8
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

組織にアジャイルを宿す為に必要なこと (Agile Japan 2023 参加レポート)

Last updated at Posted at 2023-12-01

はじめに

こんにちは、ベーシックの田原です。
2023/11/16~2022/11/17の二日間にて開催されていたAgile Japanに初めて参加してきました。
logo.png
(Agile Japan2023公式サイト:https://2023.agilejapan.jp/)

今回この記事では、初のAgile Japan参加の感想に加え、その中で個人的に印象に残ったセッション内容について抜粋して書ければと思います。

この記事の対象者
・「Agile Japan2023」イベント参加の様子を知りたい方
・組織にアジャイルを宿す、広めることについて悩んでいる方

初参加のAgile Japan

今年が初参加であり、初日はオンライン参加、二日目は現地で参加しました。
初日はオンライン参加でしたが、今回はオンラインコミュニケーションツール「Miro」が活用されており、自己紹介コーナーや各講演の感想、質問コーナーを多くの方が利用して盛り上がっていました。

miro活用の様子.png

(Agile Japan2023 Miro活用の様子)

更には講演以外の時間では昼時間等でスポンサー様のオンラインブースも画面に映して下さり、オンライン参加の方も会場の雰囲気を感じ取れてるようにして頂けておりました。

そして現地で参加した際は年齢や業界問わず様々な参加者の方が見受けられ、
講演や各ブースを通してアジャイルの適応について関心が高まっていることが伺えました。

今回は、その中でも個人的に印象が残っている下記のお二人の講演について簡単に内容を載せていければと思っております。

・「アジャイルとは誰のためのものか」(株式会社レッドジャーニー 市谷 聡啓様)
・「ウォーターフォール開発の中でアジャイル組織運営を広げていく」(ニッセイ情報テクノロジー株式会社 小泉 岳人様)

(Timetable:https://2023.agilejapan.jp/timetable_day2/)

組織へのアジャイルの適応

今回ご紹介するセッションは、両方とも組織へアジャイルを広める、又は宿す為に必要なことについてのお話でした。
丁度こちらの2つのセッションが続けて実施されており、内容も綺麗に繋がっていた為、非常に分かりやすく感じられました。

アジャイルとは誰のためのものか

市谷様のセッションでは、まずアジャイルには4つの段階に分けられており、
その中でも組織へアジャイルを適応することが最も難しいと述べられていました。

アジャイル・ハウス
3F:組織そのもののための「アジャイル」(★セッションの対象)
2F:チームで仕事するための「アジャイル」
1F:プロダクト開発のための「アジャイル」
基礎:マインドセットとしての「アジャイル」

適応の難しさの主な理由として、組織の効率性と最適化が挙げられていました。

組織の構造、役割、業務、技術、意思決定に⾄るまで「効率性」に最適化する

⽇本の伝統的な組織の現状として効率への最適化が求められ、度を過ぎた最適化が思考停止になり得るとのことでした。

いきなり最適化するのではなく、探索と適応を繰り返し、その中で得られた学びをもとに効率性を高めていく必要があります。

探索 = 状況をよくみる、仮説を立てる、施行や検証を行う
適応 =結果から学びを得る、次に向けた判断と行動を変える
最適化 =勝ち筋を固める(効率性を高める)

では、実際に組織に宿すにはどうしていくべきか。
「致命的な失敗(二度とやらない流れ)」を避けるために小さなプロジェクトから始め、自組織に適した方法を模索する。
その自組織に適した方法を組織内のモデルケースにして、その展開自体をアジャイルとして探索と適応を繰り返す。
そうして繰り返しながら徐々に組織にアジャイルを宿していく必要があるのだと述べられてました。

非常に為になる話が多かったのですが、このセッションの中で特に印象に残ったのは最後の言葉。

誰かのためではなく「⾃分」も含めた「みんな」で捉える

「誰かのためにやる」という他人事で捉えてしまうと独りよがりのアジャイルとなってしまいます。
そうではなくて、自身も含めることで 「みんなにとってのアジャイル」 となり、それが 「芯」 となる。
その言葉をもってこのセッションを締められました。

ウォーターフォール開発の中でアジャイル組織運営を広げていく

小泉様のセッションでも同様に組織への適応の難しさを序盤で述べられていました。
ウォーターフォール組織をアジャイル組織に変えていく為、社内で下記のような取り組みを実施したとのこと。

・社内でガイドを作成し、アジャイルコミュニティの作成、アジャイル勉強会を続ける
・他部署のふりかえりや目標設定のワークショップの支援
・お客様や他事業部と共にビジネスできないか、共創を模索

継続はするが、社内で広がっていない。
単発では評価が高いものの続かない。
総論は賛成なるも、いざ実施となると相手との探り合いとなり、思ったように進まない。

この組織内でうまく広がらない様子を下記の一言で表していたことが今でも頭の中に残っています。

時々、砂漠で水をまいているような気がしてしまう・・・

上記を話していた際、周囲で聞いていた人たちも同じ気持ちだったのか非常に頷きがあり、今回コミュニケーションツールとして利用されていたMiroでも、この言葉に共感する人たちが沢山いました。
それだけ参加者の方々が同様に社内で広めることに苦労していることが伺えました。

また、社内に広まらない理由として、各々が自身の仕事で忙しいからであり、
仕事の優先度が 「緊急度」 に寄ってしまうことが一因であると述べられていました。
「緊急度」ではなく、「重要な仕事に注力する(重要度)」 で決める必要があり、重要度はゴールとミッションに合っているかで決める必要があるとのこと。

重要度はゴール、ミッションに合っているかで選ぶ!

そして、ゴールとミッションを設定する為には 「芯 (共通の意図)」 が必要であるとのことでした。
芯という言葉は市谷様のセッションでも最後の締めに使われており、続けてセッションを聞くことで芯の必要性について感じられました。

さいごに

「Agile Japan2023」イベントの初参加の感想と、その中で個人的に印象に残ったセッションについてお話いたしました。

今回、オンサイト会場で同じ参加者の方々と会話し、アジャイルへの関心の高さと熱意が感じられ、非常に良い刺激を受けました。
スポンサー様のオンラインブースやMiroの活用等も含め、オンサイトとオンサイト両方の参加者にとって非常に意義があると感じられるアジャイルイベントであったと思います。
講演者ならびにイベント関係者の皆様、そしてイベントを盛り上げた参加者の皆様に改めて感謝いたします。

今回得た学びや刺激を活かし、今後も活動を続けていければと思います!

おまけ

今回お話したセッションやそれ以外のセッション含め、講演資料を公開して頂いております。
どの講演もとても為になる内容の講演であったので是非ご覧ください。
(セッション動画は参加者限定にて別途公開して頂けるとのことです)

・講演資料
公開済みのものはタイムテーブルよりご確認いただけます。
https://2023.agilejapan.jp/timetable_day1/
https://2023.agilejapan.jp/timetable_day2/
小泉様のセッションにつきましては下記にて公開して頂いております。
https://www.docswell.com/s/Insurtech-lab/59878W-2023-11-17-064407

8
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
8
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?