この記事は AIHubMix が作成しました。情報は2026年10月14日時点のものです。Gemini 4 Argon は2026年10月13日に一般提供(GA)が始まり、モデル ID gemini-4-argon で呼び出せます。
Gemini 4 Argon は、Artificial Analysis Intelligence Index で GPT-6 Astra と同点に並び、Gemini の出力上限を64Kトークンから100万トークンへ引き上げました。2026年10月13日に一般提供が始まり、有料の Gemini API、Google AI Studio、Vertex AI から使えます。AIHubMix でもモデル ID gemini-4-argon で呼び出せ、料金は100万トークンあたり入力$2・出力$10です。Google の料金は12月1日に2倍になります。
エンジニアリング上の問いは「いつ呼べるのか」から「呼び出すと何が変わるのか」に移りました。この記事では、判断材料になる数字、事前に備えておきたい4つのハマりどころ、適切なデフォルト値とフォールバックを備えたクライアント、そしてまだ答えが出ていないことをまとめます。
TL;DR
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提供状況:10月13日に一般提供開始。Google の Gemini API(有料枠のみ)、Vertex AI、AIHubMix の OpenAI 互換エンドポイントで、モデル ID はいずれも
gemini-4-argonです。 - 得意なこと:ナレッジワーク系エージェント(Harvey Legal Agent で19.6%、他モデルは最高6.7%)、非常に長い入力(GraphWalks 256k–1M で84.2%)、DeepSWE。
- 苦手なこと:ターミナル中心のコーディング(Terminal-bench 4.0 で57.4%、Claude Opus 5.5 は66.4%)、コンピューター操作、FrontierSWE。
- 知っておきたいデフォルト:思考レベルのデフォルトは medium(ベンチマークはすべて high)。long decode を使わない限り出力の上限は65,536トークン。temperature と top_p は無視されます。
- 想定しておくべき挙動:自信がないと回答を控えます。ハルシネーション率は15%ですが、同じ問題での正答率は50%です。
- 出力量と速度:Artificial Analysis のタスク1件あたり平均約6.2万出力トークン(GPT-6 Astra は約2.7万)。high では最初の回答トークンまで約45秒かかります。
- 料金:11月30日までは100万トークンあたり$2 / $10、その後は$4 / $20。キャッシュ入力は$0.10、その後は$0.20です。
2026年10月14日時点の状況
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 提供状況 | 10月13日に一般提供開始 |
| モデル ID | gemini-4-argon |
| 呼び出し先 | Gemini API 有料枠、AI Studio、Vertex AI、AIHubMix |
| コンテキストウィンドウ | 1,048,576トークン(共有) |
| 最大出力 | 標準65,536、long decode で100万 |
| 思考レベル | low、medium(デフォルト)、high |
| 入力 / 出力 | テキスト・画像・動画・音声・PDF / テキスト |
| 知識のカットオフ | 2026年3月 |
| Google の料金(100万トークンあたり) | $2 / $10、12月1日から$4 / $20 |
| AIHubMix の料金(100万トークンあたり) | $2 / $10、キャッシュ$0.10 |
「共有」という点が重要です。入力・思考・出力のすべてが同じ1,048,576トークンから差し引かれるため、90万トークンのプロンプトを入れると、思考と回答に残るのは約15万トークンです。詳しい仕様と移行時の注意点は、Google の What's new in Gemini 4 Argon にまとまっています。関数呼び出し、構造化出力、コード実行、Google 検索・Google マップによるグラウンディング、URL context、ファイル検索、コンピューター操作(プレビュー)に対応しています。明示的なコンテキストキャッシュ、画像・音声の出力、Live API には対応していません。キャッシュは暗黙的キャッシュのみで、繰り返し送るプロンプトの先頭部分が95%割引になります。
Google の Fairwind プログラムに参加しているサイバー防御チームは、引き続きサイバー関連のガードレールを外したバージョンを使えます。一般公開版は、有害なサイバー攻撃や、化学・生物・放射性物質・核(CBRN)に関するリクエストを拒否します。そのため、Fairwind のユーザーが共有するセキュリティ系タスクの結果は、そのまま再現できない可能性があります。
なお Argon では Pro / Flash という区分がなくなり、世代番号とコードネームだけの名前になりました。Gemini 3.1 Pro Preview に代わって、ラインナップの最上位に入ります。
作るものごとに見るベンチマーク
Google の数字は Google DeepMind のベンチマーク表から取っています。Google は Argon を最も高い思考設定で動かし、競合の数字の多くは各社の自己申告か公開リーダーボードの値なので、ベンダー発表のデータとして読んでください。「他モデルの最高値」の列は、Google の表に載っている3つの競合(GPT-6 Astra、Claude Fable 5.1、Claude Opus 5.5)の中での最高値です。
| ベンチマーク | Argon | 他モデルの最高値 |
|---|---|---|
| DeepSWE v1.1 | 77.9% | Opus 5.5(74.2%) |
| FrontierSWE v2 | 55.0% | Astra(65.5%) |
| Terminal-bench 4.0 | 57.4% | Opus 5.5(66.4%) |
| OSWorld-2.0 | 69.2% | Astra(72.6%) |
| Vals Index | 68.9% | Opus 5.5(67.0%) |
| Vals Finance Agent v2 | 65.4% | Fable 5.1(58.9%) |
| Harvey Legal Agent | 19.6% | Fable 5.1(6.7%) |
| GraphWalks 256k–1M | 84.2% | Astra(71.8%) |
| LVBench | 91.7% | Astra(87.5%) |
| CWE-bench v1 | 68.0% | Astra(68.0%) |
OSWorld-2.0 はオフラインのサブセットでの部分スコア、GraphWalks は F1 スコアです。Google の表は全19行で、Argon はそのうち14行で首位または同率首位です。
第三者の結果も、おおむね同じ傾向です。ただし順位には注意が必要です。Artificial Analysis の Intelligence Index では Argon(high)が53点で、GPT-6 Astra(max)と同点、GPT-6.1 Sol(max)より1点上、Gemini 3.1 Pro Preview より23点上です。この指標のトップは Claude Opus 5.5(58点)で、Claude Sonnet 5.5 と Meta の新モデル Muse Wonder Full がともに56点で続きます。同社の Terminal Bench 4 では Argon は57%で、Claude Sonnet 5.5、Claude Opus 5.5、GPT-6 Astra に届きません。Vals AI は Argon を Vals Index の1位としており、単体で最も良い結果は Finance Agent v2 です。一方、コンピューター操作を測る CUA-bench では8モデル中7位でした。
ワークロード別に読むと、次のようになります。
- ターミナルで動く、またはデスクトップを操作するエージェント:Opus 5.5 か Astra のままにします。Google の表でも第三者の結果でも、ここでは Argon が後れを取っています。
- 契約書、決算資料、長いログを読むエージェント:今すぐ Argon を試す価値があります。リードが最も大きい領域です。
- 大規模なコード移行:Argon を試してみてください。コーディングのスコアは一長一短(DeepSWE では首位、FrontierSWE では後れ)ですが、long decode によって、これまで必要だった手作業での分割がいらなくなります(次の節)。
- フロントエンド開発:まず自分たちの評価を回してください。Bloomberg は、Argon を使っている一部の Google のエンジニアが、実際のコーディング、特にフロントエンドのデザインで苦戦していると話していると報じました(Startup Fortune 経由)。
100万トークン出力で何が変わるか
これまでの Gemini モデルは出力が64Kトークンで止まるため、大規模な移行や長いレポートは手作業で分割する必要がありました。Argon も標準では65,536トークンで止まります。それを超えるには long decode を使います。Google の long decode のガイドによると、使い方は次のとおりです。
-
Interactions API:
background=Trueを指定し、max_output_tokensを65,536より大きく(最大で1,048,576から入力を引いた値まで)設定します。Google のサーバーが64Kずつ続きを書き、最長24時間動きます。クライアントはインタラクションをポーリングし、model_outputのステップを連結して読みます。 -
generateContent API:続きはクライアント側で生成します。各回の応答は
finish_reason: CONTINUATIONとcontinuation_tokenで終わり、新しい SDK(google-genai 2.30.1 以降)は次の呼び出しを自動で送ります。 - 課金:思考だけで終わった回も含め、すべての回が課金されます。各回はプロンプトとそれまでに書いた内容を入力として読み直しますが、この繰り返し部分には暗黙的キャッシュの95%割引が適用されます。
Google 自身の事例は、まさにこの種の仕事です。社内のエージェントが Argon を使って C/C++ から Rust への移行を進め、その中には Fuchsia Zircon カーネルの80万行以上のコードが含まれています。ただし、ほとんどのリクエストには不要です。Google によれば、チャット、質疑応答、情報抽出は3.2万トークンを大きく下回る量で終わります。
ハマりどころ
応答が空になる、途中で切れる
症状:ステータスが "incomplete" で、内容が途中で切れているか空のまま返ってきます。それでも思考トークンは課金されます。
原因:max_output_tokens は思考と回答の合計に対する上限で、Argon は従来のモデルより多くを思考に使います。8,192のような上限だと、回答を書き始める前に使い切ることがあります。
対処:Google の推奨どおり上限を32,768以上にするか、デフォルトのままにします。コストを抑えたいときは、上限を下げるのではなく思考レベルを下げます。64Kを超える回答には long decode を使います。
デフォルトの思考レベルがベンチマークと違う
症状:公開スコアどおりの結果が出ません。Argon のデフォルトは medium ですが、Google、Artificial Analysis、Vals はいずれも high で測っています。
原因:Argon は low、medium、high に対応し、思考をオフにはできません。Google は複雑なコードやエージェントを含むほとんどのタスクに medium を勧め、low は難しいタスクで品質が落ちることがあるとしています。high より下の設定で測った結果は、まだ誰も公開していません。[TBD:思考レベルごとの精度とトークン数]
対処:レベルを明示的に指定し、設定値にしておきます。AIHubMix の OpenAI 互換ルートでは、reasoning_effort がそのまま思考レベルに対応します(minimal は low として扱われます)。3つのレベルすべてで自分たちの評価を回し、基準を満たす最も低いレベルを選びます。
「自信がありません」という回答の行き場がない
症状:回答を控えるケースが、これまでより多く出ます。Artificial Analysis の Omniscience テスト(難しい事実問題を出し、自信満々の誤答を減点する)で、Argon のハルシネーション率は15%、GPT-6 Astra は51%です。ところが正答率は Argon が50%、Astra が63%です。Argon のハルシネーション率が低いのは、知識が多いからではなく、自信がないときに答えないからです。
原因:モデルそのものの性質です。法務や財務のレビューでは、たいていこちらが望ましいトレードオフです。回答の拒否は見つけやすい一方、自信満々の誤った数字はレビューをすり抜けることがあります。
対処:自信がないときはそう明言するようプロンプトで指示し(後述のプロンプトはそうしています)、そうした回答を検出して、人間か別のモデルに回します。毎回必ず答えが必要なパイプラインには、Argon は向きません。
タイムアウト、レイテンシ、出力量
症状:最初のトークンが遅く、応答が長くなります。high では、Artificial Analysis の計測で最初の回答トークンまで約45秒、出力速度はプロバイダーによって毎秒99.5〜116.5トークンでした。Artificial Analysis のタスクでは、Argon は1件あたり平均約6.2万トークンを出力し、GPT-6 Astra は約2.7万トークンでした。
原因:Argon はじっくり考えるモデルで、Google も難しいプロンプトには数分かかることがあると注意しています。
対処:HTTP クライアントのタイムアウトを15分以上にし、長い回答はストリーミングで受け取り、レイテンシが重要な経路には別のモデルを使います。予算は12月1日からの$4 / $20で組みます。Artificial Analysis によると、Index のタスク1件あたりのコストは Argon が現在$1.99、その価格では$3.98で、Gemini 3.1 Pro Preview は$1.30です。
AIHubMix で最初の呼び出し
Argon は AIHubMix の OpenAI 互換エンドポイントで動き、標準の OpenAI SDK で呼び出せます。AIHubMix の現在の料金は、Google の導入価格と同じです。
| 項目 | AIHubMix の料金 |
|---|---|
| 入力 | 100万トークンあたり$2.00 |
| 出力(思考を含む) | 100万トークンあたり$10.00 |
| キャッシュ入力 | 100万トークンあたり$0.10 |
| 動画・音声入力 | 100万トークンあたり$2.00 |
| Web 検索 | 1リクエストあたり$0.014 |
12月1日以降の AIHubMix の料金は、まだ発表されていません。[TBD:12月1日以降の AIHubMix の料金]
次のクライアントは gemini-4-argon を呼び出します。思考レベルを明示し、出力の上限を十分に取り、タイムアウトを長めにして、失敗したら Gemini 3.8 Flash にフォールバックします。
import os
from openai import OpenAI, APIError
client = OpenAI(
base_url="https://aihubmix.com/v1",
api_key=os.environ["AIHUBMIX_API_KEY"],
timeout=900, # 難しいプロンプトは数分かかることがある
)
MODEL = os.environ.get("ARGON_MODEL_ID", "gemini-4-argon")
EFFORT = os.environ.get("ARGON_EFFORT", "medium") # low、medium(デフォルト)、high
FALLBACK = "gemini-3.8-flash"
PROMPT = "以下の契約書に含まれる解除条項をすべて挙げてください。判断に自信がない条項があれば、その旨を明記してください。\n\n<契約書の本文>"
def ask(model):
return client.chat.completions.create(
model=model,
reasoning_effort=EFFORT,
max_tokens=32768, # 思考と回答で共有する上限
messages=[{"role": "user", "content": PROMPT}],
)
try:
resp = ask(MODEL)
except APIError as e:
print(f"{MODEL} の呼び出しに失敗しました({e})。{FALLBACK} に切り替えます")
resp = ask(FALLBACK)
print(resp.model)
print(resp.choices[0].message.content)
print(resp.usage) # 実際のトークン数を予算と照らし合わせる
実行方法です。
pip install openai
export AIHUBMIX_API_KEY="your-aihubmix-key"
python argon_client.py
リクエストに temperature を入れていないのは意図的です。Argon は temperature、top_p、top_k を無視します。また AIHubMix の Gemini ガイドによると、OpenAI 互換ルートで関数呼び出しを使うには tool_choice="auto" が必要です。
long decode はバックグラウンド実行で使います。AIHubMix の Gemini ガイドは、ネイティブの Gemini エンドポイント(https://aihubmix.com/gemini)でのバックグラウンド実行を説明していますが、Argon で同じように使えるかはまだ確認されていません。[TBD:AIHubMix 経由での long decode]
まだ答えが出ていないこと
- high より下の設定での結果:公開ベンチマークはすべて high で、low や medium でどれだけ精度が落ちるかのデータはありません。
- 12月1日以降の AIHubMix の料金:現在は Google の導入価格と同じですが、その後の料金は未発表です。
- AIHubMix 経由での long decode:Google のドキュメントはあり、AIHubMix のネイティブ Gemini エンドポイントでも使える可能性は高いものの、Argon ではまだ確認されていません。
- Google の表にある競合のスコア:多くは各社の自己申告か、公開リーダーボードの値です。
まとめ
- Gemini 4 Argon は2026年10月13日に一般提供が始まり、Google の Gemini API でも AIHubMix でも
gemini-4-argonで呼び出せます。 - Artificial Analysis では GPT-6 Astra と同点の53点。トップの Claude Opus 5.5(58点)には届きませんが、法務・財務系エージェントと長い入力に強く、ターミナル作業とコンピューター操作では後れを取ります。
- デフォルトの思考レベルは medium ですが、ベンチマークはすべて high です。レベルは明示的に指定しましょう。
- 出力の上限は標準で65,536トークン。それを超えるには long decode が必要で、
max_output_tokensは思考と回答の合計に効きます。 - 自信がないと回答を控えるため、その回答の行き先を用意しておく必要があります。
- 料金は11月30日まで$2 / $10、12月1日から$4 / $20。予算は後者で組むのが安全です。
上のクライアントをそのまま使えば、自分たちのプロンプトで Argon の回答とトークン数をすぐに確認できます。
あわせて読みたい:Gemini 4 Argon シリーズ
- 1つ目と2つ目のハマりどころをさらに詳しく。思考レベルの選び方と long decode を使う場面:Gemini 4 Argon の思考レベルと long decode:設定方法とハマりどころ
- 4つ目のハマりどころが、そのまま請求額の出どころです。値上げ前後の実測タスク単価:Gemini 4 Argon の料金:トークン単価は安いが、タスク単価は安くない
- 既存の Gemini 3.x のクライアントを移行するなら、切り替えでつまずくポイントと対処法はこちら:Gemini 3.1 Pro・3.8 Flash から Gemini 4 Argon へ:移行でつまずくポイントと対処法
参考
- Gemini 4 Argon: Built to solve your hardest problems(Google)
- What's new in Gemini 4 Argon(Google AI for Developers)
- Gemini 4 Argon: Google is back as one of the top three labs in intelligence achieved(Artificial Analysis)
- Gemini 4 Argon benchmarks, cost and capabilities(Vals AI)
- Gemini 4 Argon モデルページ(AIHubMix)