別PC からアクセスして使えるようにするものです。
uv run main.py --listen 0.0.0.0
なお、この話について参照した情報は、以下の公式ページです。
●ローカルネットワークからComfyUIにアクセスする方法 | ComfyUI Wiki
https://comfyui-wiki.com/ja/faq/how-to-access-comfyui-on-lan
ComfyUI を開いて動作確認
その後、EVO-X2 のブラウザで「 http://127.0.0.1:8188 ( http://localhost:8188/ )」にアクセスします。そうすると、ブラウザ上で ComfyUI の画面が表示されました。
ローカルネットワーク内の別PC でのアクセス
また、ローカルネットワーク内の別PC から http://【EVO-X2 の IPアドレス】:8188 にアクセスしてみました。この場合も、以下のようにブラウザ上で ComfyUI の画面が表示されました。
この後、適当なテンプレートを選んで動作確認を行ってみたところ、問題なく動作しました。ただし、シンプルなお試しをやっただけだったので、動作確認は不十分な状況かとも思っています。
おわりに
今回、Reddit の手順をベースにセットアップなどを進めて、自分が持っている「GMKtec EVO-X2」での Windowsネイティブ環境(WSL・Docker は不使用)で、ComfyUI をインストールして動作させられることを確認しました。
さらに、今回の内容関連の調査をしている中で、以下の内容も見かけたので、これも別途、確認できればと思っています。
●Official (Experimental) Support for AMD GPUs on windows. · comfyanonymous/ComfyUI · Discussion #10116
https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI/discussions/10116
その他
動作確認で用いたモデル
上で書いていた動作確認は、まずは SDXL で試しました。
セットアップ直後は、以下のようにモデルが足りないという表示が出たので、必要なモデルを追加して生成を試しました。


