これ最後、「ただいま混み合っておりますのでもう一度おかけ直しいただくか、このまましばらくお待ち下さい」ってなるアレですね。混み合ってるっていうのは、たぶんボス戦の最中でポーズできないとかの理由でしょうけど。
インターフェースが同じ軽量なオブジェクトを挟むことで、何らかの負荷対策を行うのが Proxy パターンです。めもりーちゃんの発明した電話対応ロボは、本当に必要になるまで実体へのアクセスを行わないことで、負荷対策に役立っています。
ほかにも、データ構造にいちいち実体を生成するのではなく、軽量な Proxy を差し込んでおいて、それが遅延評価したり、同じ重量級オブジェクトを参照するようにする、といった手も考えられます。これは Proxy が Flyweight パターンの実現手段となるパターンです。
逆に、混み合うリソースへのアクセスを分散する Proxy も考えられます。単純にメモ化してキャッシュもありですね。結果さえ返せれば、Proxy の先は何でもいいのです。(GoF のみなさん「その他」でまとめてサボりたかったのかな)
Proxy は Adapter や Decorator とは目的が異なり、かならずしもラップ対象に委譲するわけではない、というのがポイントです。Adapter / Decorator の目的が「本来の機能への委譲」「本来の機能の拡張」なのに対して、Proxy の目的は「対外的な結果を変えずに、いかに本来の機能をサボるか」なのです。
Decorator パターンと意味区別が難しい局面もあるので、実装に対して、明確にどちらのパターンだと言い切れないこともあります。それは裏を返せば、デザインパターンで大事なのは、形ではなく意図なんだということですね。