USBオーディオは1.0とハイレゾに対応した2.0があります。ここでは1.0の事を書いています。
自作派のUSBオーディオで音を良くする方法は以下のようなものがある。
- クロックを安定した精度の良い物にする
- セルフパワーにして安定した電源にする
- コンデンサーなどのパーツを良い物にする
USBからI2S(SPDIF)への変換部分をDAIといいI2SなDACと組み合わせて使います。
- PCM2704などのDAIとDAC一体のものを使う
- DAIとDACを別々に用意する
TIのPCM2704などは以前は秋月でもパーツの取り扱いかがあったのですが、TIが小売におろさなくなったんで、入手しづらくなっています。キットはまだあるようですが、これがなくなると一段と入手が難しくなるかもしれません。
DAIはAmazonなどでTE7022やCM6631Aを使ったものが入手可能ですが、ちょっと高いです。
ハンダ付けが難しいの、あまりお勧めではないのですが以前CP2114が若松にあって、探してもらったのですが、もうなくなってしまったようです。後継のCP2615は入手難しいそうです。
PCM2704にはI2SはありませんがSPDIFはあるので、SPDIFなDACに接続する方法もあります。ミニコンポなどでSPDIFの入力がある場合にはそれを使ってみるのも良いかもしれません。
I2Sはデータだけの転送ですが、SPDIFはコピープロテクトなどの属性情報も一緒に送られてます。
TIのPCM2706にはI2Sがあり、DACに接続できます。以前はAitendoに在庫がありましたが、もうなくなってしまったようです。
PIC32MXでDAIを作ったりもしています。私は試してないですが、Raspberry Pi Picoで作れるようです。
DACはTIのPCM5102Aや旭化成のものがあります。旭化成のものは一般販売はみかけませんが、古い家電などで使われていたものをヒートガンで剥がして使っています。高級路線でESSも有名ですがチップは一般には出回ってません。昔秋月で取り扱っていた、倒産した新潟精密のDACも最後にいくつか買えたので持っています。
旭化成は延岡の工場が2020/10の火災で焼失したので、これ以降はあまり作ってないようです。
後はWolfson,CIRRUSなどのチップがありますが、入手が難しいです。WolfsonはCIRRUSが買収しました。
今のDACはオーバーサンプリングのタイプがほとんどですが、古いNOSと呼ばれるDACの方が音が良いという人もいます。
DACでは出力段でオペアンプが必要なものと、必要ないものがあります。オペアンプは正負の電源が必要なものが一般的です。単電源で使えるものもありますが、正負の電源をどうやって作るかも音質に関わってくると思います。昔はオペアンプと言うと+-12Vな電源を使っていましたが、最近は+-5Vでも十分だったりします。私は「須津技術研究所」さんのページを参考にしてオペアンプを使った電源回路を使っています。
オペアンプは一個数十円から五千円くらいのまであり沼なので気を付けて下さい。
クロックはDAIで使われます。水晶発信子を使ったものより、水晶発信器の方がよく、また水晶発信器でも温度補償(TCXO)のものが良いようです。
ほとんどのDAIは12MHzのクロックからPLLでオーディオ用のクロックも作ります。CP2114ではUSBとオーディオ用のクロックを別々に付ける事ができます。
I2Sの場合はDAIのクロックでDACが動くので大きく影響しますが、SPDIFの場合はDAC側でもクロックを持つのでDAI側のクロックの影響は少ないと思います。ただクロックを二つ持つことになるので処理が複雑になり、I2Sに比べるとSPDIFは不利だと思われます。
セルフパワーにするための電源はスイッチングタイプのアダプタよりトランスを使ったもののほうが良いという話もありますが、スイッチングタイプでも、ものによっては十分という話もありました。
USBオーディオではありませんが、JJYの受信機の電源でスイッチングよりトランスの方が安定します。そうじてスイッチング電源はノイズが多いのかもしれません。
コンデンサーに良し悪しは影響ありそうですが、平滑化のダイオードでも音が変わるというページもありました。
トランスタイプの場合は定圧回路が必要になります。
バスパワーからセルフパワーに変更した場合は、USBのディスクリプタも変更が必要ですが、変更しなくても問題ないです。変更はEPROMを付けてディスクリプタを入れておく方式やピンにより設定できるものとかがあります。
WolfsonのDACがお気に入りなのですが、若松や共立で取り扱いがありますが、高価なので二の足を踏んでいます。Wolfsonが使われた製品はいろいろ持っています。Cirrus Logicに買収されてからのチップは知りません。Wolfsonはスコットランドの会社で自分がモルト好きなのも関係してるかもしれません。
USB Audioはアイソクロナス転送なのですが、特殊なアイソクロナス転送を行う機器もあるようです。
USBチップが48Kと44.1Kに対応している場合は、ソース合わせて変更すると、ホスト内での周波数変換がへりよいかもしれません。
USBケーブルでも音が変わるというような情報もありますが、私はまったく分かりません。
安価にいじれて、お金にならないので、いまいち盛り上がってない感じもしますが、いろいろ試してみるのは面白いです。
自作はオカルトにお金を貢よりいいです。
ハイレゾやDSDには貧乏なので手を出しません。ハイレゾのUSBモジュールからSPDIFでオーディオにつないでいる記事がありあましたが、SPDIFではハイレゾは送れないので、まったく意味がないと思います。
今は極端な半導体不足ですが、将来買えなくなるかも知れないので、買えるうちに買っておくのがよいかもしれません。ゴーストを信じて判断してください。
音がいいとか悪いとかは、すぐには分からないですが、しばらく聞いているとなんとなく分かってくるような気もします。
高校の物理の先生がオーディオマニアで、実験室がレコードだらけで、何度かお邪魔させてもらいました。あいう豪気な事はいまは出来ないですね。