はじめに
mcpサーバが最近話題で、AWSが公開しているOSSの一部として「AWS MCP Servers」が提供されています。
AWSドキュメントの検索や構成図を作成できたりといろいろあります。
今回CloudFormationのMCPサーバを使うと、AIやエディタから簡単にAWSリソースを作成・管理できるようになります。
MCPサーバとは?
- AIに"道具"を持たせるための標準プロトコル(AI用USB-Cポートのようなもの)
- これを使うとAIが外部ツール(AWSやファイル操作、API呼び出しなど)を自在に使えるようになる
- MCPはAnthropic社が提唱したオープンな規格で、ClaudeやCursor、VS Code拡張など多くのAIツールが対応し始めている
つまり、MCPサーバは「AIと外部ツールの橋渡し役」。AIが魔法の杖を手に入れるための標準インターフェースです。
特に、CloudFormation MCPサーバ(awslabs.cfn-mcp-server)は、AWS CloudFormationのテンプレートを使って、1100種類以上のAWSリソースを手軽にデプロイできるのが特徴です。
この記事では、MCPサーバの基礎知識がない人でも分かるように、CursorエディタでCloudFormation MCPサーバをセットアップし、AIと連携してAWSリソースを作成する手順を解説します。
MCPサーバの全体像とメリット
- AIに「AWSリソース作成」「ファイル操作」「API呼び出し」など様々な"道具"を後付けできる
- MCP対応AI(ClaudeやCursorなど)なら、MCPサーバを設定するだけで新しい機能をすぐ使える
- AWS公式のOSSなので安心して使える
前提・準備
MCPサーバを使うには、以下の準備をしていきます。
- AWSアカウント
- awslabs.cfn-mcp-server@latest の実行環境(Macの場合はuvやDockerが便利)
- Cursorエディタ(Claude Desktopでも可)
MCPサーバを使用するために、uvをインストール(Mac例)
なぜpipxとuvを使うのか?
- pipxはPython製CLIツールを「グローバルに安全に」インストールでき るコマンドです。システムのPython環境を汚さず、依存関係の衝突も防げます。
- uvは高速なPythonパッケージマネージャ兼実行環境で、MCPサーバのような最新ツールのインストール・実行に最適です。
- これらを使うことで、MCPサーバのセットアップが簡単&トラブルが少なくなります。
なぜmcpサーバを立てるのにuvを使うのか?
- MCPサーバは依存パッケージが多く、従来のpipだとインストールや実行時にエラーが出やすいですが、uvは依存解決が高速かつ堅牢なので、MCPサーバのような最新・複雑なツールでも安定して動かせます。
- uvはPython 3.10以降の新しい環境にも強く、公式でも推奨されています。
- pipxのインストール
brew install pipx
- uvのインストール
pipx install uv
※Dockerで動かす場合は公式ドキュメントを参照してください。
CursorでMCPサーバを設定する
CursorエディタからMCPサーバを使うには、設定ファイルにMCPサーバの起動コマンドを登録します。
- Cursorの「基本設定」→「Cursor settings」→「MCP Tools」→「New MCP Server」ペンのアイコンをクリック
- 下記のように設定(CloudFormation MCPサーバ用の例)
{
"mcpServers": {
"awslabs.cfn-mcp-server": {
"command": "/Users/{USER}/.local/bin/uvx",
"args": [
"awslabs.cfn-mcp-server@latest"
],
"env": {
"AWS_PROFILE": "{PROFILE}"
},
"disabled": false,
"autoApprove": []
}
}
}
- USER:使用者のディレクトリ名
- PROFILE:AWSのプロファイル
AIと連携したAWSリソース作成の流れ
MCPサーバとAI(Claudeなど)を組み合わせると、AWSリソースの作成がとても簡単になります。ここでは、実際の流れをステップごとに解説します。
1. CursorにAWSリソース作成を依頼
まず、AIに「どんなAWSリソースを作りたいか」を具体的に伝えます。プロンプトはできるだけ詳細に書くのがコツです。
作成する前はS3バケットがありません。
プロンプト例:
my-unique-bucket-2025-exampleというS3バケットを作成して。下記の値を設定して
バージョニング:有効
上記のような要件に合わせてS3を自動生成してくれます。
2. リソース作成状況の確認
この工程はコンソールを確認すれば済む話ですが、せっかくなのでプロンプトを投げてみます。本当にできているかどうかや複雑なリソース作成の場合時間がかかので、リソースの作成状況を確認してみましょう。
プロンプト例:
my-unique-bucket-2025-exampleの作成状況を教えて
コンソールから確認してみましょう。
作成されていることがコンソールからも確認できました。
3. リソースの削除
最後に作ったリソースを削除していきます。プロンプトでお願いすれば、リソースを簡単に削除してくれます。
プロンプト例:
my-unique-bucket-2025-exampleを削除して
コンソールを確認し、削除されていることが確認できました。
まとめ
MCPサーバとAI(Claudeなど)を組み合わせることで、AWSリソースの作成・管理がとても手軽になりますね。
- MCPサーバ経由で手軽にAWSリソースをデプロイできる
- 手作業のミスやコピペ作業が激減
最初は戸惑うかもしれませんが、一度流れを掴めば、インフラ構築が驚くほど効率化します。困ったときはAIや公式ドキュメントを活用しつつ、どんどん試してみてください!