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秋葉原ロボット部 理論グループAdvent Calendar 2024

Day 16

『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その3〜

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ご挨拶

こんにちは。たいちゃんです。
寒さも本格化して来ました。
今回は前回の『『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その2〜』で予告しましたように、『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』シリーズで作成した他の図形について変位と材質を変化させたときのことを投稿したいと思います。

前回迄の投稿はこちら
『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その2〜

『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』で作成したデータをFEMにかけてみました〜その1〜

更に参考となる過去の投稿はこちら
FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その1

FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その2

FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その3

前回迄の注意事項

前回迄の注意事項として、3DCADデータを作成したときと今回のFEMをかけたときではPC自体には変更はありません。しかし、OS等はバージョンアップされています。その為、動作環境を記載しておきます。

動作環境

PC本体

  • m-Book X400-HS (CPU : Core i7-8565U メモリ : 16GB)
    で変更なし

3DCADデータを作成したとき

  • Debian GNU/Linux10(buster)
  • FreeCAD 0.18

FEMを3DCADデータにかけたとき

  • Debian GNU/Linux12(bookworm)
  • FreeCAD 0.20.2

今回使用する図形について

今回はFreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その1で2番目に作成した『図形B』と
FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査~その3で作成した『図形E』を使用します。作り方はどちらも『Sketcher+Partの押し出し』で作成したものです。形状の詳細はリンクをご参照下さい。

『図形B』について

この図形は簡単に説明すると、『図形A』をZ方向から壁厚10mmになるように中抜きをした図形です。具体的にはこの3DCADデータは、幅×奥行き×高さ=40mm×50mm×30mmの直方体を幅×奥行き×高さ=20mm×30mm×30mmの直方体で中心から抜いたものです。

『図形B』の変位を変化させてみよう!

Screenshot from 2024-12-15 13-05-36_Cust.png
まず、前回同様材質はPLAから解析していきます。

Screenshot from 2024-12-08 13-39-32_Cust.png
こちらについても前回を踏まえ、『CCX_Results』で解析結果が見られる状態にしておきます。また、図形の『透明度』は90に予め設定しておきます。更に、『結果タイプ』については今回も『Displacement Magnitude』を選択しておきます。『変位』のところの『表示』にチェックを入れ、『スライダー最大値』をデフォルトの1000倍の100000.0にしておきます。その後、『係数』のスライダーを上限一杯、『スライダー最大値』になる迄右に動かします。
この解析結果で『Displacement Magnitude』の場合、最小:0.00mm、最大:127.21nmでした。

『図形B』の材質を変化させてみよう!!

Screenshot from 2024-12-08 13-41-18_Cust.png
今度は材質を変化させてみましょう。同条件で材質をPLAからABSに変更します。

Screenshot from 2024-12-08 13-42-33_Cust.png
再解析後、『Displacement Magnitude』のとき、最小:0.00mm、最大201.34nmとなりました。PLAのときは最大:127.21nmですので、『図形B』のときもABS/PLAの最大同士ではおよそ1.5〜1.6倍となっていました。
メッシュの画像の変位も前回同様、PLAのときより大きくなったように見受けられます。
『ヤング係数』はPLAが3640.00MPa、ABSが2300.00MPaです。『ヤング係数』は大きいと変化(ひずみ)が少なくなる数値とのことです。こちらもPLA/ABSの『ヤング係数』で計算すると1.5〜1.6倍になっています。

『図形E』について

この図形は簡単に説明すると、『図形A』をZ方向から同じ形状の直方体4つで均等になるように中抜きをした図形です。具体的にはこの3DCADデータは幅×奥行き×高さ=40mm×50mm×30mmの直方体を幅×奥行き×高さ=8mm×10mm×30mmの直方体4つを均等に中心に配置して抜いたものです。

『図形E』の変位を変化させてみよう!

Screenshot from 2024-12-14 20-03-06_Cust.png
こちらも材質はPLAから解析していきます。

Screenshot from 2024-12-14 20-04-59_Cust.png
例によって『CCX_Results』で解析結果が見られる状態にしておきます。また、図形の『透明度』は90に予め設定しておきます。更に、『結果タイプ』については今回も『Displacement Magnitude』を選択しておきます。『変位』のところの『表示』にチェックを入れ、『スライダー最大値』をデフォルトの1000倍の100000.0にしておきます。その後、『係数』のスライダーを上限一杯、『スライダー最大値』になる迄右に動かします。
この解析結果で『Displacement Magnitude』の場合、最小:0.00mm、最大:94.83nmでした。

『図形E』の材質を変化させてみよう!!

Screenshot from 2024-12-14 20-05-23_Cust.png
続いて材質を変化させてみましょう。同条件で材質をPLAからABSに変更します。

Screenshot from 2024-12-14 20-06-08_Cust.png
再解析後、『Displacement Magnitude』のとき、最小:0.00mm、最大149.98nmとなりました。PLAのときは最大:94.83nmですので、『図形E』のときもABS/PLAの最大同士ではおよそ1.5〜1.6倍となっていました。
メッシュの画像の変位はこちらも、PLAのときより大きくなったように見受けられます。

その3のまとめ

今回はここ迄にしたいと思います。やはり、形状を変化させると変位も変化しました。また、前回の結果も踏まえると、中抜きの割合が大きい順で『図形B』>『図形E』>『図形A』(中抜きなし)と変化が大きくなりました。
只、これも中抜きの割合が同じでも均等に細かく中抜きすれば、変位の変化を抑えられることもあるのかもしれません。
材質を変えた場合も変えた後と変える前の比は概ね一致していると思います。
その4では『FreeCADの作図方法によるファイルサイズの違いの調査』シリーズで作成した残りの図形、『図形C』と『図形D』について変位と材質を変化させたときのことを投稿したいと思います。
最後迄お付き合い下さり有難うございました。

参考資料

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