はじめに
「Slack MCP」で検索すると、公式のもの、サードパーティのもの、いろいろ出てくる...
どれを選べばいいのか、セキュリティ的にはどれが安全なのか、ローカルで動かすのとクラウドで動かすのは何が違うのか...
同じように迷っている方もいるかもしれないので、調べたことをまとめます。
Slack MCPの種類
Slack連携できるMCPにはいくつか種類があります。
AIに作ってもらった表が以下です↓
| MCP実装 | ローカル 実行 |
クラウド 実行 |
特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 公式 slack-mcp-server |
✅ | △ (自前構築) |
・メッセージ送信 ・チャンネル一覧 ・履歴取得 ・安定性が高い |
・安定性重視 ・長期運用したい ・基本機能で十分 |
| smithery-ai-slack | ✅ | ✅ (Smithery Cloud) |
・セットアップが簡単 ・ワンコマンドで導入 ・基本機能のみ |
・とにかく簡単に始めたい ・初心者 ・個人利用 |
| slack-explorer-mcp | ✅ | △ (自前構築) |
・日付指定検索 ・アクティビティ分析 ・ファイル情報取得 ・高度な検索機能 |
・過去ログ検索したい ・データ分析したい ・高機能を求める |
取得できる情報に違いがあるだけでなく、
表を見てもわかるようにMCPの実行環境にも違いがありました。
どんな違いなのか以下で見ていきます。
「ローカル実行」 vs 「クラウド実行」
MCPサーバーをどこで動かすかによって、セキュリティやセットアップの難易度が変わります。
ローカル実行
┌─────────────────────┐
│ あなたのPC │
│ ┌──────────┐ │
│ │ MCP │ │
│ │ Server │ │
│ └─────┬────┘ │
│ │ │
│ SLACK_BOT_TOKEN │
│ (環境変数) │
└────────┼────────────┘
↓ HTTPS
┌─────────┐
│ Slack │
└─────────┘
メリット:
- トークンが自分のPC内で完結し、外部に漏れるリスクがない
- データの流れを完全に把握・コントロールできる
- 社内のセキュリティポリシーに準拠しやすい
デメリット:
- 環境構築に多少の手間がかかる
- PC起動時のみ動作する(常時稼働には別途構築が必要)
ちなみに、ローカル実行にも2種類あります。
-
プロセスとして直接起動 (例: npx @modelcontextprotocol/server-slack)
- Node.jsやPythonの実行環境が必要
- セットアップは比較的シンプル
-
Dockerコンテナで実行 (例: docker run )
- 環境の分離や再現性が高まる
- Docker環境が必要
クラウド実行(外部MCPサービス)
┌─────────────────────┐
│ あなたのPC │
│ トークン設定 │
└────────┼────────────┘
↓ HTTPS
┌────────┴────────────┐
│ 外部MCPサービス │
│ (Smithery Cloudなど) │
│ トークン保持 ⚠️ │
└────────┼────────────┘
↓ HTTPS
┌─────────┐
│ Slack │
└─────────┘
メリット:
- セットアップが非常に簡単(ワンコマンドで完了)
- サーバー管理が不要
- PCを起動していなくても動作可能(サービスによる)
デメリット:
- トークンを外部サービスに預ける必要がある
- サービス提供者のセキュリティ対策に依存する
- 社内のセキュリティポリシーに抵触する可能性がある
会社のSlackを使う予定だったので、セキュリティを考慮してローカル実行を選びました。トークンを外部に渡すリスクを避けるためです。
最終的な僕の選択
セキュリティ面
- トークンが外部サービスに保存されるリスク
- 通信経路(直接 vs サービス経由)
- 社内のセキュリティポリシーとの整合性
Smithery Cloudは便利そうでしたが、会社のSlackトークンを外部サービスに預けることになるので、今回は見送りました。
機能面
最初は「公式が無難かな」と思っていましたが、過去のメッセージを日付指定で検索したいという要件があり、結局 slack-explorer-mcp を選びました。
まとめ
- 実行環境(ローカル vs クラウド)でセキュリティリスクが変わる
- 会社のSlackならローカル実行が無難
- slack-explorer-mcpは日付検索・分析機能が便利
この記事が同じように迷っている方の参考になれば幸いです。