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AWS ソリューションアーキテクト プロフェッショナル (SAP-C01) を滑り込み再取得してきた話

はじめに

前回から早3年、「AWS認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル(SAP-C01)」を再度受験して合格しました。今回の出来としてはジャスト8割程度です。

現行試験のSAP-C01は最終受験日は2022年11月14日となっており滑り込みで受験です。これから同試験を受ける方は少数かも知れませんが、体験記と学習法をまとめてみます。

学習にフォーカスした記事は書いてる方も多いと思うのでそこは簡単に、
試験に向けて当日気を使ってみたことや心構えも書いてみます。

また資格取得だけを目的とするよりは、極力実務に活かせるよう実サービスを触りたいという方針です。
ここらへんは時間との兼ね合いで学習プランを検討ください。

参考になれば幸いです。

前回:AWS ソリューションアーキテクト プロフェッショナル SAP-C01 合格 受験記録

簡単なバックグラウンド

  • AWS実務歴6年
  • サーバーサイド/バックエンド・インフラメインで10年強→SRE歴3年→現在は絶賛管理職
  • 直近は主にレガシーなアーキテクチャをFargate化+αするプロジェクトを複数実施中

自身のロールではないがエンジニアリングも感覚が鈍らないように細々とやってます

学習方法

学習期間:1ヶ月程度
学習時間:80時間程度

Udemyの模試を丸々実施すると見直しも含めて3時間コースはほぼ確定なので、試験を想定したフル尺+見直しは休日に実施。平日は30分程度試験を解いてその見直し、公式ドキュメントの確認、詳しくないサービスは実際に触って画面で確認していました。

学習に使ったリソース

分類 利用頻度 リソース名
AWS公式 AWS サービス別資料
AWS公式 AWS ナレッジセンター
AWS公式 よくある質問
AWS公式 AWSのドキュメント
AWS公式 AWS ホワイトペーパーとガイド
AWS公式 サンプル問題
AWS公式 公式練習問題集
AWS公式 試験ガイド
AWS公式 AWS Well-Architected フレームワーク
Udemy AWS Certified Solutions Architect Professional Practice Exam
Udemy Ultimate AWS Certified Solutions Architect Professional 2022
参考書 AWS認定資格試験テキスト&問題集 AWS認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル

学習を補助したツール

ツール名 概要 コメント
Obsidian Markdownエディタ 知識のアウトプット用に利用
Google翻訳 翻訳ツールのchrome拡張 Udemyの英語模試を実施する際にWebページ全体を翻訳機能がほぼ必須
DeepL Pro 翻訳ツール 主にPDF資料などはこっちを。ひと月だけ利用しました。Proだとページ翻訳も出来るため模試もこれでたまにやってました。精度が良すぎて幾つか専門用語も翻訳されてしまったためGoogle翻訳のがやりやすかった
ノイキャン付きイヤホン Bluetoothイヤホン 学習時に環境音やノイズを聞いてたのと、本番のイヤーマフ装備を想定して模試でも近い環境を再現出来るようノイズキャンセリングを利用した
Spotify サブスク音楽 上記と同様。学習中はこちらのピンクノイズや環境音を聞いていたのと、学習前に好きな音楽を15分ぐらい聞いてテンション上げてから取り組んでいた

おおまかな学習の流れ

学習開始時

  1. 試験ガイドを読む
    • 特に出題領域、主要サービス一覧をチェックする
  2. サンプル問題・公式練習問題集を解く
    • 間違ったところは理解出来るまで調べる
    • 苦手なサービスの列挙もしておく
  3. AWS Well-Architected フレームワークを読む
    • AWSが推奨する設計原則、ベストプラクティス集なのでそのまま解答選択基準となることが多い
    • 個別でホワイトペーパーもあるので可能な限り読んでおきたい
    • 印象としてはコスト最適化、セキュリティは最低限読みたい、次点で信頼性

学習進行時

  1. 主要サービスの知識インプット
    • AWS サービス別資料の確認
      • 知らない機能などは横でAWSマネジメントコンソールを開きつつ実際に確認した
    • サービス別資料、ナレッジセンター、よくある質問についても一通り読む
  2. ざっとホワイトペーパー一覧を見て、気になるものをピックアップして読む
    • DR、バックアップ、ハイブリッドアーキテクチャに絡むものは大体オススメ出来る
    • 普段はOrganizationsに所属する側なのでマネジメントとガバナンスに関するものが大変参考になった
  3. アウトプットとしてメモをまとめる
    • アウトプットにはObsidianを使い、主に出来ること、出来ないこと、リミット/制限事項、コスト、特徴的な仕様の5点でまとめていました
    • 余裕があれば連携可能なサービスを表したアーキテクチャ図とか書いてみると覚えやすいかも(HPCは馴染みが無いので少し書いてみた)
  4. 実サービスを触る
    • 座学だけで学習する術もあると思うのですが、実務に活かしたい場合は極力実サービス触ったほうが良いと思います
    • 特にOrganizationsやSystemsManagerなど機能が複雑なサービスは触ったほうが理解が早い
    • ServiceCatalogは機能自体結構シンプルですが、割と頻出だと思うので管理時/利用時の両方から理解推奨
    • 普段はTerraform派なのでCloudFormation経験が浅く、ネストのスタックを作成して試したりした (これはかなりオススメ)
    • DR想定した操作を実際に試すのもRTO・RPOシナリオ評価しやすくなるので良いと思います
  5. Udemyの模試実施
    • 見直しページの解説の読み込み
    • 模試を受けて感じた苦手なサービスや概念などの学習が必要な要素の整理
  6. 5.で整理した学習対象に対して1-4の繰り返し

試験前日

  1. サンプル問題・公式練習問題集を再度解く
    • 理解出来てそうで安心
    • 公式練習問題集念のため2回やった
  2. 最後に苦手なサービスをもう一度画面で確認
    • StorageGateway、KMS、TransitGateway、スナップショットのリージョン間コピーなどを重点に確認した

試験当日

今回の試験は14:00からでした。遅い時間だったのでギリギリまで学習したくなるところですが、
試験当日は余計に頭を使わないように追加の知識インプットは避けました。
また、何度か受けて本番時の体調と頭が働くかがマジで大事なので、今回は食事や行動も意識してみました。

  • 02:00就寝
  • 09:30起床
  • 朝食:サラダ、おにぎり、食後にマカダミアチョコ3粒と栄養ドリンク一本
  • 12:30頃:少量の水、エスタロンモカ1錠、瓶ラムネ数粒接種
  • 13:20頃:会場隣駅に到着。頭を働かせるため20分位の散歩コースで向かう
  • 13:40頃:会場前到着。少量の水、瓶ラムネ数粒接種して入場

睡眠大事。
当日は頭が回るようにぶどう糖の細かい接種と、集中&眠くならないようにカフェイン摂取を心がけた感じです。
自己責任でお願いします。

結果、50問目辺りで一度集中が切れましたが、
目薬休憩や体を伸ばして立て直して2時間50分集中してやり遂げたと言って良いかなと思います。

解答ペースしては、

  • 1周目:全問ざっと解く。
    • 自信があまり無いもの、もう一度見たいものは見直しフラグを付けてとりあえず進める。
    • 所要時間116分、見直しフラグ36問
  • 2周目:見直しフラグ付きを見直す。
    • 支給されたメモ用紙を利用して簡単にアーキテクチャ書きながら考えたりする。
    • 所要時間54分、見直しフラグ9問
  • この時点で残り10分程度。全体的にもう一回見直したかったけど時間も微妙なので終了

今回久々にピアソンVUEでしたが、ピアソンVUEは即座に結果が出るのを忘れていて、
終了押してあとはメールで結果を待つか…と思ったら速攻で「おめでとうございます」と画面に出て拍子抜けでした。

感想

機能も増えて、サービスもめちゃめちゃ増えてるので当たり前ですが、3年前より更に難しく感じました。

また、古くなったベストプラクティス知識は全体的にアップデートが必要となるので学習ボリュームが多くなる印象です。これには普段からアップデート情報を追っておいてyyyymmdd - サービス名 - ○○にxx機能が追加されたのように時系列でまとめておくと有用そうと思ったのでトライしてみようと思います。(後発のサービスは大抵何かの課題を解消するために出てきたモノが多いので、前段よりベストプラクティスになりがち)

試験ガイドに同等の内容記載が多いですが、今回問われた概念で言うとこんな感じでした。

  • RTO、RPOを満たす手段の選択
  • ストレージ、DBのコスト最適化
  • DR要件に応じた最適なストレージの選択
  • 複数組織、子会社、AWSアカウントを管理・連携・トラブルシュートする効率的な手段
  • オンプレのワークロードとAWSを活用した災害対策
  • オンプレのワークロードをAWSに再現するために最適な構成
  • CloudFrontとオリジン通信をSecureにする高度な手法
  • TransitGatewayのユースケース
  • fanoutアーキテクチャ構成
  • ハイブリッドアーキテクチャ
  • リアルタイムでデータ加工しながら可視化する方法
  • 高度なネットワークアクセス制御をアーキテクチャに適用する方法

出題サービスについては、試験後覚えている範囲でメモって見直してみましたがやはり試験ガイドに記載のサービス全てのものが列挙されたので試験ガイドに記載の通りでOKです。強いて頻出だったかなと言えばOrganizations、TransitGateway、CloudFront、DynamoDB辺りです。

試験の心構え

  • フラグが付きまくっても諦めない。(今回初めから25問目ぐらいまでで17フラグ付いてて序盤落ちたかなと思っていた)
  • とりあえず分からなかったら見直しフラグ付けて一番それっぽい解答選んで飛ばすと良い。
    • 一通り問題を見ると結構精神的に安心する
    • 「ここまでは順調」「この先の問題次第で…」みたいなプレッシャーも無くなるので何回も見る前提のが良いと思う
    • 一応解答選ぶのは万が一見直し時間取れなかった場合の保険です
  • とにかく問題は隅々まで読む
    • 基本は問題文最後の方に「最小限のコストで」や「可用性が一番高い」などの重視するポイントが書いてあることが多い
    • 「会社の要件を満たす…」などの場合は特に文中の一言一句ちゃんと読みましょう。
      • 「世界中で」や「サーバーレスアーキテクチャを」等の言葉がサラッと書かれてて意外と見落としがち
  • ハマったらW-Aやベストプラクティスを思い出す
    • これ両方行けるけど…のような問題は少なからずある
    • 問題文の表現がほぼヒントになっている事が多いが
  • 配られたメモ用紙はちゃんと活用した方が良い
      1. D? などのように他に迷った解答をメモして進めて、フラグの中でも必ず見直したい奴は30. C?☆のように目印付けて行った
    • 難問は後からアーキテクチャ書いて検討したいので極力コンパクトに使っていく
      • 用紙埋まったら挙手で交換はしてくれるっぽい

各学習リソースについての感想

上記 利用頻度=オススメ度 でほぼ間違いないです。

資料によっては最新でない可能性があるあるので併せてAWSドキュメントや実サービスで最新の仕様チェックすると良いです。

試験ガイド
何はともあれ初めに見る。特に「試験概要」「概要と内容」の確認。後半の付録には試験対象となるサービスが列挙されているので読んで試験に向けた学習イメージを付けましょう

AWSナレッジセンター
試験問題のシチュエーションに近い実践的なナレッジが多く非常にオススメです。各ドキュメントの最終更新日は良く確認しましょう。

よくある質問
ナレッジセンターと比較すると基礎的+詳細仕様も網羅的に記載されています。特に出来る/出来ないが明記されているのが便利で、主要サービスのFAQは一通りチェック推奨

AWS サービス別資料
Blackbelt。各サービスの概要・特徴が良くまとまっている日本語コンテンツでは学習の中心的な存在。試験ガイドに記載の主要サービスのものは詳しくなければ最低限チェックしましょう

AWS Skill Builderのサンプル模試
オンライン模試が20問受けられます。まずはこの模試で分からなかった事や苦手なサービスをドキュメント・ナレッジセンター・Blackbelt・実サービスで確認する。と言ったような学習イメージを付けると良いと思います。(なお、本番試験よりも遥かにシステムの出来が良いので本番もこれにしてほしい。)

AWSのドキュメント
各サービスの詳細ドキュメント、試験問題もこちらのドキュメントのナレッジに基づいたものが多いので、気になる見出しのドキュメントは事前に目を通すと良いです。また学習を進める上で分からない内容が出てきたら参照するような辞書的な使い方が効果的と思います。

AWS Well-Architected フレームワーク
AWSを活用する上で重要な概念、一般的な設計原則とベストプラクティスのガイダンスが集まっていて実際試験もこれを問われているなと感じる要素は多いです。利用頻度は低ですが、こちらも辞書的になぜ解答がこれなのか、考え方に困ったらヒントになるかも知れない。

AWS Certified Solutions Architect Professional Practice Exam
Udemyの模試4回分です。前回に続いて今回も模試のメインはこちらを活用しました。相変わらず問題の質は良く解説も丁寧で参考になります。試験を進めながら横でメモ帳に一言程度で迷ったポイントや解答を選んだ理由をメモ取りつつ、見直しの際に解説と照らし合わせて学習を進めました。その上で特に理解が足りていないサービスや仕様については公式ドキュメントや実サービスに戻って学習を進めた形です。

Ultimate AWS Certified Solutions Architect Professional 2022
UdemyのProfessional向け対策コンテンツ。各サービスの掘り下げ粒度にバラ付きがある印象。個別のサービスよりも
「High Performance Computing (HPC)」や「Comparison of Solutions Architecture」のような複合的にサービスを取り扱うコンテンツが参考になりました。ただ、講師が非常に早口で再生速度0.75にすると今度はイントネーションが気になってしまい、日本語のトランスクリプションは機械翻訳的で理解に時間がかかる等の気になるポイントがあり、個人的にはあまり使いませんでした。最終的にコンテンツの消化率は30%程度です。

AWS認定資格試験テキスト&問題集 AWS認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル
プロフェッショナルにも日本語の参考書が出ていてせっかくなので購入してみました。初学者や久々に触る人等が体系的にどんなサービスだったっけと理解するためには良い印象。ただこちらの参考書だけで合格出来るかというとなかなか厳しいかなと思います。参考になるページもありましたが全体的にはもう一歩深い仕様が知りたい手前で止まってしまう解説が多く、全体を一読だけして最後の模試を中心に活用しました。模試はオリジナリティ高いですが結構良い内容でした。

現行試験SAP-C01と新試験SAP-C02について

さて、現行試験は前述の通りRetired予定となっており、2022/11/15から新試験(SAP-C02)に移行されるようです。
参考:近日公開の AWS 認定

SAP-C02の試験ガイドとサンプル模試が既に公開されていたため学習の合間にチェックしてみましたが、試験対象となるサービス範囲が1.5倍ぐらいになった印象ですね。カテゴリ別も大きく変更されていました。

サンプル模試についてはSAP-C01相当の問題も比較的出題されましたが、App RunnerやTimestreamなど全く触って無いものが出題されて時代を感じました(なお、漏れなく誤答した)

おまけ

実は今回、業務の都合で期限内に更新が間に合わず一度期限切れとなっています。
てっきりCredlyのデジタルバッジのExpiredが消えるものかと思ったら別扱いになるようでProfessional表示が2個に増えました。
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