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OCI Network Firewallを使用したハブ&スポーク構成

Last updated at Posted at 2022-09-16

今回は、ちょっと複雑なVCN間のトラフィックでNetwork Firewallを経由させるHub&Spokeの構成を作成します。Network Firewallの設定が初めての場合は、過去の記事のベーシックな設定も確認してみて下さい
OCI Network Firewallによるトラフィック監視 (Intra-VCNルーティング)
OCI Network Firewallでサイバー攻撃を防ぐ
また、手順はこちらのドキュメントをベースにしていますので、細かな手順が分からない際はご参照下さい

今回構築するネットワークのイメージはこちらです
image.png

Spoke-VCN1からSpoke-VCN2に対するトラフィックは、DRGによってHub-VCNにルーティングされ、Network Firewallを必ず経由します。この構成のポイントは、DRGのVCNアタッチメントでVCN間のルーティングを制御している点とHub-VCNのインバウンドとアウトバウンドのルート表をそれぞれ異なる場所で指定しているところにあります

では実際の作成手順を説明してきます

Hub&Spokeの基本設定

  • まず3つのVCNを作成する。今回は、"VCNウィザート"を使わず、"VCNの作成"のメニューからVCNとパブリック・サブネットのセットを3つ作成する
    image.png

  • ネットワーキング -> 顧客接続性 -> 動的ルーティング・ゲートウェイの作成。作成後にDRG内の仮想クラウド・ネットワーク・アタッチメントで作成した3つのVCNをアタッチする
    image.png

  • Spoke-VCN1のパブリック・サブネットのデフォルト・ルート表にHub-VCN(172.16.0.0/24)とSpoke-VCN2(172.16.2.0/24)はDRGにルーティングするように追加する
    image.png

  • Spoke-VCN2のパブリック・サブネットのデフォルト・ルート表にHub-VCN(172.16.0.0/24)とSpoke-VCN1(172.16.1.0/24)はDRGにルーティングするように追加する
    image.png

※Hub-VCNのルート表は後々編集するためここでは設定しない

  • 接続テスト用にSpoke-VCN1とSpoke-VCN2のそれぞれにVMインスタンスを作成
    image.png

  • Spoke-VCN1のデフォルト・ルート表にInternet Gatewayのルートを追加しておく。これによってVM1に直接インターネットからログインできるので、ログイン後にプライベートIPを使ってVM2にSSH接続できることを確認しておく
    image.png

DRGルート表の作成

  • DRGにアタッチするSpokeとHub用のルート表を作成。DRG内にあるDRGルート表 -> DRGルート表の作成をクリック

  • Spoke用のDRGルート表。すべての宛先(0.0.0.0/0)はHub-VCNにホップされる
    image.png

  • 作成したSpoke用のDRGルート表をSpoke-VCN1とSpoke-VCN2に割り当てる。VCN-Spokeのアタッチメントの編集 -> 拡張オプションの表示 -> DRGルート表をRT-Spokeに変更
    image.png

  • 次にHub用のルート表を作成する。まず、ルート・ディストリビューションの作成。DRG -> ルート・ディストリビューションのインポートから作成をクリック

  • 下記のように指定する
    image.png

  • 再度、DRGのルート表作成をクリックし、名前はRT-Hubを記述し、拡張オプション -> ルート・ディストリビューションの有効化をチェックし、上記で作成したディストリビューションを選択し作成
    image.png
    上記は作成後の画面。RT-Hubが今回作成したHub-VCN用のDRGルート表。Spokeの場合と同じように仮想クラウド・ネットワーク・アタッチメントで変更する

  • 最終的に完成したDRGの仮想クラウド・ネットワーク・アタッチメントはこちら
    image.png

Network Firewallに関連する設定

  • Network Firewallのポリシーを作成
    導通テスト用に無条件ですべてのトラフィックを許可するポリシーを作成する
    image.png

  • Hub-VCNにNetwork Firewallを作成する。ポリシーは上記で作成したものを指定する。作成後には、FW自身のIPアドレスをメモしておく
    image.png

Hub-VNCに入ってくるインバウンド・トラフィックはNetwork Firewallに経由するようにするための設定

  • ネットワーキング -> VCN -> Hub-VCN内のリソース-> ルート表を選択。VCN-Hub-Ingressの名前で新しいルート表を作成する。ターゲットは作成したNetwork FirewallのIPアドレスを指定
    image.png

  • 編集したルート表を動的ルーティング・ゲートウェイ・アタッチメントのVCNルート表に割り当てる。ネットワーキング -> VCN -> Hub-VCN内のリソース -> 動的ルーティング・ゲートウェイのアタッチメント
    image.png

  • Hub-VNCから出ていくアウトバウンド・トラフィックをパブリック・サブネットのデフォルトのルート表に追加する
    image.png

以上で設定は完了です。正しく設定されていれば、VM1からVM2の接続は変わらずできるはずです。Network Firewallのポリシーを色々変えながら挙動を確認してみて下さい。

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