10
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

データ分析討論会のすゝめ

Last updated at Posted at 2024-12-24

▼ご挨拶

本記事をご覧頂きありがとうございます。
こちらはシーエー・アドバンス Advent Calendar2024の18日目の記事になります。

私の前回の記事はこちら:point_down_tone1:
tableauを使って推しが総選挙10位内に入るためのデータ分析してみた

▼目次

はじめに
データ分析討論会のメリット
データ分析討論会の手順
まとめ

▼はじめに

業務でレポートを作成していると、よく異常値に出会うことがあります。

異常値とは
他のデータと比べて大きく異なっている値のこと。データの中で「なんか変だな」と感じるような値。

業務で異常値を発見した際、その原因について仮説を立てず、やみくもに調査を始めてしまうと、以下のようなデメリットが発生します。

  • データの収集や分析が非効率的になりがち
  • 無駄に多くのデータを収集し、分析が複雑化
  • どの方向に進むべきか分からず、分析が迷走
  • 結果として、時間とリソースが浪費されてしまう
  • 分析結果が得られても、具体的な行動や意思決定に結びつけにくい

これらのデメリットを防ぐために、異常値に対して、ある程度仮説を立てて調査を進めることはとても重要です。
仮説を立てることで、必要なデータが明確になり、具体的な意思決定に辿り着きやすくなります。

そこで今回は、仮説を立てるための訓練として、データ分析討論会の開催を提案する記事を作成しました。

データ分析討論会とは
データ分析に関連する様々なテーマについて議論や意見交換を行うこと。

▼データ分析討論会のメリット

データ分析討論会には、大きく分けて3つのメリットがあります。

1.多様な視点の獲得

異なる考えや意見、知識を共有することができるため、データに対する多様な視点や解釈を得ることができます。個人では気づかない洞察や仮説を発見することができます。

2.批判的思考の促進

他の参加者との議論を通じて、自分の仮説や解釈に疑問を持ち、批判的に考える力が養われます。これにより、データ分析の精度が向上し、より信頼性の高い結論を導くことができます。

※批判的思考…物事をそのまま受け入れるのではなく、疑問を持ち、自分の頭で判断する力。簡単に言うと、「本当にそうなのか?」と考える力

3.コミュニケーションスキルの向上

データ分析における考えを相手に分かりやすく伝える練習を通じて、プレゼンテーション能力やコミュニケーションスキルが向上します。

▼データ分析討論会の手順

実際に投稿者と上司の2名で行った模擬討論会を基に、データ分析討論会の手順を説明します。

①討論するテーマを決める

今回は、例として日本プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」のB.LEAGUE IN DATA ~データで見るB.LEAGUE~から「チーム別平均入場者数」のデータを引用し、「琉球(ゴールデンキングス)の平均入場者数'7746'人を異常値として、琉球(ゴールデンキングス)はなぜ平均入場者数が全国1位なのかについて討論会を行いました。図は、B.LEAGUEにおけるチーム別1日平均入場者数になります。

スクリーンショット 2024-12-19 115152.png
図:B.LEAGUEチーム別1日平均入場者数(2023‐24シーズン)※B1のみ

※補足
琉球(ゴールデンキングス)…沖縄県のプロバスケットボールチーム

②仮説を出し合う

テーマが決まったら、データを基に仮説を出し合っていきます。
仮説を出す際のポイントを以下にまとめました。

・データを俯瞰して見るようにする

広い視点で見ることで、全体の傾向やパターンを把握することを意識します。見落としている情報や、新たな視点がないかを探ります。

・複数の仮説を立てる

一つの仮説に固執せず、データの多様な解釈を探ります。多角的に分析し、最も適切な仮説を選択できるように、なるべく多くの仮説を出します。

・明確で具体的な仮説を立てる

具体的な現象や関係性に基づいた仮説を立てるよう意識します。データから得られる情報をもとに仮説を立てるようにします。

               ~以下、討論の内容~

:琉球の次に入場者数が多いのはA東京の6012名ですが、東京は沖縄より人口が多いにも関わらず、琉球が1700人以上も差を広げて平均入場者数が多いですよね。人口比で見ても「沖縄のバスケに対する注目度が高い」というのがわかりますね。

上司:たしかに人口比で見ると、印象が変わりますね。それと沖縄は、東京に比べて「娯楽が少ない」印象があるため、それも要因の一つだと感じました。東京ってバスケ以外にも、野球やサッカーなど、その他の娯楽も多いイメージがあります。娯楽が分散されているため、結果2位に留まっているのかもしれません。

:その視点はなかったです。確かに、東京に比べると沖縄は娯楽が少ないですね。

上司:あとは、沖縄で暮らしていると琉球(チーム)の名前をテレビやコンビニの商品などでよく見かけます。生活の中にチームが馴染んでいて、県民の身近な存在になっているので、バスケに縁がない人でも「観戦に行ってみたい」と思える環境があるのかなと思いました。またそれだけ宣伝にお金をかけられるということは、予算が豊富な証拠ですし、スポンサーが多く着いているのかなとも思いました。

こんな感じで、討論を進めていきました。
仮説をまとめると以下のようになりました。

仮説一覧
- 広告・宣伝に力を入れている
- スポンサーが多く広告・宣伝の予算が多い
- 東京(大都市)に比べて、娯楽が限られている
- 他県では、バスケ以外のスポーツが盛んである(野球やサッカーなど)
- イベントや映画などのコンテンツの影響(2023年に開催されたバスケのWCで、沖縄が日本の開催地に選ばれたり、有名なバスケット映画で主人公が沖縄出身の設定であったりなど)
- 仲間意識の強い「県民性」
- シンプルに強くて、応援のしがいがある
- アメリカ文化の影響で、バスケの注目度が高い
- バスケの競技人口が多く、注目度が高い

③仮説を裏付けるために必要なデータを整理する

最後に、②で出てきた仮説の中から、実際にデータを使って確認できそうな仮説に絞り、裏付けるために必要となるデータを整理します。整理した内容は以下になります。

裏付けに必要なデータ
- 各都道府県の人口
- 各都道府県のバスケの競技人口
- 各都道府県の野球・サッカーのスタジアム入場者数
- 各チームのスポンサー数
- 各チームの歴代の優勝数、決勝進出回数などの実績 等

以上が、討論会の基本的な流れです。
今回はあくまでも「討論」がメインなので、その後の調査・分析までは実施しませんでした。
実際は整理したデータを収集し、必要な数値を可視化した後、更に分析を進め、原因の特定から意思決定まで持っていく流れになります。

▼まとめ

討論会のメリットと手順を以下にまとめました。

データ分析討論会のメリット

  • 多様な視点の獲得
  • 批判的思考の促進
  • コミュニケーションスキルの向上

データ分析討論会の手順

1.討論するテーマを決める ※練習なので直接業務に関係なくてもOK
2.仮説を出し合う
3.仮説を裏付けるために必要なデータを整理する

「2.仮説を立てる」際のポイント

  • データを俯瞰して見るようにする
  • 複数の仮説を立てる
  • 明確で具体的な仮説を立てる

皆さんもぜひ、データ分析討論会を実施してみてください!

10
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
10
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?