はじめに:PMは「何をすべきか」から「どうあるべきか」へ
これまでの4回の記事では、プロジェクトを成功に導くための具体的な手法(計画、進捗管理、見積もり、リスク管理)を学びました。
しかし、これらの手法をただ実行するだけでは、良いプロジェクトマネジメントにはなりません。私が本を読んでたどり着いた結論は、**「PMのゴールは完璧な計画を立てることではなく、変化に対応しながらチームをゴールに導くことだ」**ということです。
この記事では、良いプロジェクトマネジメントの本質を理解するために必要だと感じた3つの視点について説明します。
1. 良いPMが持つべき3つの視点
視点①:プロジェクト全体を俯瞰する「全体像の視点」
計画を立てることは、プロジェクトの全体像を把握するための第一歩です。しかし、それだけでは不十分です。
- 計画:プロジェクトの地図を描く
- 進捗管理:地図に現在地を記す
- 見積もり:地図に描かれていない道を予測する
- リスク管理:地図に潜む危険を事前に察知する
これらの活動はすべて、プロジェクトの全体像を常に把握し、チームを正しい方向に導くための羅針盤となります。良いPMは、個々のタスクに没頭するだけでなく、常に一歩引いた「全体像の視点」を持ち、プロジェクトがどこに向かっているのかを把握しています。
視点②:チームの「人」を活かす「コミュニケーションの視点」
計画通りにプロジェクトを進めるには、チームメンバーとの対話が欠かせません。
- 見積もり:一人で考えるのではなく、チームメンバーと議論することで精度が上がります。
- 進捗管理:デイリースタンドアップミーティングなどを通じて、メンバーの状況や課題を把握できます。
良いPMは、メンバーから一方的に報告を受けるだけでなく、彼らの意見を尊重し、課題解決をサポートすることで、チームの力を最大限に引き出します。
視点③:不確実性に対応する「柔軟性の視点」
どんなに綿密に計画を立てても、予期せぬトラブルは必ず起こります。
良いPMは、完璧な計画を立てることに固執しません。
- 計画は常に修正されるものだと理解する
- リスクを事前に洗い出し、柔軟に対応できるように準備する
不確実性に対応する「柔軟性の視点」を持つことで、プロジェクトは手戻りで疲弊することなく、安定して進めることができます。
2. これまでの知識を「実践」に活かす
良いプロジェクトマネジメントとは、以下のサイクルを回し続けることです。
- 計画を立てる:全体像を把握し、タスクを分解する。
- 進捗を管理する:日々の進捗を可視化し、問題を早期に発見する。
- リスクを管理する:予期せぬ事態に備え、対策を立てる。
- 計画を調整する:進捗やリスクの状況に合わせて、計画を柔軟に修正する。
このサイクルを回すことで、あなたのプロジェクトはよりスムーズに、そして確実にゴールへ向かうでしょう。
まとめ:PMは「完璧」を求める仕事ではない
本を読んで私が一番心に残ったのは、PMはすべてを完璧にコントロールする超人ではなく、チームの羅針盤となる存在だということです。
- 完璧な計画よりも、変化に対応できる柔軟な姿勢
- 個人の能力よりも、チームの力を引き出すコミュニケーション
これこそが、良いプロジェクトマネジメントの本質だと私は学びました。この5回の記事が、あなたのPM学習の第一歩となり、今後のプロジェクトを成功に導くヒントとなれば嬉しいです。
参考書籍
この記事は以下の書籍の内容を参考にしています。
-
『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』
- 著者:橋本 将功
- 出版社:翔泳社