1. はじめに
Db2サーバーのIDを用意してもらってそれに触れるとき、コマンドを実行するための環境（クライアント環境）をどのように準備するのかわかりにくい、という方向けの記事です。Db2のコマンドを実行するためにCLP(command line processor)と呼ばれるインターフェースを使うことができます。プロンプトがdb2 =>と表示されるもので、読者の方は既にご覧になったかも知れません。
Db2 CLPを使うとDb2 on CloudやDb2 Warehouse on Cloudといったクラウド上のデータベース・サービスにもアクセスして、SQLを実行できます。Windows環境にDb2 CLPを導入するとき、迷うことは少ないです。しかしその導入パッケージの入手方法についてDb2マニュアルを読むと、IBM Support Fix Centralでダウンロードできると書かれているだけです。Fix Centralでどのように指定すれば導入パッケージを入手できるのか、私にはちんぷんかんぷん（死語？）でした。
本記事の目的はDb2 CLPを導入できるパッケージの入手方法を説明することです。またDb2 CLPをWindows環境に導入した後に私が遭遇したエラーと対応方法を説明します。
本記事の目次は次の通りです。
- はじめに
- 手順実行の前提
- 参考資料
- 手順概要
- 手順
- エラー例
2. 手順実行の前提
次の情報と実行環境が必要です。
- IBM ID（Db2 CLPの導入パッケージをダウンロードするとき使用）
- 持っていない方はQiita記事（IBMidを作成してみる）をご覧になって作成してください。
- Windows環境とそのAdministrator権限を持つユーザー
- 本記事ではWindows 11を用いますが、Windows 10でも同様です。
3. 参考資料
- IBMマニュアル
- IBM Data Server Client and driver types
- Installing IBM data server clients and drivers (Windows)
4. 手順概要
- Db2 CLP導入に使うパッケージを決定
- Data Server Runtime Clientの導入パッケージを取得
- Data Server Runtime Clientを導入
- Db2 CLPを起動
5. 手順1) Db2 CLP導入に使うパッケージを決定
マニュアルの次の説明にしたがってパッケージ【IBM Data Server Runtime Client】を使うことにします。
-
https://www.ibm.com/docs/en/db2/11.5?topic=clients-data-server-client-driver-types
IBM Data Server Runtime Client
To have command line processor (CLP) support and basic client support for running and deploying applications, use the IBM Data Server Runtime Client.
5. 手順2) Data Server Runtime Clientの導入パッケージを取得
次のURLを開いてFix Centralに移動します。
https://www.ibm.com/support/fixcentral/
Fix Centralの画面で次のようにタブとプルダウンメニューを選択してContinueボタンを押します。
遷移した画面でデフォルトのままContinueボタンを押します。
遷移した画面でRecommended group: DSClients-115-ntx64-RECOMMENDEDを選択します。次にContinueボタンを押します。
遷移した画面にIBM idを入力してContinueボタンを押します。
遷移した画面でv11.5.8_ntx64_rtcl.exeをクリックしてダウンロードします。
Windowsエクスプローラーでダウンロードしたv11.5.8_ntx64_rtcl.exeが存在することを確認します。
5. 手順3) Data Server Runtime Clientを導入
導入パッケージ v11.5.8_ntx64_rtcl.exe を実行します。
その後はポップアップで表示されるデフォルト設定のまま【次へ】ボタンを押して進みます。
セットアップ完了のポップアップが表示されて、導入が終わりました。
5. 手順4) Db2 CLPを起動
Windowsのスタートボタンを押して、【すべてのアプリ】を押します。
【IBM DB2 DB2COPY1（デフォルト）】を押して、次に表示される【DB2コマンド行プロセッサー】を押します。
Db2 CLPが表示されました。
6. エラー例）DB21061E コマンド行環境が初期化されていません。
Windowsのターミナル(PowerShell)でdb2コマンドを実行するとエラーが表示されます。
PS C:\Users\xxxxxxxx> db2
DB21061E コマンド行環境が初期化されていません。
Windowsのコマンドプロンプトでdb2コマンドを実行しても同じエラーが起きます。
C:\Users\xxxxxxxx>db2
DB21061E コマンド行環境が初期化されていません。
解決策は手順4の画面コピーに表示されている【DB2コマンドウィンドウ】を実行して、そのウィンドウでdb2コマンドを実行することです。
