前編の記事では、Maestroで利用するBPMN 2.0の基礎について解説しました。
本記事は、その続編です。BPMNで業務をモデル化する準備が整いましたので、いよいよMaestroの実際の活用に入ります。今回は、多くの企業が抱える課題である 「新規採用プロセス」を題材に、Maestro上で業務プロセスを設計し、実際に実行、そして分析までを一気通貫でご紹介します。さあ、Maestroの力を体験してみましょう。
業務概要
本記事で題材とする業務は、新規採用者のオンボーディングプロセスです。このプロセスは、内定者へのオファーレター送信から始まり、オリエンテーションの招待までを一貫して管理します。
詳細は以下の通りです。
-
オファーレター関連:
- 業務は「開始」からスタートし、内定者へオファーレターを送信します。
- 採用チームは、内定者からのオファー承諾を15日間待ちます。
- 承諾があった場合、採用マネージャーに通知すると同時に、次のステップへ進みます。
-
身元調査処理:
- オファーの承諾を得た後、身元調査を開始します。
- 内定者の身元調査を開始し、結果が返ってくるまで待機します。
- 身元調査の結果が「OK」であった場合、次の「採用予定者登録」プロセスに進みます。
-
社内登録や権限手続き:
- 身元調査が完了すると、システム上で内定者を「採用予定者」として登録します。
- これと同時に、施設チームと給与チームがそれぞれ、入社に必要なIDカードの発行、システムへのアクセス権限の付与、そして給与支払いの登録作業を並行して進めます。これらの作業の多くは、ロボットによる自動化が想定されています。
-
入社準備連絡:
- 最終段階として、AIエージェントが新規採用者向けのトレーニングプランを自動作成します。
- 作成されたプランは、採用マネージャーによるレビューと承認を経て確定されます。
- 確定後、オリエンテーション日の1週間前までに招待状が送信され、一連のプロセスは完了となります。
このプロセス全体を通して、多くのタスクがロボットによって自動化されており、採用担当者は戦略的な業務に集中できるよう設計されています。
完成した全体像
BPMN記号で作成した全体像は以下の通りです。
実行中の様子は以下のとおりです。
— uta (@utanesuke_papa) August 18, 2025
事前準備
本記事のテーマは、Maestroを使った設計、実行、分析です。そのため、タスクを動かすために必要なRPAワークフローやAIエージェント、アクションタスクなどの作成手順は、今回は割愛させていただきます。
事前に準備する必要があるのは以下の通りです。
タスク名 | アクションタイプ | プロセス名 |
---|---|---|
採用予定者登録 | RPAワークフロー | HR_Employee_Registration |
IDカードの発行 | RPAワークフロー | HR_IDCardIssue |
システムアクセス権の付与 | RPAワークフロー | HR_RoleAssign |
給与支払登録 | RPAワークフロー | HR_SalaryPayAdd |
トレーニングプランの作成 | AI Agent | HR_TrainingPlaner |
作成されたトレーニングプランの確認 | アクション可能なアプリ | HR_TraningPlan_Confirmation_App |
これらのプロセスは、前後のプロセスとデータを受け渡すために、入力と出力の引数を設定する必要があります。
タスク名 | 入力 | 出力 |
---|---|---|
採用予定者登録 | ① in_employee_id(型:テキスト) ② in_employee_name(型:テキスト) |
なし |
IDカードの発行 | ① in_employee_id(型:テキスト) ② in_employee_name(型:テキスト) |
なし |
システムアクセス権の付与 | ① in_employee_id(型:テキスト) ② in_employee_name(型:テキスト) |
なし |
給与支払登録 | ① in_employee_id(型:テキスト) ② in_employee_name(型:テキスト) |
なし |
トレーニングプランの作成 | ① employee_name(型:テキスト) ② technical_level(型:テキスト) ③ employee_position(型:テキスト) ④ focus_areas(型:テキスト) |
training_plan(型:テキスト) |
作成されたトレーニングプランの確認 | in_out_traning_plan(型:String) | in_out_traning_plan(型:String) |
補足:employee_idが新入社員ID、 employee_nameが新入社員名、technical_levelが新入社員の技術レベル、employee_positionが新入社員のポジション、focus_areasがトレーニングプランの重点を置くべき特定の分野
AI Agentとアクション可能なアプリの作成方法は以下のサイトよりご確認ください。
上記のRPAワークフロー、AI Agent、およびアクション可能なアプリの準備が完了したら、Orchestratorの指定フォルダーへデプロイしてください。
- RPAワークフローとAI Agent
- アクション可能なアプリ
また、MaestroでOutlookとTeamsを使って送信を行うため、Integration Service(以下、IS)で、指定フォルダー内のTeamsとOutlookのコネクションを作成してください。
IntegrationServiceの使用方法は以下のページをご参照ください。
Maestro 設計手順
最終的に設計した全体像は以下の通りです。その後の手順は、4つの部分に分けて解説します。
最初に、UiPath Studio(Web) を開いて、右側の [新規作成]→[エージェンティック プロセス] をクリックします。
Autopilotを使用して、既存の社内ドキュメントなどから作成可能です。
今回はハンズオン目的のため、すべて最初から作成します。
オファーレター関連処理
この関連処理は、オファーレターの送信から承諾・辞退の判定、そしてその後のアクション(ウェルカムメール送信)までを自動化するものです。
1.【開始】イベント
これは、該当する人事採用プロセスの開始点です。ここでは、後続の処理に必要な入力データなどを受け取るため、以下の引数を追加します。
引数:
- in_employee_id : 内定者ID
- in_employee_name : 内定者名
- in_employee_email : 内定者のメールアドレス
- in_HRManager_Email : 社内のHR採用マネージャーのメールアドレス
- in_Mimoto_Research_Email : 外部の身元調査担当のメールアドレス
- in_technical_level : 内定者の技術レベル
- in_employee_position : 内定者のポジション
- in_focus_areas : 内定者のトレーニングプランの重点を置くべき特定の分野
上記引数の種類は、すべてstring
に設定します。また、必要に応じて該当イベントの注釈も追加してください。
設定後:
2.【内定者へのオファーレターを送信】送信タスク
Outlookを使用して、内定者へオファーレター(採用通知書)を自動送信します。関連設定値は以下の通りです。
アクション | コネクタ | コネクション | アクティビティ | 宛先 | 件名 |
---|---|---|---|---|---|
コネクタ アクティビティを実行 | Microsoft Outlook 365 | 作成したOutlookのISコネクション | メールを送信 | 変数in_employee_email
|
【重要】UiPath 内定のご確認 (例) |
本文(例) :
UiPathへのご入社内定おめでとうございます。
内定のご連絡から15日以内に、ご入社の意思についてご返信いただけますでしょうか。
承諾される場合は件名に「承諾」、辞退される場合は「辞退」とご追加ください。
ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。 ご返信をお待ちしております。
UiPath 採用チーム
設定後:
3.【オファー承諾のEメール受信】受信タスク
内定者からの返信メールを待機します。関連設定値は以下の通りです。
アクション | コネクタ | コネクション | Trigger | Email folder | フィルター |
---|---|---|---|---|---|
コネクタ イベントを待機 | Microsoft Outlook 365 | 作成したOutlookのISコネクション | メールの受信時 | 監視するフォルダー:受信トレイ (例) | 差出人メールアドレス = 変数in_employee_email
|
設定後:
4.【オファー承諾のEメール受信】タイマー境界イベント
内定者がオファーを承諾するかどうかの返信を、最大15日間待ちます。Timerの種類で [時間] を指定し、値に [15日] を設定します。
タイマー境界イベント
これにより、タスクの完了を待たずに、一定時間が経過したら次の処理に進むことができます。例えば、タスクの実行時間が予想以上に長引いた場合に、タイマー境界イベントを使って処理を中断し、別の処理に移行させることができます。
5.【採用マネージャーに通知】送信タスク
もし15日以内に返信がない場合、採用マネージャーに自動で通知が送られます。関連設定値は以下の通りです。
アクション | コネクタ | コネクション | アクティビティ | チームID | チャンネルID |
---|---|---|---|---|---|
コネクタ アクティビティを実行 | Microsoft Teams | 作成したTeamsのISコネクション | チャンネル メッセージを送信 | 自身Teamsのチーム名を選択 | 自身Teamsのチャンネル名を選択 |
本文(例) :
変数in_employee_name
様は15日を経過しましたが、オファーへの承諾のご返事がありませんでした。
設定後:
6.【承諾判定】排他的ゲートウェイ
内定者からの返信内容を確認し、承諾か辞退かを判定します。この判定結果によって、処理は2つの分岐に分かれます。判定は、受信したメールの件名から行います。
設定後:
7.【ウェルカムオンボーディングEメールを送信】送信タスク
Outlookを使用して、内定承諾者へウェルカムオンボーディングメールを自動送信し、入社準備を進めます。
アクション | コネクタ | コネクション | アクティビティ | 宛先 |
---|---|---|---|---|
コネクタ アクティビティを実行 | Microsoft Outlook 365 | 作成したOutlookのISコネクション | メールを送信 | 変数in_employee_email
|
件名(例) :変数in_employee_name
様 ようこそ、UiPathへ!オンボーディングのご案内
本文(例) :
この度はUiPathへのご入社、誠におめでとうございます。 社員一同、心より歓迎いたします。
入社日を前に、スムーズなスタートを切っていただけるよう、オンボーディングに関する情報をご案内いたします。
入社日: 2025年9月1日
集合場所: 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング7階
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 当日お会いできることを楽しみにしています。
UiPath採用チーム
身元調査処理
この関連処理は、人事担当者は手動でメールを送信したり、結果を待って手動で判断したりする手間を省くことができます。
特に、NGだった場合に次のプロセスに進まず、自動でワークフローが終了することで、無駄な作業をなくし、効率的に採用プロセスを管理することが可能になります。
1.【身元調査開始の依頼】送信タスク
これは、調査会社に対し、身元調査の開始を依頼するメールを自動で送信するプロセスです。
アクション | コネクタ | コネクション | アクティビティ | 宛先 |
---|---|---|---|---|
コネクタ アクティビティを実行 | Microsoft Outlook 365 | 作成したOutlookのISコネクション | メールを送信 | 変数in_Mimoto_Research_Email
|
件名(例) :ご依頼:身元調査について(in_employee_name
in_employee_id
)
本文(例) :
株式会社 東京調査 ご担当者様
平素より大変お世話になっております。
UiPath株式会社 人事部の山田と申します。
この度は、採用候補者の身元調査(バックグラウンドチェック)についてご依頼申し上げたく、ご連絡いたしました。
つきましては、下記候補者の調査を、貴社のサービスにてお願いしたく存じます。
氏名: 件名に記載あり
調査範囲:
学歴・職歴
犯罪歴・反社会的勢力との関係
SNS等での不適切な言動
その他、貴社サービスにて確認可能な項目
本件は候補者本人から同意を得ており、個人情報の取り扱いには細心の注意を払っていただくようお願いいたします。
ご返信する際に、件名に「調査結果:OK」或は「調査結果:NG」を追加してください。
お見積もりと今後の進め方について、お打ち合わせのお時間をいただくことは可能でしょうか。ご多忙のところ恐縮ですが、ご返信をお待ちしております。
何卒よろしくお願い申し上げます。
UiPath株式会社
2.【身元調査の結果受信】受信タスク
依頼に対する調査結果が記載されたメールを待機し、受信します。
アクション | コネクタ | コネクション | Trigger | Email folder | フィルター |
---|---|---|---|---|---|
コネクタ イベントを待機 | Microsoft Outlook 365 | 作成したOutlookのISコネクション | メールの受信時 | 監視するフォルダー:受信トレイ (例) | ① 差出人メールアドレス = 変数in_Mimoto_Research_Email ② 件名 次の値を含む 調査結果 |
3.【調査結果判定】排他的ゲートウェイ
受信したメールの件名から、身元調査の結果が「OK」か「NG」かを自動で判定します。
設定後:
社内登録や権限手続き
この処理は、内定者の入社準備における人事、設備、IT、経理といった複数の部門間の連携作業をロボットが代行することで、手続きの漏れを防ぎ、新入社員がスムーズに働き始められる環境を短期間で整えることを可能にします。
1.【採用予定者登録】タスク
ここでは、ロボットが採用予定者の情報を人事システム(Workday)に登録します。
アクション | オートメーション | 入力 |
---|---|---|
RPA ワークフローを開始して待機 | HR_Employee_Registration | ① in_employee_id:変数in_employee_id ② in_employee_name:変数 in_employee_name
|
設定後:
2.【複数の並列手続き】並列ゲートウェイ
採用予定者の登録が完了すると、プロセスは3つのタスクに分岐し、それぞれが並行して実行されます。
ゲートウェイの種類については、以下のページをご参照ください。
3.【 IDカードの発行】タスク
ロボットが設備チームと連携して、新入社員のIDカードの発行を依頼します。プロセスのHR_IDCardIssueを使用します。
上記の【採用予定者登録】タスクと同様のため、説明は割愛します。
4.【システムアクセス権の付与】タスク
ロボットがITチームと連携して、新入社員が必要なシステムのアクセス権を付与します。プロセスのHR_RoleAssignを使用します。
上記の【採用予定者登録】タスクと同様のため、説明は割愛します。
5.【給与支払登録】タスク
ロボットが経理チームと連携して、新入社員の給与支払い情報を登録します。プロセスのHR_SalaryPayAddを使用します。
上記の【採用予定者登録】タスクと同様のため、説明は割愛します。
入社準備連絡
この処理は、トレーニングプランの作成から送信、さらには入社直前の重要な会議招待までをシームレスに連携させることで、採用担当者やマネージャーの手間を大幅に削減し、入社プロセスをより円滑に進めることを可能にします。
特に、AIと人間が協力してタスクを完了させるハイブリッドなアプローチが特徴です。
1.【トレーニングプランの作成】タスク
ここでは、AI Agentが採用マネージャーの指示や既存のテンプレートに基づいて、トレーニングプランを自動で作成します。
アクション | オートメーション | 入力 |
---|---|---|
エージェントを開始して待機 | HR_TrainingPlaner_Agent | ① in_employee_name:変数in_employee_name ② technical_level:変数 in_technical_level ③ employee_position:変数 employee_position ④ focus_areas:変数 focus_areas
|
設定後:
2.【作成されたトレーニングプランの確認】ユーザー タスク
AIが作成したトレーニングプランを、採用マネージャーが最終確認します。
アクション | アクション アプリ | タスクのタイトル | 担当者 | 入力 |
---|---|---|---|---|
アクション アプリ タスクを作成 | HR_TraningPlan_Confirmation_App | 変数in_employee_name 様 トレーニングプラン |
変数in_HRManager_Eamil
|
【トレーニングプランの作成】タスクの出力のtraining_plan
|
設定後:
採用マネージャーは以下のトレーニングプラン を確認し、必要に応じて修正して、[承認] をクリックします。
3.【トレーニングプランの送信】送信タスク
確認が完了したトレーニングプランは、Outlookなどのメールシステムを通じて内定者へ自動で送信されます。
前述の送信タスクと同様に設定しますので、詳細は割愛します。
設定後:
4. タイマー中間キャッチ イベント
トレーニングプランの送信後、オリエンテーションの会議招待を送るため、入社日の1週間前まで待機します。Timerで待機時間を設定します。
5.【オリエンテーションの会議招待の送信】送信タスク
入社日の1週間前になったら、Outlookを通じてオリエンテーションの会議招待メールを内定者へ自動で送信します。
前述の送信タスクと同様に設定しますので、詳細は割愛します。
ここまでの手順で、人事の採用プロセス業務の設計が完了しました。
Maestro 実行手順
テスト実行
上記設計したプロセスをテスト実行します。[テストの設定] をクリックし、必要な入力引数を記入してから、[テスト] をクリックします。
デプロイしてOrchestratorから実行
テスト実行で問題がなければ、右側の [パブリッシュ] をクリックします。指定場所を選択し、[パブリッシュ] をクリックします。

あとは、普通のRPA パッケージと同じ手順で、プロセスを追加します。以下のように、全てのステータスが「利用可能」になるまで、必要なコネクションやアプリを設定します。
最後に、[作成] をクリックし、指定フォルダーに該当エージェンティックが作成されました。
プロセスの右側の実行アイコンをクリックします。Orchestratorで実行の進捗が確認できます。
更に、Maestroをクリックして、Maestroで各処理の進捗を確認できます。
エラーが発生した時の対処方法
失敗したインスタンスについては、再試行、プロセスの新しいバージョンへの移行(エラーが解決する場合)、または実行全体のキャンセルが可能です。
再試行またはバージョン移行でエラーを修正する場合の利点は、実行が最初からではなく、失敗した時点から再開されることです。
まだ実行中のインスタンスについては、必要に応じて一時停止、キャンセル、または再開することができます。
以下のように、実行中に[IDカードの発行]タスクが失敗した際に、右上で示したように、キャンセル 或は 移行 或は リトライ 或は 次に移動ができます。
エラーが解決する場合、新しいバージョンに移行します。
新しいバージョンを使用して、リトライします。
リトライ開始したら、失敗した時点から再開することができます。
複数プロセスの同時実行
並列ゲートウェイを使用することで、複数のタスクを並行して実行し、それらすべてが正常に完了した後に、残りのプロセスに進むことができます。
例えば、以下に示すように、[採用予定者登録]タスクが完了すると、3つのタスクが同時に実行されます。
すべての実行が正常に完了したら、次のタスクである[トレーニングプランの作成]が実行されます。
並列実行に必要なライセンスについて
並列で実行するためには、該当するフォルダーに、並列実行するタスクと同数の無人実行ライセンスが必要です。
エラー対処と並列実行のデモ動画
エラー発生時の対処、及び並列実行のデモ動画が以下の通りです。
Qiitaへ埋め込み用😆 pic.twitter.com/Ddsn8JojJu
— uta (@utanesuke_papa) August 18, 2025
Maestro 分析手順
Maestroより、過去の実行状況を分析し、プロセスのパフォーマンスに関する知見を得ることができます。これらのダッシュボードは、注意が必要な領域を素早く特定し、効率を向上させるためにプロセスを最適化するのに役立ちます。
監視のダッシュボード
Maestro の [監視]タブでは、以下の項目を確認できます。
項目 | 説明 |
---|---|
インシデント数 | プロセス実行中に発生したインシデントの数を表示します。 |
完了インスタンス数 | 正常に完了したインスタンスの総数を表示します。 |
上位10件のフォールト要素 | プロセス内で最も多くエラーが発生した要素を一覧表示します。 |
実行時間が最も長い上位10件のアクティブインスタンス | 実行に最も時間がかかっているアクティブインスタンスを強調表示します。 |
平均実行時間が最も長い上位10件のアクティブインスタンス | 平均実行時間が最も長いアクティブインスタンスを表示します。 |
非アクティブインスタンスの平均実行時間 | 現在非アクティブなインスタンスの平均実行時間を提供します。 |
実行時間における上位10件の外れ値 | 他と大きく異なる実行時間を持つインスタンスを表示します。 |
ヒートマップ
Maestro のヒートマップは、BPMN モデル上に直接ビジュアルなインサイトを提供します。プロセスの各要素を実行時間の中央値に基づいて色分けし、非効率な部分を一目で見つけやすくします。
例:
プロセスの最適化
Maestro の [最適化] タブでは、すべてのエージェンティック プロセスの実行履歴を監視し、アクションの非効率性、ボトルネック、遅延を特定できます。
Orchestrator にプロセスをパブリッシュすると、Process Mining で作成したプロセス向けにプロセス最適化アプリが自動的に作成されます。
例:
最優先に関する詳細は以下のページをご参照ください。
最後に
本記事では、Maestroを活用した人事の「新規採用プロセス」の自動化について、設計から実行、そして分析までを一気通貫でご紹介しました。
Maestroは、単なるタスク自動化ツールではなく、人間・ロボット・AIが連携してビジネスプロセス全体を最適化する強力なプラットフォームです。
手作業の削減はもちろん、プロセスのボトルネックを可視化し、継続的な改善を可能にするMaestroの可能性を、今回の例から感じていただけたのではないでしょうか。
ぜひ、皆さんもご自身の業務でUiPath Maestroを体験してみてください。