皆さんごきげんよう。米国時間 11/8 日(日本時間 11/9 日深夜)、満を持して Visual Studio 2022 および .NET 6 がリリースされたことをお知らせいたします。
#ローンチイベント (2021/11/11 Update)
##Visual Studio 2022 ローンチイベント
日本時間 11/9 1:30 AM より、ローンチイベントが開催されました。キーノート「Scott Hanselman とゆかいな仲間たち」は以下より日本語字幕付きでご覧いただけます。
イベント全体はこちら
注 : YouTube 版もありますが、日本語字幕は Learn TV (Channel 9) のみ付与となっていますのでリンクを変更しました。YouTube がいいんだ!という方はこちらからどうぞ。
■ YouTube 版
https://www.youtube.com/watch?v=f8jXO946eDw
##.NET Conf
米国時間 11/9 - /10(日本時間 11/10-/11 日深夜)、.NET 6 のローンチをふくめた、.NET 関連最大のイベント ".NET Conf" が実施されました。
こちらも、すべてのセッションについて LearnTV にて日本語字幕付きでご覧いただけます。
#ダウンロード
Visual Studio 2022 は、以下よりダウンロード頂けます。(Community Edition はフリー、Professional および Enterprise 版はトライアル版がダウンロード可能です)
Visual Studio 2022 では、Windows アプリの開発、クロスプラットフォーム モバイルの開発、Azure の開発、Web とクラウドの開発などをサポートするためのさまざまな優れた機能や IDE 生産性拡張機能が新たに加わりました。ちなみに、Windows 365 でも動作します(後述の要件を満たしたレベルのサービスである必要あり)。
#Visual Studio 2022 のポイント
##1. コード編集とデバッグ サイクルの生産性の向上
VS 2022 は、特にこの開発時のコード編集と、デバッグサイクルの強化に取り組んでいます。その筆頭が IntelliCode です。IntelliCode は、AI ベースの開発支援コンパニオンで、タブキーを 2 タップするだけである程度のコードを補完してくれる仕組みです。特に、コード全体であり勝ちなパターン(たとえば、データベース接続とか、ある程度何度も繰り返して出てくるようなコード ブロックなど)を確認し、修正を提案してくれるなどしてくれます。これだけですべてを書いてくれるわけではないですが、ちょっとした毎回の繰り返しを補完してくれるだけでも、生産性がかなり変わってくると思います。
コードを変更したあとにいちいちビルドして変更を確認する時間は地味にフラストレーションがたまりますよね。そんな時は、Hot Reload です。Hot Reload は、すごく端的に言ってしまえばアプリ実行中にサポートされている変更を加えるだけで、編集内容を適用することができる機能です。(.NET および C++ で対応可能です。) Web Live Preview、Linux でのクロス プラットフォーム テストなどの新機能も含まれています。
Hot Reload のなにがいいって、コードを変えるたびにアプリの再デプロイとか、再起動する必要があるのは本当にストレスフルですが、それが解消されるだけで、開発がものすごく捗るところですね。個人的にイチ押しの機能です。
##2. IDE が念願の 64bit プロセスになりました (信頼性、スケーラビリティ、パフォーマンスが向上しています!)
個人的に大変うれしいところなのですが、Visual Studio の IDE プロセス自体(devenv.exe) 自体が、64bit プロセスになりました。今どき、結構大きなファイルを含んだりするソリューションは珍しくなくなっています。(ゲーム開発などでは、ビットマップも含みますし、エンタープライズ システムだと膨大な量のモジュールが含まれてて、ロードが死ぬほど遅いという経験もお持ちの方はいらっしゃるかと思います…)結果、devenv.exe 自体のプロセスがメモリ不足で落ちてしまったりすることもありました。しかし、Visual Studio 2022 は一味違います。10 年以上 64 bit 対応してよぉ!!と本社に掛け合っても毎回却下されていたことを思い出すと、ああついにやってくれたのか…としみじみ思います。
##3. クロス プラットフォーム開発
Visual Studio は、最新のプラットフォーム (Windows、Android、iOS、または Linux) 機能を利用するアプリを作成するための環境を提供します。
なお、Visual Studio 2022 では、互換性を考慮しています。Windows 10 など、以前のバージョンの Windows OS のプラットフォーム上で動作するアプリ開発なども対応可能です。
既存アプリを最新化するときにも、Visual Studio 2022 の拡張開発ツール、品質向上、チーム コラボレーションの機能を利用できます。 詳細については、以下ドキュメントを参照してください。
####Xamarin
Visual Studio 2022 には、Android 12、Apple Xcode 13 リリースの iOS、iPadOS、macOS、tvOS、そしてその両方に対応する最新の Xamarin.Forms サービスリリースの Xamarin サポートも含まれています。XAML Hot Reload も改善されています。
また、XAML ライブ・プレビューは、実行中のアプリケーションを Visual Studio 内でミラーリングする機能の一つで、レイアウト・ガイドの追加や、ピクセルレベルで揃えるために役立つズームが可能です。ライブ ビジュアル ツリーでは、UI の階層を確認したり、XAML ソースの位置を確認したりすることができます。
##4. 言語系アップデート
.NET 6 と VS 2022 の一部として、C#10 もリリースされました。
Visual Basic についても、デバッグや、プリプロセッサ シンボル用の IntelliSence の追加やリファクタリングまわりなど、開発にうれしいアップデートが図られています。
そして、わすれちゃいけない F#6 もリリースです。コンソールテンプレートがシンプルになっていたり、Ionide が、F#6 の機能と構文をサポートするようになったりしております。
##5. ASP.NET Core のアップデート(.NET 6)
Hot Reload や、Blazor の改善など様々なアップデートが図られています。
.NET 5 から、6 へのアップグレードについては以下をご覧ください。
#Visual Studio 2022 のシステム要件
Visual Studio 2022 は、同一環境にて以前のバージョンの Visual Studio (Visual Studio 2019、Visual Studio 2017、Visual Studio 2015、Visual Studio 2013、Visual Studio 2012 など) と共に、インストールして使用することができます。なお、インストール パッケージのサイズは現時点でのインストール対象環境内の Visual Studio の構成によって異なります。
###サポートされる OS
Visual Studio 2022 (Community、Professional、Enterprise) は、次の 64 ビット オペレーティング システムでサポートされています。
- Windows 11 バージョン21h2 以降: ホーム、Pro、Pro 教育、ワークステーション、Enterprise、教育のための Pro
- Windows 10 バージョン 1909 以上: Home、Professional、Education、Enterprise。
- Windows Server 2022: Standard および Datacenter。
- Windows Server 2019: Standard および Datacenter
- Windows Server 2016: Standard および Datacenter。
注 : 以下はサポートされていません。
- 32 ビットおよび ARM オペレーティング システム。
- Windows 11 Home in S モード、 Windows Enterprise IoT、 Windows 10 IoT Core、 Windows 10 Enterprise LTSC edition、 Windows 10 S、およびWindows 10 Team edition。 これらのエディションの Windows 上で実行されるアプリは、Visual Studio 2022 を使用してビルドできます。
- サーバー IoT、server Core、および Windows サーバーの最小サーバーインターフェイスオプション。
- Visual Studio Build Tools を除く、Windows コンテナー。
- 完全な Windows オペレーティング システムなしの仮想マシン環境での実行。
- Microsoft App-V for Windows やサードパーティ製のアプリ仮想化テクノロジなどの、アプリケーション仮想化ソリューション。
- 共有仮想デスクトップ インフラストラクチャ コンピューターやプールされた Windows Virtual Desktop ホストプールなど、複数のユーザーで同じコンピューター上のソフトウェアを同時に使用すること。
###ハードウェア要件
- 1.8 GHz 以上の 64 ビット プロセッサ。クアッドコア以上をお勧めします。 ARM プロセッサはサポートされていません。
- 4 GB 以上の RAM。 使用されるリソースには多くの要因が影響します。一般的なプロフェッショナルソリューションには 16 GB の RAM を使用することをお勧めします。
- Windows 365: 最小 2 vcpu と 8 GB の RAM。 4 vCPU と 16 GB の RAM を推奨します。
- ハード ディスク容量: 最小 850 MB、最大 210 GB の空き領域 (インストールされる機能により異なる。一般的なインストールでは、20 から 50 GB の空き領域が必要)。 パフォーマンスを向上させるには、Windows と Visual Studio をソリッドステートドライブ (SSD) にインストールすることをお勧めします。
- WXGA の最小解像度 (1366 768) をサポートするビデオカード。Visual Studio は 1920x1080 以上の解像度で最適に動作します。
###サポート言語
英語、簡体中国語、繁体中国語、チェコ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポーランド語、ポルトガル語 (ブラジル)、ロシア語、スペイン語、トルコ語で利用できます。 Visual Studio で使用する言語はインストール中に選択できます。 Visual Studio インストーラーは、上記と同じ 14 か国語で利用できます。利用できる場合、Windows の言語と一致します。
注 : Visual Studio Team Foundation Server Office Integration 2019 は、Visual Studio Team Foundation Server 2019 でサポートされている 10 か国語で利用できます。
###その他の要件
- Visual Studio をインストールするには、管理者権限が必要です。
- Visual Studio を インストール には、.NET Framework 4.5.2 以上が必要です。 * * Visual Studio では、.NET Framework 4.8 を実行する必要があります。 .NET Framework 4.8 がまだインストールされていない場合は、セットアップ時にインストールされます。
- 設計、編集、およびデバッグを含むユニバーサル Windows アプリ開発には、Windows 10 が必要です。 Windows Server 2019 および Windows Server 2016 を使用して、コマンドラインからユニバーサル Windows アプリを構築できます。
- Team Foundation Server 2019 Office Integration では、Office 2016、Office 2013、または Office 2010 が必要です。
###インストール オプション : オフラインでも可能です
Visual Studio Web インストーラーが利用できない場合などは、以下の二つの方法がとれます。
- 「全部ダウンロードしてからインストールする」(Download all, then install)機能を利用することでファイルをダウンロードしてから実施する
- コマンドラインからファイルのローカル キャッシュを作成する
なお、エンタープライズ環境などで、ファイア ウォールなどで環境が厳しく制限されているような環境で Visual Studio を展開したい場合は、オフライン インストールで必要な証明書をスクリプトで展開する際の一部として対応する方法と、ネットワーク インストール共有を作成して展開する方法を併せていただくことで対応可能です。
■ オフライン インストールに必要な 2Step
####プロジェクトを VS 2022 にアップグレードする
アップグレード パスに従っていただくことで、VS のソース、ソリューションおよびプロジェクトファイルは引き続き動作しますが、いくらかソース内に変更は入ることになり、リリース間のバイナリ互換性は保証されないなど注意点が存在します。以下をご覧ください。
#リリース リズム
Visual Studio の機能強化にはロードマップが公開されています。今後は、マイナーバージョンの更新プログラムを利用することで、Visual Studio の機能は継続的な強化が図られていきます。
Visual Studio のインストールと更新には、次の3つのオプションがあり、チャネルを選択すると、機能の更新を採用するタイミングを制御できます。
- 最新チャネル : ステーブルなバージョン
- プレビューチャネル : 新機能、バグ修正がいち早くリリースされます。フィードバック用。
- 長期的サービスチャネル(LTSC) : リリース後最大 18 ヶ月間、マイナー・バージョンのサポートを受けることができます。LTSC リリースには、セキュリティおよびバグの修正が含まれますが、追加の新機能は含まれません。必ずこちらをご参照ください。
例えば、プレビューチャネルと最新チャネルを同時にインストールして使用するなど、同じマシンに複数のチャネルを並べてインストールすることができます。ただし、Windows SDK などの一部の共有コンポーネントは、同一マシン上のすべてのチャネルで使用されることになりますので、動作確認の際には留意したほうがいいかもしれません。
各チャネルの更新は、Visual Studio 内に個別の通知が表示されます。また、Visual Studio インストーラーを使用して各チャンネルをアップデートすることもできます。インストールを IT 管理者が管理している場合は、IT 管理者がチャネルの選択を制御することもできます。
図 : Visual Studio チャネルとリリース リズム
- LTSC リリース
LTSC | Relase Date (*1) | End of Support (*1) |
---|---|---|
version 17.0 | TBD | TBD |
ちなみに、使用しているVisual Studioアップデートのエディション、チャネル、バージョンは、「ヘルプ」→「バージョン情報」で確認できます。エディションとチャンネルは、例えば「Visual Studio Professional 2022 Current Channel」のように表示されます。バージョン番号は、最初の数字でVisual Studioのメジャーバージョン("17")、2番目の数字でマイナーアップデートバージョン("17.1")、3番目の数字でサービスアップデート("17.1.5")が表示されます。プレビューチャンネルを使用している場合は、バージョン番号の後にプレビューリリースが表示されます(「17.2.0 Preview 2.0」)。
#Visual Studio 2022 の各エディションの比較
- Visual Studio for Mac の詳細情報については、こちらのページをご参照ください。
- サブスクライバーの特典の詳細についてはこちらから
- Visual Studio の価格はこちらから
- Visual Studio 2022 プロジェクトのサポートについてはこちらから
- Community Edition の詳細については、Visual Studio Community ライセンス条項をご参照ください。
注 :
- エンタープライズ組織とは、PC 250 台超、または年間収入 100 万米ドル超の組織です。
- Windows デスクトップ、ユニバーサル Windows アプリ、Web (ASP.NET)、Office 365、ビジネス アプリケーション、Azure Stack、C++ クロス プラットフォーム ライブラリ開発、Python、Node.js、.NET Core、Docker ツール
- 他の Visual Studio エディションで生成されたダイアグラムを読み取り専用モードで開くことが可能
- 階層の相互作用のプロファイリングを含む
#Visual Studio 2022 for Mac は Preview 3 : 近日中に M1 プロセッサのネイティブサポートを開始します!
Visual Studio for Mac は、2021 年 11 月 9 日現在、Preview 3 となります。開発チームは現在、Apple M1 プロセッサのネイティブ サポートに取り組んでいます。将来のプレビューでまもなく利用可能になる予定です。
ダウンロードはこちらから
#注意点 : Visual Studio サービスと異なるライセンスおよびサービス、サポート、ライフサイクルのポリシーを持つコンポーネント
Visual Studio および Visual Studio for Mac には、多くのプラットフォーム向けの開発を可能にするコンパイラ、言語、ランタイム、環境、およびその他のリソースやツールのコレクションが含まれています。Visual Studio の利用者の皆様への便宜のため、以下のリストにあるコンポーネントは Visual Studio と一緒にインストールすることができますが、これらのコンポーネントには独自のライセンスおよびサービス、サポート、ライフサイクルのポリシーが適用されることは意外に忘れがちなポイントです。以下のリストは、独自のポリシーによって管理されている Visual Studio で使用されるコンポーネントの全リストではなく、よく利用されているものをピックアップしています。
※ 注 : Visual Studio によってインストールされるものの、ライフサイクル・データベースに明示的なライフサイクル・ポリシーがない Microsoft コンポーネントについては、サポートされるバージョンは、現在ダウンロード可能な最新バージョンを示しています。
Compilers & Languages | Runtimes & Environments | Other Resources | Other Resources |
---|---|---|---|
.NET Core | Microsoft Azure | Android NDK | Miniconda |
.NET Framework | Exchange | Android SDK | mingit |
ASP.NET Web Stack | Office | Application Insight | Ninjam |
CMake | SQL Server | Cocos Creator | Online Services |
Entity Framework | Unreal Engine | Dotfuscator Community Edition | SignalR |
Python | Web Optimization Framework | Git for Windows | Unity Tools for Visual Studio |
SharePoint | Windows | IncrediBuild | WebGrease |
TypeScript | Windows Server | JSON Web Token Handler for the Microsoft .Net Framework | Windows SDK |
Xamarin | NuGet |
#参考情報
Visual Studio 2022 の各エディションの比較
Visual Studio 2022 version 17.0 Release Notes
(※ 日本語版はまだ翻訳が完了していないため、プレビュー版のページになっているため英語版をご参照ください)
Visual Studio Administrator Guide
プロダクト ライフサイクル
システム要件
言語系 Update
それではみなさん、ごきげんよう。VS2022 エンジョイしてくださいませ!