ご挨拶
こんにちは。たいちゃんです。
もうすぐ新年ですね。
今回は前回の『『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その4〜』で取り上げた、『図形C』と『図形D』の拘束箇所と力の方向を変化させてFEMをかけてみたときのことを投稿してみたいと思います。
前回迄の投稿はこちら
『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その4〜1
『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その3〜2
『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その2〜3
『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その1〜4
更に参考となる過去の投稿はこちら
FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その15
FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その26
FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その37
前回迄の注意事項
前回迄の注意事項として、3DCADデータを作成したときと今回のFEM(有限要素法)をかけたときではPC自体には変更はありません。しかし、OS等はバージョンアップされています。その為、動作環境を記載しておきます。
動作環境
PC本体
- m-Book X400-HS (CPU : Core i7-8565U メモリ : 16GB)
で変更なし
3DCADデータを作成したとき
- Debian GNU/Linux10(buster)
- FreeCAD 0.18
FEMを3DCADデータにかけたとき
- Debian GNU/Linux12(bookworm)
- FreeCAD 0.20.2
また、FEM(有限要素法)ですが、Wikipediaの有限要素法の項目を見てみましたが、流石によく分かりません。どうも小さな領域に分けて微分方程式の近似解を得るものらしいのですが、そもそも微分方程式をよく理解してません。〜その1〜4のまとめでも書きましたように材料力学の教育もほぼ受けてないというのもあるのでしょうか。
今回使用する図形について
今回はFreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その26で作成した『図形C』と『図形D』を使用します。(※『図形A』、『図形B』は『〜その1』5、『図形E』は『〜その3』7で出てきます。)
作り方はどちらも『Sketcher+Partの押し出し』で作成したものです。形状の詳細はリンクをご参照下さい。
『図形C』について
この図形は簡単に説明すると、底面がφ10mm、高さが10mmの円筒形です。
具体的には上図のような図形です。
『図形C』の変位を変化させてみよう!
また、『逆方向』のチェックボックスを有効にし、奥から手前へ力がかかるようにしてみました。
こちらについても前回迄の操作を踏まえ、『CCX_Results』で解析結果が見られる状態にしておきます。また、図形の『透明度』は90に予め設定しておきます。更に、『結果タイプ』については今回も『Displacement Magnitude』を選択しておきます。『変位』のところの『表示』にチェックを入れ、『スライダー最大値』をデフォルトの1000倍の100000.0にしておきます。その後、『係数』のスライダーを上限一杯、『スライダー最大値』になる迄右に動かします。
この解析結果で『Displacement Magnitude』の場合、最小:0.00mm、最大:125.44nmでした。
(※今回も最小は0.00ということもあり、mmオーダー、最大はnmオーダーです。)
『図形C』の材質を変化させてみよう!!
今度は材質を変化させてみましょう。同条件で材質をPLAからABSに変更します。
再解析後、『Displacement Magnitude』のとき、最小:0.00mm、最大198.19nmとなりました。PLAのときは最大:125.44nmですので、『図形C』のときもABS/PLAの最大同士ではおよそ1.5〜1.6倍となっていました。
メッシュの画像の変位もABSの方が大きくなっているようです。
『ヤング係数』はPLAが3640.00MPa、ABSが2300.00MPaです。『ヤング係数』は大きいと変化(ひずみ)が少なくなる数値とのことです。こちらもPLA/ABSの『ヤング係数』で計算すると1.5〜1.6倍になっています。
『図形D』について
この図形は簡単に説明すると、『図形C』をZ方向から肉厚2mmになるように中抜きをした図形です。具体的にはこの3DCADデータはφ10mm、高さ10mmの円筒形をφ6mm、高さ10mmの円筒形で中心から抜いたものです。
上図のような図形です。
『図形D』の変位を変化させてみよう!
力の方向も『図形C』同様に側面に対し、奥から手前へ力がかかるようにしてみました。
例によって『CCX_Results』で解析結果が見られる状態にしておきます。また、図形の『透明度』は90に予め設定しておきます。更に、『結果タイプ』については今回も『Displacement Magnitude』を選択しておきます。『変位』のところの『表示』にチェックを入れ、『スライダー最大値』をデフォルトの1000倍の100000.0にしておきます。その後、『係数』のスライダーを上限一杯、『スライダー最大値』になる迄右に動かします。
この解析結果で『Displacement Magnitude』の場合、最小:0.00mm、最大:209.80nmでした。
『図形D』の材質を変化させてみよう!!
続いて材質を変化させてみましょう。同条件で材質をPLAからABSに変更します。
再解析後、『Displacement Magnitude』のとき、最小:0.00mm、最大332.15nmとなりました。PLAのときは最大:209.80nmですので、『図形D』のときもABS/PLAの最大同士ではおよそ1.5〜1.6倍となっていました。
こちらもメッシュの画像の変位については、PLAのときより大きくなったように見受けられます。
その5のまとめ
今回はここ迄にしたいと思います。今回用いた図形は前回同様、円筒形をもとにしていました。その中で拘束箇所と力の方向を変化させてみました。前回の条件とは違った変化の仕方があって面白かったです。また、前回迄の結果同様、中抜きの有無では『図形D』(中抜き有り)>『図形C』(中抜き無し)と変化に差が出ました。
今回意外だったのは、円は力に強い図形と見聞きしていたのですが、そのような結果になっていなかったことです。例えば『〜その1〜』4で取り上げた『図形A』(幅×奥行き×高さ=40mm×50mm×30mmの直方体)は変位が最大:-64.80nmでした。対して今回の『図形C』は変位が最大:125.44nm(共に材質はPLA)となり、『円』を用いている『図形C』の方が変化が起こり易いという結果になりました。理由は現時点では私には分かりません。
また今回も材質を変えた場合も変えた後と変える前の比は今回も概ね一致していると思います。
最後迄お付き合い下さり有難うございました。
参考資料
- Debian https://www.debian.org/
- Gmsh https://gmsh.info/
- FREECAD A MANUAL https://www.freecad.org/manual/
- FEM CaluculiX Cantilever 3D https://wiki.freecad.org/FEM_CalculiX_Cantilever_3D
- FEM Workbench https://wiki.freecad.org/FEM_Workbench
- Manual:Ceating FEM analysis https://wiki.freecad.org/Manual:Creating_FEM_analyses
- Wikipedia 有限要素法 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E9%99%90%E8%A6%81%E7%B4%A0%E6%B3%95
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