Qiitaのポッドキャスト「Qiita FM」にゲストとして呼んでいただいた回を、許可を得たうえで音声メディアの代替として書き起こしテキストを投稿します。
- #62 流され続けて辿り着いた「全部やる」エンジニアデザイナー
- #63 「誰もが使える」サービスへ:アクセシビリティで開発者の目が変わる理由
- #64 日常に潜む壁:気づきが変えるアクセシビリティの視点(この記事)
この記事は、『#64 日常に潜む壁:気づきが変えるアクセシビリティの視点』の内容です。このエピソードは以下のURLから聞くことができます。
- テキストとして読みやすいよう、実際の発言の一部(「えーっと」のような意味のない言葉や、言い直しなど)を省略・修正しています
- ymrlの分については自分の発言意図に沿った書き起こしをしていますが、パーソナリティの清野(@getty104)さんの発言の正確さは保証できません
- 文章内の見出しはymrlが付けているものです。見出しが挿入されるポイントは、番組内ではキータイプの音の効果音が鳴っています
音声メディアを聞ける状態にある人は、ぜひ配信されている番組の音声も聴いてください。そのほうがQiitaの中の人が喜ぶと思います。
オープニング
清野: 日本最大級のエンジニアコミュニティ、Qiita。プロダクト開発部部長の清野隼史です。この番組では日本で活躍するエンジニアをゲストに迎え、キャリアやモチベーションの話を深掘りしながら、エンジニアの皆さんに役立つ話題を発信していきます。
ゲストはフリー株式会社(freee)UIデザイナー、フロントエンドエンジニアで、「Webアプリケーションアクセシビリティ」共著者のymrl(やまある)さんです。よろしくお願いします。
ymrl: はい、よろしくお願いします。
清野: はい、ということでですね、3回目のテーマとしてはアウトプットをですね、色々お伺いしていきたいなと思ってます。あえてここまで全然聞いてこなかったと思うんですが(笑)。
ymrlさんとお送りする3回目のテーマは「日常に潜む壁 気づきが変えるアクセシビリティの視点」です。
アウトプットするきっかけと対象
清野: まず最初にお伺いしたいのが、「アウトプットってものをいつから始めましたか?」ってところで、結構ymrlさんはいろんなところでいろんな形でアウトプットされてるかなと思うんですけど、最初のきっかけって何だったんですか?
ymrl: 何なんですかね(笑)。
アウトプットっていう言い方で言えば、何かを世に出そうとか、あんまり「出さなきゃ」って思ってないんですよね。
清野: はい。
ymrl: なので、きっかけで言えば、大学生ぐらいの頃に、第1回(#62)で多分喋ったあたりの話ですけど、プログラマーとかブロガーとか、そういう人たちが結構いるようなインターネットコミュニティみたいな、ゆるい感じの、その頃Twitterにいた人たちみたいな、ざっくり言えば、人たちと交流してて。
そういう人たちって何かあったら、ブログに書く、Twitterに書く。あるいは、ちょっとしたスクリプトとかを公開して、いろんな人が使うみたいな。お互いが使って、あれ良かったねみたいなことを言ってるみたいな、そういう世界だったので。
自然と、何かを作って友達に使ってもらうとか、大学の中で大学生向けのちょっとしたWebサービスを作って広めてみたりとか。自然とやってたっていう感じですね。
清野: そうなんですね。なんかその当時は比較的なんて言うんですかね、内輪でやってたみたいなイメージなんですか?
ymrl: そうですね。まあ、内輪でやってたんですけど、そこもなんかちょっと大学の変なところで、大学の中でTwitterやってる人たちみたいな人たちがいるんですよね。で、その人達ってTwitterで喋ってるので、内輪の会話が全部筒抜けなんですよ。
清野: なるほど。
ymrl: なので、そのまま大学の外にいる人たちにも繋がっていくし、その大学の中にむけて出したものが、まあ外から見えているとか、自分もそれを意識しながら、外の人にも見える形で、作ったもの。、ちょっとしたWebサービスであったりとか、そのブログ記事であったりとか。内輪なのか、なんかもうちょっとちゃんと外に見せるつもりでやってるのか曖昧な状態でずっとやってきたみたいな感じですね。
清野: うん、なるほど。まあ、今はもうある意味で全然内輪じゃないアウトプットってところまで、色々変異はしてきてるんじゃないかなと思うんですけど。なんか、今でも同じようなスタンスでアウトプットはしてるっていう感じなんですか?
ymrl: そうですね。このポッドキャストの話の、第3回アウトプットの話みたいな構成みたいなのを見て、自分がアウトプット、世の中にものを出すみたいなのをどうしてきたかって考えると、やってない時期が多分あるんですよ。
清野: あ、そうなんですね。
ymrl: うん。あんまりインターネット上に作ったものを出すとか、Qiitaに記事を出すとかやってない時期があって。それは単に影響を与えたい相手がどこにいるかみたいなところで、会社が大きくなってきて、会社の中にものを投げたらそれだけで面白いみたいな状態になってた頃があったので、多分その頃あんまり外にものを出してないんですよね。
清野: うんうんうん。
ymrl: なので、内輪みたいな感じではあるんですけど、そのぐらいの頃までは多分スタンスとしては内輪な感じで。会社の中にこういうものを出したらもっと役に立つだろうなとか楽しくなるだろうなみたいなのがあったのが多分その頃ですね
で、最近ちょっとやっぱり変わってきたのはやっぱり本を出したりにして、ちょっと名前が知れてきてしまったので。
清野: はい。
ymrl: ちゃんとした形で出す時は出さなきゃいけないなみたいな、ちょっとしたプレッシャーというか。そういうものはやっぱ感じますね。
最近は結構そのアクセシビリティっていうものにすごい詳しい人ってなってるので、アクセシビリティ関係の話題に関しては結構、自分が発言することでなんか変な影響を与えないようにみたいなのは結構気にするようになっちゃって。
そういうスタンスの変化はありつつ、逆に自分が今言うことによって、流れを変えられるような、なんかそういう強いアウトプットを出せる瞬間もあるみたいなところで。
スタンスは変わってきてはいるものの、なんか、元々なんかこう細い棒でパシパシ叩いてたのが、最近は太い棒でぶん殴れるようになってるみたいなそういう感じがあるかもしれないですね。
アウトプットの効果の広がり
清野: 本を出版されたというのもあって、やっぱりymrlさんがアウトプットしたものに対しての反応って結構今色々あるんじゃないかなと思ってます。その中で、ある意味で、嬉しい反応だけじゃないシーンとかも、もしかしたらあるんじゃないかなと思うんですけど、それでもこうアウトプットを続けていっているこう理由というか、そこの原動力ってどういうところなんですかね。
ymrl: そうですね。まあ今やっぱり、特にアクセシビリティの話とかを出したりとか、あとアクセシビリティ関係のツールをその個人で作ってるっていうのもあるんですけど、やっぱりそのアクセシビリティのことをやる人が増えてほしいとか、その源流にはやっぱりその障害のある人とかが困ってるっていう、そういう前提があって。
結構最近はそのSNSでそういう人の何で困ってるかとかをめちゃくちゃ見てて、やっぱりそれって、単純にその自分の会社、同じような業界の人だけじゃなくて、みんなが知ってなきゃいけないことだと思って。アクセシビリティの話をもっと出そう、みんなができるようになろう。それから変な、アクセシビリティに関して変な誤解が広まるのを止めようみたいな。そこをかなり意識して動いてるんですね。
清野: うんうん。
ymrl: なので、そこで、変なことは言えない一方で、なんか自分が言うことによって、どうにかこの世の中が良くならないのかなって思ってやってるっていう。
清野: うんうん。
ymrl: なんかもう、自分が社会に貢献する手段みたいになってるっていう、そういうところがかなりありますね。
清野: うんうん。ありがとうございます。
結構、「あるある」かどうか分からないんですけど、やっぱ本を出版されたりすると、個人でのアウトプットってところが逆にこう減っちゃう方とかって結構いらっしゃる印象はあって。その中でymrlさんって本当にこうアウトプットし続けていらっしゃるなっていうのを感じていたので、今お話聞いていてそれ続けてる理由ってところはすごい、なるほどなっていう風に感じました。
実際そうやって、できるだけ多くの人にってところでアウトプットされてる内容って絶対こう、人に伝わっていると思うので、少なくとも僕はいつも拝見させて頂いてるので。
ymrl: ありがとうございます。伝わってればいいなとは思ってるんですけど。
清野: はい、もう本当に多くの方に伝わってるんじゃないかなという風に思ってたりはします。
実際、僕の今のあの感想みたいなお話をしちゃったんですけど、やっている中でこう体感としてこう、なんて言うんですかね、アクセシビリティに関しての、いわゆるエンジニア業界での、何か変化が起こってきてる感みたいなのって感じたりしますか。
ymrl: そうですね。うーん、アクセシビリティの話をしてなかった人がアクセシビリティの話をするようになったなっていう。
清野: うんうんうん。
ymrl: なんかシンプルなところではあるんですけど。
例えば、そうですね、ブログの記事、Qiitaの記事、登壇のスライドにアクセシビリティについて触れられてることってのは、増えたんじゃないかなっていう。
「自分の会社でもアクセシビリティのことやってみました」とか、そういうことを書いてる中に、自分の本があったりとか、それから自分の記事が引用されてることもあるし、そういうのがあるので、まあやっぱり、自分が行ったおかげなのかどうは全部は分からないですけど、まあちょっと潮目が、特にそのエンジニアの中では意識が向きつつあるのかなっていう、感じですね。
清野: うんうん。でも、まさ本当にそうだなあっていう風に感じます。もうまさにQiitaの中でも結構そういう取り組みみたいなのやってたりはするので。まさにymrlさんがやってきていることが今こうちょっとずつ、効果として、結果として出てきてるタイミングなのかなってのは感じたりします。
ラーメン屋とエンタメ
清野: 逆にymrlさんの中で「まだここら辺できてないな」とか、「もうちょっとここら辺頑張んないとな」みたいに思ってたりすることってあるんですか?
ymrl: それで言うと、どっちかというとエンジニアじゃない人たちに、この視点をどう伝えるか。エンジニアじゃない人、それからデザイナーじゃない人が、そこが大事だって分かってくれないと、多分エンジニアがやりたいって言っても、まあそれこそこれまでの回の話でもありましたけど、ちょっとずつやるしかないってなっちゃうんですよね。で、ちょっとずつ今やってるわけですけど、ちょっとずつやるってすごい熱量のある人がやれることだから、熱量のある人がその熱量をどうにかセーブしてちょっとずつやるに向けてるので、本当は熱量のある人が、「うおーやるぞー」って言って、「アクセシビリティチームがやる、全部やる」ってなって欲しいんですけど、まあなんないんですよね。なんでかって言うと、やっぱエンジニアじゃない人の理解は得られてないからだと思ってて。
清野: うんうん。
ymrl: それはどうやったら得られるんだろう?自分の力で得られるんだろうかみたいな、やっぱり難しいところがあるなと思ってますね。
清野: うんうん。確かに。やっぱり作るからこそ、やっぱエンジニアだったりデザイナーっていうのは、その中でのこう自分ごと化ってしやすいかなと思うんですけど。やっぱそこがちょっと離れた役割、職種の方とか、業種の方になっちゃうと、なかなかそこって感じにくいですし、ymrlさん自身のアウトプットも届きづらいというか。
ymrl: そうですね。
清野: そうですよね。だからある意味でやっぱ今ってアクセシビリティみたいなものが、開発職が頑張るものみたいな、まあちょっとそういうこう雰囲気があります。
ymrl: そもそも頑張るっていうレベルまで達してないというか、みんな知らないんですよね。アクセシビリティっていう概念を知らないので。
清野: はいはい。
ymrl: なんだかよく分からないんですよね。で、なんだかよく分からないので、なんだかよく分からない、知らない、やる必要あるのかよく分からない、なんだろう、みたいになっちゃってるので。
清野: ああ、なるほど。
ymrl: うん。そこが難しいところかなと思ってて。
そのなんだか分からないものを理解するために一定のリソースを割いてもらうっていう必要があるわけなんですけど、いや、そんなね、いきなりよく分からないものの説明されても、みんな聞きたくないじゃないですか。そんなん読みたくないじゃないですか。「Webアプリケーションアクセシビリティ」、5671ページあるんです。絶対読みたくないじゃないですか。
清野: (笑)
ymrl: っていう問題があると思ってて。
清野: そこに実際今ymrlさんとして取り組んでることとかはあったりするんですか?
ymrl: うーん、そうですね。だから、そこは、とにかくいろんなところには、呼ばれたら行くっていうのをやっていて、まあ実は言うとちょっと、あの、まあデで始まる官公庁の会議に出たりとか。
清野: ええ。
ymrl: ええ、実はしてるんで、あ、でもこれ公開情報だから別にいいんですけど、伏せる必要ないんですけど。行政サービスの、ところに呼んでいただいた機会があったので、そこではアクセシビリティの視点を入れてもらえるように、ちょっと意見を入れさせてもらったりとか。
できることは何でもやるみたいな気持ちはありますね。とはいえ結構自分の体の限界みたいなのがあるので。
自分の体は1個しかないし、で、しかも、そんなに実は健康ではないっていう問題があるので。
清野: (笑)
ymrl: 程々に自分の出来ることをやっていくしかないかなっていうので、まあなんか、いい、いいなんか切り口をくださいって感じですね。
清野: なるほど。
ymrl: うん、全然なんかそれこそ、そうですね、なんかそういうエンジニアじゃない人たちに、ちょっとQiitaのポッドキャストでエンジニアじゃない人に影響できるかっていう話をするとすごい申し訳ないんですけど。
エンジニアじゃない人たちに、開発職じゃない人たちに、アプローチする手段ってなんだろうってのは、まあ、ずっと難しいなって思い続けてるっていう感じですね。
清野: そうですね。ある意味でここからは、仲間を増やしていくっていうのはあるのかなってのはお話聞いてて感じました。多分全員を一気にっていうのはやっぱなかなか難しい気がしてて、1人ずつ、多分まあ違う業種とか職種の人たちで、共感してくれる人を1人ずつ増やしていくっていう。
ymrl: そうですね。なんか共感してもらえる人が増える瞬間みたいなのは、やっぱりあって。
某ゲームハードメーカーの株主総会で、そこソフトも作ってるところですけど、「目の見えない人も使えるゲームを出して欲しい」っていう質問をされた方がいて。
その人は単純に、元々そこが出していた、見えない人でもできるゲームがあって、それを楽しんでる視覚障害の人がいるっていう話を聞いて、で、「もっともっとできることがあるんじゃない?」って、たまたま言ってくれたんですけど。それを、ネット上で、その発言が、まあ好意的にも否定的にも捉えられてたんですよね。やっぱりテレビゲームなので、「見えない人がやるなんて、そんなことあるのか?」みたいな。肯定的に見る人もいれば否定的に見る人もいる。肯定的に見る人は、まあ結構その海外のゲーム事情とかに詳しい人は、他の会社は結構やってるのに、なんでそこはやってないんだっていう話題をやっぱり知ってたりとかするんですけど。
それってなんかチャンスでもあるなと。否定的な人も肯定的な人もいる瞬間って、関心を持ってもらえてるわけだから。
清野: うん。
ymrl: 「いや、違うんですよ。ゲーム、視覚障害者でもゲーム、こんなにやってるんですよ」っていう例をむっちゃTwitterに流したりとかして、1人でもなんか共感できる人を増やそうと思って。
清野: うん。
ymrl: うん、まあ結構それは、拡散されたりして、うまくいったのかなってずっと思ってます。
清野: なるほど。
ymrl: そうなんですよね。
清野: ここまでお話聞いていて、なんというか、本当にこう前回前々回は、「自分が作ってるものをいいものにしたい」っていう話から、今業界全体の話に広がってるなって思っていて、なんか見ているものとか、視座って言うんですかね、自分ごと化している範囲がすごい広がっているっていうのが、本当にすごいなっていうのはお話聞いていて感じましたね。なんか、そういうこう思考が変わったタイミングとかってあったりするんですか?
ymrl: いや、なんかそんなにはないかなと思うんですけど、やっぱアクセシビリティのことに関わるようになっていって、「あれ、これでいいのか?」って思うことはやっぱり増えたなって思うのと。
あとゲームの話って、自分もそのゲームやりたい、ゲーム楽しくやりたいじゃないですか。で、自分の見えてる範囲に、視覚障害のある人、聴覚障害のある人がいると、この人たちと一緒にゲームできないってなっちゃうのってすごい悲しいことだなって思うようになったんですよね。
まあそれはゲームの話だし、そう考えると、ゲームとかエンタメとかって、むちゃくちゃ健常者主義というか。例えば映画って基本的に目はと耳で情報を得るもので、一部そのバリアフリー上映とか日本語字幕上映とかあるんですけど、すごく数が限られてたりとか、時間帯がすごい限られてたりとかして。
で、当事者の人がやっぱりそれじゃ全然アクセスできないって言ってるっていうのがあって、まあ、変な話エンタメを楽しむって、基本的人権だよなと思っていて、それができないって何なんだろうって思ってたりとか。
清野: うん。
ymrl: それから、あとはあれですね、飲食店の、ラーメン屋さんの食券機って、目が見えないと使えないなっていうのを、視覚障害者の同僚と行った時に、あ、これ押せないじゃんって。
清野: うんうん。
ymrl: 全部読んで押して、えっと、お金預かって入れてみたいなのやんなきゃいけないとか。「え、ってことは、この人は一人でラーメン屋行けないってこと?ご飯食べれないってこと?」って思ったりとか、そうやってだんだんなんか身の回りにある、不便なポイントってのが分かってきたというか。
清野: うんうんうん。
ymrl: ラーメン屋だったら店員さんが代わりにやってくれるとかできると思うんですけど、最近やっぱエンタメの問題って、大きい問題なんじゃないかなっていう風にどんどん思うようになってるのは、やっぱり自分がそういうのが好きだからっていう。
清野: うんうん。
ymrl: 映画を見たいし、アニメ見たいし、ゲームもやりたいけどできない人がいるっていう状態が、やっぱそれは自分が作ったものが使えない人がいるっていう状態っていうだけじゃなくて、自分が楽しんでるものが使えない人がいるっていう状態っていうのに、なんかちょっとこう視線が変わっていったっていう。
清野: はい。
ymrl: そういうのはあるかなって思います。
清野: 気づいてしまったんですね、もう。
ymrl: そうですね、気づいちゃったんですね。
清野: なるほど。ありがとうございます。ここまでで本当にymrlさんがこう発信をしている理由もそうですし、今見ているところがどういうところなのかっていうのはすごいお話聞いていて分かりました。
壁をなくす、面白い仕事
清野: 最後に聞きたいのが、今後の目標というか、今から挑戦していきたいなと思ってることとか、お話の中でも軽く触れてはいたかなと思うんですが、改めてお伺いできたらなと思っております。
ymrl: そうですね。あの、第1回で「流されてきて生きてきました」みたいな話をしたので、実はあんまり目標とかないんですよね。
清野: はい。
ymrl: そうなんですよ。目標とかって、実はあんまりなくて。
清野: うん。
ymrl: まあでも色々考えると、やっぱり何か社会のアクセシビリティを上げるっていうことに携わりたいなっ、携わり続けたいなっていうのはずっとありますね。なんか、それは別にその障害者っていうカテゴリーだけじゃなくて、もしかしたら高齢者かもしれないし、外国人かもしれないし。日本のコンテンツに海外からアクセスするっていう、そこにも多分障壁があると思うので、その壁の中で、特にデザインとしてもエンジニアリングとしても面白い壁をなくすっていう仕事ができたらいいなっていうのはありますので、まあ、あとは流されてそういうとこにたどり着きたいなっていう。
まあ今の仕事でも、そういう仕事はある意味してるので、結構楽しいんですけど。まあ、そういうのやり続けたいなっていうふうに思ってますね。
エンディング
清野: ymrlさん、3回にわたりありがとうございました。何か最後にですね、告知などお知らせがありましたらお願いします。
ymrl: 告知というか、あれなんですけれども、まず1つは本ですね。あの、『Webアプリケーションアクセシビリティ』っていう、まあ、ちょっと分厚い本ですけど。一家に一冊、会社に10冊。最初から全部読まなくていいので、気になったところだけでもなんか読んで、「ああ、こういうことがあるのか」って思ってほしいなっていうところが1つと。
それから、本の時にはまだなかったものとして、「Accessibility Visualizer」っていうChrome拡張、Firefox拡張を作っていて、それを使ってみてほしいなと思っていますっていうのが、まあ、1番告知したいことかなって思っています。アクセシビリティを「見えるようにする」っていう、よく分かんないツールなんですけど。
清野: うん。
ymrl: それを使って、特にフロントエンドのエンジニア、あるいはデザイナーの人が、「あ、ここやばいな」っていう場所を見つけられるようになってもらえるといいなって思ってますので、ぜひ、あの、使ってもらえるといいなと思ってますという感じですね。
清野: はい。ymrlさん、またお待ちしております。ぜひですね、また色々お話聞きてきたらなと思うので、よろしくお願いします。
ymrl: はい、ありがとうございます。
清野: はい、ということで今回はですね、ymrlさんにアウトプットのお話からですね、今考えていることみたいなところを色々お伺いできたなと思っております。
いや、本当にやっぱりymrlさん自身がやっぱアクセシビリティっていうものを多分色々こう勉強されて、で、それによってやっぱりこう色んなものに対して気づいているからこそ、今やっている動きってところもあるかなと思うので、やっぱみんなでまずはこう「知る」っていうところが本当に大事なんだなっていうのを、あの、お話聞いていて感じました。
本当にこうアクセシビリティって高尚なものではなくて、困ってる人に自分も気づけるようになるとか、みんな同じ人間ではあるので、やっぱみんなが便利に世の中のものが使えるようにっていうところを、こうみんなで本当に同じような感覚で考えていけるようにっていうのが、やっぱアクセシビリティを学んでいく価値なのかなっていうのは今お話聞いていて感じました。
ymrl: そうですね。なんか多分、アクセシビリティっていうものを知った後で電車に乗ると、「この人は、あ、白い杖持ってる」とか、「あ、妊婦さんがいる」とか、いろんな発見があるんじゃないかなと思っていて。
清野: うん。
ymrl: 電車乗るとっていうのもあれですけど、街中に実はアクセシビリティを必要としてそうな人、何かの場面で必要とする人、あるいは、アクセシビリティが実装されたものってのがいっぱいあると思うので、まあそういうのを見つけてもらえると、結構単純に面白いんじゃないかなって思います。
清野: うん。
ymrl: 結構自分は、ちょっと暗い話しちゃったかなと思うんですけど、あの、面白がってるので。
清野: うんうん。
ymrl: 面白くやってほしいなって思ってます。
清野: はい、ありがとうございます。本当に僕も、本当にこう楽しみながら、まあ発見、本当に発見だと思うので、そういうところを楽しみながらみんなでやっていくのがいいのかなっていうふうに思いました。ありがとうございました。
さて、この番組では感想や次回ゲストへの質問、リクエストなどをお待ちしております。番組詳細欄にあるリンクよりお気軽にご投稿ください。Xではハッシュタグ「#QiitaFM」を付けてポストしてください。表記は番組名と一緒でQ、F、Mが小文字、残りは小文字です。そして、Apple PodcastやSpotifyのポッドキャストではレビューもできますので、こちらにも感想を書いてもらえると嬉しいです。
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来週も火曜日の朝6時に最新話が更新されます。番組のフォローをして最新話もお聴きください。お相手はQiitaプロダクト開発部部長の清野隼史と
ymrl: フリー株式会社エンジニアデザイナーのymrlがお送りしました。
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正確には576ページです ↩