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【Agile Japan 2023 参加レポート】 開発以外へのアジャイルの適用についてまとめてみた

Last updated at Posted at 2023-11-24

こんにちは!Qiita初投稿のベーシック安永です。
今回はAgileJapan2023に参加しての感想などを書きたいと思います。

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公式サイト:https://2023.agilejapan.jp/

自己紹介

私はベーシックというシステム開発の会社にて、様々なお客様に向けてスクラム開発や内製化のご支援などに携わらせて頂いてます。

また、社内では他の開発スタッフへのアジャイルの普及のための勉強会の開催や、他プロジェクトのふりかえりのファシリテーション支援などの草の根活動でアジャイルに触れる機会を設けたりを経て、現在 社内の事業の進め方へのアジャイルの要素の適用に向けて活動しております。

久しぶりに参加してみて気づいた「視点」の違い

AgileJapanについては以前参加したのが10年前で、今回が久々の参加でした。

久々の参加で気づいたのは、登壇者の発表や、参加者からの質問から見えた視点の違いです。

前回参加当時
アジャイルな開発をするために
「どのようなプラクティスを組み入れてやってみた」
というような開発視点の話題が多かった

現在
開発を進めるためではなく
「開発チーム周辺だけではなく、いかに企業や事業全体をアジャイルに対応させるか」
という事業視点の話題が多かった

ここから、日本のアジャイルは数年で浸透・進化していて、
「開発への適用の取り組み」の段階から、開発以外の「事業や組織への適用」の段階に進んでいると感じました。

講演まとめ

今回は、開発以外へのアジャイルの適用の部分に注目して、各講演を振り返りながらまとめていきたいと思います。

ソフトウェア開発のアジャイルとは異なり、自動車の車両をアジャイルで作るというのは、色々な部品供給サプライヤーを巻き込んだり、自動車工場で色々な車種を扱う中でのスケジュールも関係してきたりと、様々な課題がある上でも、実現にむけて、できるところから挑戦しようとしている。

(ウーブン・バイ・トヨタ株式会社の松山さんの講演より)

最初に少人数でアジャイルチームをまずつくり、経営とも壁打ちをしながら再設計を繰り返し、経営を含めてスクラム・リーン・SAFeでの会話ができるように理解を深めたり、社内普及を進めて、現在は総務部の方もDXを意識してプロダクトオーナーとして動ける状態になっている。

(株式会社テプコシステムズの張さんの講演より)

開発ではなく、イベントを外部公開するチームのプロジェクト遂行にスクラムを適用し、運営全員で、プロダクトオーナー、スクラムマスター、メンバーをチェンジしながら担当してスクラムの実践の場としている。

(株式会社SHIFTの谷川さんの講演より)

スクラムは、プロダクトの開発だけではなく、フィードバックのマイルストーンや、販促・プロモーションなどの開発以外の部署も巻き込んで、アジャイルのサイクルの中にどのようなバランスで組み入れていくべきかが重要である。

(株式会社witch&wizardsの森さんの講演より)

都庁では、デジタルサービス局が中心となり、アジャイル開発の事例やパターンをまとめて、内外へ発信している。

公務員は組織を重んじるような風土を感じるが、実際にデジタルサービス局の周辺はかなりフランクなコミュニケーションがとれるようになっていて、部分的ながらアジャイルに動ける組織になってきている。

(都庁の下家さんの講演より)

アジャイルを4つの段階に分けることができる。

  • マインドセットとしてのアジャイル
  • チームで仕事をするためのアジャイル
  • プロダクトを作るためのアジャイル
  • 組織のためのアジャイル

ソフトウェア開発のアジャイルのままでは他の業務にはフィットできない。組織をアジャイルにするには、日本の古き企業文化(最適化・効率化)がアジャイルの柔軟さに対する阻害要因になっている。

1本道ではないので、根気強くトライ&エラーで少しずつ進んでいくしかない

(株式会社レッドジャーニー代表市谷さんの講演より)

最後のクロージングの時の、ScrumIncのAviさんやJJさんのテーマは
「日本文化におけるアジャイルへの道」でした。
(今回のAgileJapanのための書き下ろしテーマだそうです、感謝。)

日本の「ビジネス文化」のどの要素がアジャイルに適さない?(参加者への質問形式)

  • 承認を求める
  • プランに完璧を求める
  • 合意がないと進まない
  • 年功序列
  • 衝突を避ける

顧客は、修理屋さんが使う工具とかって、どうでもいいでしょ?
顧客大切なのはスクラムという道具ではない。彼らの視点で、彼らの持っている課題について話すことだ。
我々は、スクラムという用語を一切使わず、「優先順位が高いものが終わったら最高じゃない?」「課題が見えて、解決できる仕組みってあったら最高でしょ?」と話す。

(ScrumIncのAviさん、JJさん、Chloeさんの講演より)

今回の気づき・学び

今回の参加で、日本へのアジャイルの浸透が進んでいることを改めて体感しました。

先述のアジャイルを開発以外に適用するという視点の違いに感じた他にも、
各ブースの方や参加者の方と雑談させて頂いた際に、我々ソフトウェア開発会社の人と同じくらい、事業会社で自ら内製で開発を進めているという方が多く、自分たちですでにアジャイルを適用した上で、まわりに波及・適用させるというステージで悩んでいる方が多い印象をうけました。

また同時に、今回のような、似た悩みを持つ方が集まる社外コミュニティでの連携について重要性を再認識しました。

まとめ

  • 日本へのアジャイルの浸透が進んでいる
  • 開発以外に「事業や組織への適用」の段階に進んでいる
  • 今回の様なイベントなどの社外コミュニティでの連携の重要性

AgileJapan2023に参加して、色々な気付き、良い刺激を受けることができました。AgileJapan関係者の皆様に感謝します。
私や、一緒に参加したみんなも、今回得た色々な学び・刺激を、今後一緒に活かしていければと思っています!

AgileJapan2023に一緒に参加した北國FHD/デジタルバリューのおくむらさん、自社のふくしまさん、たはらさんの記事ももしよかったら見ていってください!

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