この記事は AIHubMix が作成しました。計測はすべて 2026年10月19日に AIHubMix 経由で行ったものです。各設定3回ずつの小さなサンプルなので、細かな差はばらつきの範囲として読んでください。
TL;DR
- 2つのバグを含む Python 関数を3モデルに修正させ、215件の隠しテストで判定しました。全12回、すべてのテストに合格しています。
- デフォルト設定での1回あたりの結果は、Claude Haiku 5.5 が約7秒・0.0007ドル、DeepSeek V4.1 Flash 1017 が約15秒・0.0014ドル、MiniMax M3.1 Flash が56秒・0.0045ドルでした。
- MiniMax M3.1 Flash は
reasoning_effort: "low"にすると9.5秒・0.0006ドルまで下がり、今回のテストで最も安い構成になりました。 - このタスクでは、トークン単価よりもデフォルトの思考レベルが請求額を左右しました。
比較した3モデル
| MiniMax M3.1 Flash | DeepSeek V4.1 Flash 1017 | Claude Haiku 5.5 | |
|---|---|---|---|
| AIHubMix のモデル ID | minimax-m3.1-flash | deepseek-v4.1-flash-1017 | claude-haiku-5-5 |
| 入力 / 出力(100万トークンあたり) | $0.165 / $0.66 | $0.155 / $0.62 | $0.10 / $0.50 |
| キャッシュ読み取り(100万トークンあたり) | $0.0165 | $0.0031 | $0.01 |
| コンテキスト / 最大出力 | 1M / 512K | 1M / 384K | 1M / 128K |
| 入力の種類 | テキスト・画像・動画 | テキスト・画像 | テキスト・画像 |
| 思考をオフにできるか | できない | できる | できる |
| デフォルトの思考 | max | オン | medium |
| オープンウェイト | まだない | あり(MIT) | なし |
価格は2026年10月19日時点の AIHubMix の定価です。補足が4点あります。
- AIHubMix では10月19日から25日まで DeepSeek V4.1 Flash 1017 が30%オフですが、上の表には反映していません。
- Haiku 5.5 はプロンプトが10万トークンを超えると、価格が 0.50 / 2.50 ドルに上がります。
- DeepSeek の公式 API はピーク時間帯に価格が2倍になります。AIHubMix の価格は1種類だけです。
- M3.1 Flash の動画入力は MiniMax のドキュメントに記載があります。AIHubMix では現在、テキストと画像のみが掲載されています。
仕様の出典は MiniMax のモデル一覧、DeepSeek のモデルと価格のページ、Anthropic の Haiku ページ です。
この3モデルを選んだのは、いずれも各社の安価な高速モデルで、発表が4週間以内に重なっているためです。
- DeepSeek V4.1 Flash は9月10日に公開され、1017 アップデートは10月17日に出ました。
- Haiku 5.5 は10月7日に公開されました。
- M3.1 Flash は9月23日から Space Bunny Alpha という名前で匿名公開され、9月27日に正式名が付き、10月19日に AIHubMix で従量課金の利用が始まりました。
Space Bunny は OpenRouter での無料期間中に日次ランキングの1位になり、DeepSeek V4.1 Flash を上回っています。
準備
- AIHubMix の API キーを環境変数
AIHUBMIX_API_KEYに設定します(クイックスタート を参照してください)。 - Python 3.10 以上で、
pip install openaiを実行しておきます。 - 3モデルとも
https://aihubmix.com/v1/chat/completionsで呼び出せるので、変えるのはモデル ID だけです。
タスクと採点方法
対象の関数には2つのバグがあります。1つは、一時停止が請求期間の終わりを越えると、期間に含まれない最終日まで差し引いてしまうことです。もう1つは、一時停止の期間が重なると、重なった部分を2回差し引いてしまうことです。
def billable_days(start: date, end: date, pauses: list[tuple[date, date]]) -> int:
"""Days in the half-open period [start, end) when the subscription was active.
`pauses` holds inclusive (first_day, last_day) ranges..."""
total = (end - start).days
for p_start, p_end in pauses:
s = max(p_start, start)
e = min(p_end, end)
if s <= e:
total -= (e - s).days + 1
return total
プロンプトでは2つの症状を説明し、修正後の関数だけを1つのコードブロックで返すよう指示しました。採点プログラムは返答の最後のコードブロックを取り出し、隔離したサブプロセスで215件のケースを実行します。
- 手書きの境界ケース15件:隣接・入れ子・重複した一時停止、期間全体を覆う一時停止、空の期間、終了日から始まる一時停止
- 固定シードで生成したランダムケース200件:1日ずつ数える総当たりの参照実装と比較
元の関数は215件中138件に合格します。
リクエストのループ
import os, time
from openai import OpenAI
client = OpenAI(base_url="https://aihubmix.com/v1", api_key=os.environ["AIHUBMIX_API_KEY"])
prompt = open("task.md").read()
for model, extra in [("minimax-m3.1-flash", {"reasoning_effort": "low"}),
("deepseek-v4.1-flash-1017", {}),
("claude-haiku-5-5", {})]:
t0 = time.time()
r = client.chat.completions.create(model=model, max_tokens=32768,
messages=[{"role": "user", "content": prompt}], **extra)
print(model, round(time.time() - t0, 1), "s", r.usage.completion_tokens, "output tokens")
思考トークンは usage.completion_tokens_details.reasoning_tokens で確認できます。コストは prompt_tokens、prompt_tokens_details.cached_tokens、completion_tokens に各モデルの AIHubMix 価格を掛けて計算しました。3モデルとも、思考トークンは出力として課金されます。
結果
各行3回ずつ、Chat Completions エンドポイント、max_tokens は32,768です。2026年10月19日に AIHubMix が計測しました。
| モデルと設定 | 平均思考トークン | 平均出力トークン | 平均時間 | 修正1回あたりの平均コスト | テスト |
|---|---|---|---|---|---|
| Claude Haiku 5.5(デフォルト) | 755 | 1,323 | 7.2秒 | $0.0007 | 215/215 ×3 |
| DeepSeek V4.1 Flash 1017(デフォルト) | 1,823 | 2,148 | 14.6秒 | $0.0014 | 215/215 ×3 |
| MiniMax M3.1 Flash(デフォルト = max) | 6,364 | 6,673 | 56.3秒 | $0.0045 | 215/215 ×3 |
| MiniMax M3.1 Flash(low) | 591 | 889 | 9.5秒 | $0.0006 | 215/215 ×3 |
数字から読み取れることは次のとおりです。
- 正しさは同じでした。 12回すべて完全に修正できており、このタスクでは品質の差は出ません。
- デフォルトの思考量は約8倍でした。 Flash のデフォルトは思考トークンが6,364、Haiku は755です。このため、Haiku のデフォルトのコストは Flash のデフォルトの約6分の1になります。
-
Flash を
lowにした構成が最安でした。 1,000回あたり0.64ドルで、Haiku の0.70ドルをわずかに下回ります。ただし速さでは Haiku が上です。 - スループット(出力トークン ÷ 経過時間)は、Haiku が約183 tok/s、DeepSeek が約148、Flash が約112でした。
修正1,000回あたりでは、Haiku が約0.70ドル、DeepSeek が約1.35ドル、Flash がデフォルトで約4.45ドル、low で約0.64ドルです。
あわせて、サポートチケット5件を4つのラベルに分類するテストも行いました。各モデルをデフォルトと最も低い思考設定の両方で試し、30件の回答はすべて正解でした。1回あたりのコストはどれも0.0001ドル未満です。1回あたりの思考トークンは、Flash が0〜6、Haiku が0、DeepSeek が約25でした。
ハマりどころ
M3.1 Flash がデフォルトだと固まったように見える
effort を指定しないと、M3.1 Flash は max で思考します。小さな修正でも平均56秒かかったため、高速モデル向けに設定したクライアント側のタイムアウトに引っかかります。すべてのリクエストに reasoning_effort を付け、まずは low から始めてください。
AIHubMix 経由で reasoning_effort: "none" を送っても DeepSeek の思考がゼロにならない
チケット分類のプロンプトでは、DeepSeek は none でもデフォルトでも約25の思考トークンを使いました。コストへの影響は無視できる程度です。ただ、この経路で none を送れば思考なしの応答が返る、とは考えないでください。
Haiku 5.5 は長いプロンプトで単価が跳ね上がる
プロンプトが10万トークンを超えると、Haiku 5.5 は 0.50 / 2.50 ドルで課金されます。30万トークンのプロンプトをキャッシュなしで送る場合の入力コストを見積もってみます。OrcaRouter の説明どおり、高い料金がプロンプト全体に適用されると仮定します。Haiku は 300,000 × 0.50 ÷ 100万 = 0.15ドルです。M3.1 Flash は 300,000 × 0.165 ÷ 100万 ≈ 0.05ドルで、DeepSeek もほぼ同じです。1回あたり約3倍の差になります。大きなコンテキストのリクエストは別のモデルに回すか、キャッシュを積極的に使ってください。
キャンペーン価格は変わる
DeepSeek V4.1 Flash 1017 の AIHubMix ページには、10月25日まで割引価格が表示されます。予算は定価で見積もってください。
このテストでは分からないこと
- 品質の差: 全実行が合格したため、正しさで順位を付けるには、より難しい複数ファイルのタスクが必要です。
- 統計的な確からしさ: 設定ごとに3回だけで、思考の長さは実行ごとに大きくぶれます。
- M3.1 Flash のベンチマーク: MiniMax は公表しておらず、Artificial Analysis にも掲載されていません。DeepSeek のベンチマークは V4.1 Flash の技術レポートでの自己申告値です。Haiku の Artificial Analysis スコア43は、OrcaRouter が引用している数字です。
- AIHubMix 経由の動画入力: MiniMax のドキュメントには記載がありますが、今回はテストしていません。
- Haiku の長いプロンプトの正確な課金ルール: 0.15ドルという数字は、高い料金がプロンプト全体にかかると仮定したものです。
まとめ
- 2つのバグの修正では、3モデルとも全12回で215件のテストに合格しました。
- デフォルト設定では Claude Haiku 5.5 が最速・最安(約7秒・0.0007ドル)でした。
- MiniMax M3.1 Flash はデフォルトの
maxだと最も遅く最も高く(56秒・0.0045ドル)、lowにすると最も安くなりました(9.5秒・0.0006ドル)。 - 人が待っている短いプロンプトには Claude Haiku 5.5 が向いています。ベンチマーク、セルフホスト、本当の非思考モードが必要なら DeepSeek V4.1 Flash 1017 です。大きなコンテキスト、長い出力、動画を扱うなら、effort を明示した MiniMax M3.1 Flash(
lowまたはmedium)です。
価格カードを並べて見たい場合は、AIHubMix の比較ページ M3.1 Flash vs DeepSeek V4.1 Flash 1017 と M3.1 Flash vs Claude Haiku 5.5 を参照してください。
あわせて読みたい:MiniMax M3.1 Flash シリーズ
- M3.1 Flash の正体と置き換え対象を、Space Bunny から M2.7・M3 との価格比較まで確認するならこちら:MiniMax M3.1 Flash(Space Bunny)を API で使う:M2.7・M3 との違いと実測コスト
- 上の Flash の数字は1つの設定で大きく変わります。同じ修正を effort 5段階すべてで測った記事です:MiniMax M3.1 Flash の effort 5段階を実測:デフォルト(max)は low の7倍のコスト
- 新規導入ではなく MiniMax M2.5 / M2.7 のコードを移行するなら、先に400エラーと気づきにくい変化を確認してください:MiniMax M2.7 から M3.1 Flash への移行:「requires adaptive thinking」(2013) エラーの直し方
参考
- Models(MiniMax)
- Models & Pricing(DeepSeek)
- Claude Haiku(Anthropic)
- MiniMax M3.1 Flash vs DeepSeek V4.1 Flash 1017(AIHubMix)
- Claude Haiku 5.5 vs MiniMax M3.1 Flash Preview(OrcaRouter)