目次
- EPSG を紐解く (1) 〜 はじめに
- EPSG を紐解く (2) 〜 基準系、楕円体、本初子午線
- EPSG を紐解く (3) 〜 座標参照系(測地座標参照系、鉛直座標参照系)、座標系
- EPSG を紐解く (4) 〜 座標参照系(投影座標参照系)、投影演算
- EPSG を紐解く (5) 〜 座標参照系(複合座標参照系)
- EPSG を紐解く (6) 〜 座標変換、 towgs84 句
座標参照系 (Coordinate Reference System)
JGD2011 関係の座標参照系 (CRS) のち、測地座標参照系(地心座標参照系、地理座標参照系)および鉛直座標参照系に関しては下記のものがそれぞれ登録されています。
- 地心座標参照系
- CRS:6666 JGD2011 (geocentric)
- 地理座標参照系
-
CRS:6667 JGD2011 (geographic 3D)
- 緯度、経度、楕円体高
-
CRS:6668 JGD2011 (geographic 2D)
- 緯度、経度
-
CRS:6667 JGD2011 (geographic 3D)
- 鉛直座標参照系
これらに関わる主なレコードについて、 EPSG に登録されているものを整理すると下記になります。( Usage / Area などや各値の単位などは省略)
基準系 (Datum)
基準系に関しては前回の記事で取り扱いました。
座標系 (Coordinate System)
EPSG では座標参照系 (CRS) と座標系 (CS) はまったくの別物として扱われています。原典にあたれていないので詳しくはわかりませんが、 EPSG Dataset は ISO 19111 に準拠しているので、 ISO 19111 でもはっきりと区別されているはずです。
EPSG 上の座標系 (CS) には下記などがあり、軸の取り方、向き、軸の順序、座標値の単位などを表したものです。
- 直交座標系
- 楕円体座標系(地理座標系)
- 鉛直座標系
前述の図を見ていただくとわかりますが、 epsg_coordinatesystem
には各軸の情報を表す epsg_coordinateaxis
/ epsg_coordinateaxisname
が関連付いており、どのような軸をもった座標系か説明しています。
GIS では座標参照系の軸の順序 (axis order) 問題があり、伝統的に横軸、縦軸の順とされていることが多いですが、 EPSG に登録されている情報を正しく読み取ると、地理座標系は latitude-longitude の順ですし、平面直角座標系で使用されている CS:4530 では Northing-Easting の順が正しい順となります(実際にも、告示による平面直角座標系の定義ではこの順)。
座標参照系の換算 (Conversion)
もっとも一般的に使われている緯度経度座標系である CRS:6668 JGD2011 (geographic 2D) には、 base_crs_code : 6667
, projection_conv_code : 15593
が含まれており、 CRS:6667 をベースとして Operation:15593 の演算を行って得られた座標参照系となっています。
同様に CRS:6667 JGD2011 (geographic 3D) は base_crs_code : 6666
, projection_conv_code : 15592
であり、 CRS:6666 をベースに Operation:15592 されたものです。
換算処理について詳しくは次の記事の投影座標参照系のところでもう少し詳しく説明します。
次の記事
次は投影座標参照系について扱います。