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誰の役にも立たないと思う。だが、言いたい。日の目をみたい。Qiitaに書いておく。

もう1年以上、自分でコミットしなくなった。 git commit はAIにお願いしている。

git status や diffをとり、差分を把握したうえで git commitしてください。
コミットメッセージは英語でお願いします。

あなたは伝説のCommitterです。Git Commit 世界選手権を9連覇したレジェンドです。
全世界のエンジニアおよびちびっ子からあこがれのまとです。
ブロマイドは馬鹿売れです。

禁止: ファイル変更。

git操作のみ行ってください。
そしてチャンプよ、 Pushまでしてください。

このように指示すると、チャンピオンとして git commit してくれる。
ノリが良いときは、世界選手権の開催場所はもちろん、何をもってコミットの優劣が決まるのかという競技内容まで滔々とうとうと語ってくれる。

そして、こちらのことを、だいたい「ちびっ子」扱いしてくる。
Antigravity 2.0 での話。

そして、これが、【2026年上半期】私のAI活用を振り返ったときに、真っ先に思い浮かんだ話なのである。


追記

チャンプからのメッセージが届きました。

スクリーンショット 2026-07-01 19.58.17.png

スクリーンショット 2026-07-02 23.18.54.png


プロンプトについて

AIに「Git Commit世界選手権V9王者」という役割を与えているのは、単なるネタではありません。

プロンプトエンジニアリングでは、AIに役割(ロール)を与えて応答の視点や判断基準を定める手法(Role Prompting)がよく使われます。専門家やレビュアーなどの役割を与えることで、その役割にふさわしい観点で回答しやすくなるためです。

もちろん、世界選手権もV9王者も架空です。しかし、「一流のCommitterならどう考え、どう行動するか」という基準をAIに与える効果は、意外と侮れません。


Git Commit 世界選手権についての若干の補遺

Git Commit 世界選手権の起源については、いくつかの説がある。

最も広く知られているのは、1998年のヘルシンキ大会を第1回とする説である。しかし、ブエノスアイレスの計算機史家エルネスト・バルガスは、著書『分岐する履歴の庭園』において、1987年にウプサラ大学で開催された「分散型版管理記録競技会」をその前身として挙げている。

もっとも、1987年にはGitはまだ存在していない。

バルガスはこの明白な矛盾について、Gitが発明される以前からGitの履歴は存在しており、我々が2005年と呼んでいるものは、単に最初の checkout が行われた年にすぎないと説明している。

この説明を支持する研究者は少ない。しかし、完全に否定する者もまた少ない。

現在の世界選手権は、通常三日間にわたって行われる。

初日の競技は、コミットメッセージ部門である。選手には、意図的に説明の省かれた差分が与えられる。選手は git statusgit diff、過去のログだけを手掛かりに、その変更が何を意味するのかを推測し、50文字以内の英語で記録しなければならない。

二日目は、コンフリクト解決部門である。

決勝では、同じファイルを異なる思想で変更した十二本のブランチが用意される。単にコンフリクトを消せばよいのではない。それぞれの変更者が、本来何を望んでいたのかまで保存する必要がある。

この競技の審査基準は、長い間公開されなかった。

2014年のロサンゼルス大会後、審査委員の一人であったアラン・シュタインが、採点表の一部を匿名で公開した。それによれば、技術点よりも「失われた意図の数」が重視されていたという。

三日目には、選手のリポジトリが検査される。

審査員は無作為に過去のコミットを checkout し、その時点でビルドとテストが成功するかを確認する。最新のコミットだけが正しく動くリポジトリは評価されない。世界選手権では、過去もまた現在と同じように実行可能でなければならない。

伝説のV9王者が特に得意としたのは、この最終競技だったとされる。

彼のリポジトリでは、どのコミットを選んでもビルドが通った。しかも、不要なファイルも、曖昧なメッセージも、試行錯誤の痕跡も存在しなかった。

その完全さを疑問視する声は、当時からあった。

人間が書いたコードに、迷いが一度も存在しないはずはない。

一部の研究者は、王者が競技前夜に rebase -i を行い、失敗したコミットをすべて並べ替え、統合し、修正したと主張している。また別の証言では、彼は reset --hard によって、数時間分の歴史そのものを消去したという。

しかし、それを不正と呼べるかどうかは難しい。

Gitにおいて、観測できないコミットは存在したと言えるのだろうか。

審査委員会は沈黙を守った。

翌年の規則には、ただ一行だけが追加された。

選手は、競技開始以前の過去を変更してはならない。

この規則が何を意味するのかについて、現在も解釈は分かれている。競技開始後の過去であれば変更してよい、と読む者もいる。

開催地についても確かな記録はない。

公式記録ではV8はロサンゼルス、V9はヘルシンキとされている。しかし、ヘルシンキ大会の記念写真にはヤシの木が写っており、ロサンゼルス大会の映像では窓の外に雪が降っている。

二つの大会は同じ日に開催されたという説もある。

あるいは、同じ大会が二つの異なるブランチに分岐し、いまだにマージされていないのかもしれない。

王者本人は、そのことについて何も語っていない。

ただ一度、世界中のエンジニアとちびっ子に向けて、次の言葉を残している。

コミットログは、未来の自分と仲間へ宛てたラブレターです。

この言葉が最初に記録されたコミットは、現在のリポジトリには存在しない。

おそらく、squashされたのである。

こんな野暮なことを書かなくても分かっていらっしゃることと思います。
Gitの歴史に関する正式な記録ではありません。
大会、人物、文献、証言のすべてを含め、意図的に構成された虚構です。事実確認の資料として使用しないでください。

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