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【SAPUI5】UI5 Toolingを使ってみる

Last updated at Posted at 2020-03-11

UI5 Toolingとは

SAPUI5アプリを開発するための環境が2種類あります。

  • WebIDE
  • ローカルIDE(Visual Studio, Atomなど)

※2020/9/5追記:現在はSAP Business Application Studioも使えます。

UI5 Toolingは、ローカルIDEでOpen UI5またはSAPUI5アプリを開発するためのツールです。Node.jsのモジュールとして提供されています。

GitHub
Document

UI5 Toolingを使ってみるシリーズの記事

UI5 Toolingを使ってみようと思ったきっかけ

2019年のUI5conの動画を見ていて、登壇者の多くがローカルIDEを使っているのに気づきました。Node.jsはオープンソースなので、さまざまな開発者がUI5関連のモジュールを開発しては公開しているようです。これらのモジュールを試してみるには、ローカルIDE + Node.jsという環境が必要ではないかと思ったのがきっかけです。

なお、私はNode.jsは初心者で、「npm installで必要なモジュールを入れる」という程度の理解です。

WebIDEで困っていること

私は今のところローカルIDEに乗り換えるまでのモチベーションはないのですが、WebIDEで困ったのは以下の点です。

  • SCPの不具合(?)で、Buildができないことがあった
  • SCPのパスワードがわからなくなってしまい、不運も重なり丸一日ログインできなかった

WebIDEを使うと自分でコントロールできない部分が出てきてしまうので、それがどうしても困る場合はローカルIDEを使うのもありだと思います。

環境設定

今回利用した環境は以下です。

自宅の環境で実施しています。
会社のプロキシ環境では設定が変わるところがあるのでご注意ください。(プロキシ環境での設定内容は以下のブログを参照)

今回のゴール

以下のブログを参考に、UI5 Toolingをインストールして使ってみます。
End-To-End setup of local development environment with UI5 Tooling
End-To-End setup of local development environment with UI5 Tooling – Part 2

ステップ

  1. 事前準備:グローバルに使うモジュールをインストールする
  2. プロジェクトを格納するためのフォルダを作成
  3. プロジェクトのテンプレートを生成する
  4. 使用するライブラリのバージョンを指定する
  5. ソースの変更がすぐにブラウザに反映されるようにする

1. 事前準備:グローバルに使うモジュールをインストールする

以下のモジュールをインストールします。

@ui5/cli: UI5 Tooling

npm install --global @ui5/cli

generator-easy-ui5: UI5プロジェクトのテンプレートを生成するためのツール

npm install -g yo generator-easy-ui5

2. プロジェクトを格納するためのフォルダを作成

PC内の任意の場所にUI5プロジェクトを格納するためのフォルダを作成します。
今回は"projects"というフォルダを作成し、ワークスペースに追加しました。
image.png

3. プロジェクトのテンプレートを生成する

ステップ1でインストールしたEasy UI5 Generatorを使ってプロジェクトのテンプレートを生成します。
ターミナルを開き、プロジェクトフォルダに移動したら以下のコマンドを入力します。

yo easy-ui5

image.png

プロジェクトの設定について質問されるので答えていきます。

どのプラットフォームで動くアプリケーションか
image.png

UI5のライブラリをどこから取得するか
image.png

プロジェクトのために新しいディレクトリを作るかどうか
Noにすると、現在選択しているディレクトリの直下にwebappフォルダが作成される
image.png

プロジェクト名を入力
image.png

namespaceを入力
image.png

ビューのタイプを選択
image.png

メインビューの名前を入力
image.png

以上を入力すると、npm installが始まり必要なモジュールがインストールされます。
image.png

インストールが終わると、以下のようにプロジェクトが作成されます。
image.png

実行してみる

カレントディレクトリを新規作成したプロジェクトのルートに移動させます。
以下のコマンドでサーバが起動し、ブラウザでアプリが実行されます。

npm start

image.png
image.png

起動したアプリケーションを終了させるには、Ctrl + Cと入力します。

4. 使用するライブラリのバージョンを指定する

ブラウザでSAPUI5のバージョンを確認すると、1.73.2となっています。
image.png

これは、index.htmlのbootstrapでsrcに指定されたソースが持っているバージョンです。CDNから取得しているので、CDNで利用可能な最新のSAPUI5のバージョンになっていると思われます。
image.png

プロジェクトでは使用するUI5のバージョンを固定したい場合もあるので、ライブラリのバージョンを指定する方法を見ていきます。

<ステップ>
1. package.jsonでバージョンを指定する
2. sapui5-runtimeをインストールする
3. bootstrapのsrcをローカルにする
4. ui5-middleware-servestaticをインストールする

package.jsonでバージョンを指定する

sapui5-runtimeをインストールする前(※)にまず、package.jsonファイルに以下を追加します。versionには、以下に記載のある有効なバージョンを指定します。
https://tools.hana.ondemand.com/#sapui5

        "sapui5-runtime": {
                "version": "1.74.1"
        }     

sapui5-runtimeをインストールする

sapui5-runtimeは、SAPUI5 runtimeを以下からダウンロードしてくれるモジュールです。
https://tools.hana.ondemand.com/#sapui5

以下のコマンドを実行すると、SAPUI5 runtimeをダウンロードして解凍してくれます。(結構時間がかかります)

npm install -D sapui5-runtime

※sapui5-runtimeをインストールしてからバージョンの指定を変えたい場合は、npm rebuildを実行する必要があります。

インストール終了後、プロジェクトの中のnode_modulesフォルダ配下に以下のフォルダが作成されます。
image.png

bootstrapのsrcをローカルにする

Easy UI5 Generatorでプロジェクトを作成するときにContent delivery network (SAPUI5)を選択したので、index.htmlのbootstrapでは以下のように、CDNからsap-ui-core.jsを取得するようになっています。sap-ui-core.jsの参照先を上のステップでダウンロードしたリソースに変更したいので、まずは以下のように書き換えます。

変更前

index.html
        <script id="sap-ui-bootstrap"
            src="https://sapui5.hana.ondemand.com/resources/sap-ui-core.js"
            ...>
        </script>

変更後

index.html
        <script id="sap-ui-bootstrap"
            src="../resources/sap-ui-core.js"
            ...>
        </script>

ui5-middleware-servestaticをインストールする

ui5-middleware-servestaticはUI5 Toolingの拡張で、これを使うとローカルにダウンロードしたUI5のリソースを参照することができます。ui5-middleware-xxxという名前で複数の拡張が用意されています。(詳しくはこちら

以下のコマンドを実行します。

npm install ui5-middleware-servestatic --save-dev

package.jsonに以下を追加します。

"ui5": {
        "dependencies": [
          "ui5-middleware-servestatic"
        ]
      }

全体はこんな感じになります。
image.png

ui5.yamlに以下を追加します。

server:
  customMiddleware:
  - name: ui5-middleware-servestatic
    afterMiddleware: compression
    mountPath: /resources
    configuration:
      rootPath: "./node_modules/sapui5-runtime/lib/resources" <-ステップ2でダウンロードしたモジュールのパス

全体はこんな感じになります。
image.png

実行してみる

再びnpm startを実行します。
バージョンを確認すると1.74.0となっており、さきほどと変わったのがわかります。
(指定したバージョンは1.74.1でしたが、なぜ1.74.0になっているのかはわかりませんでした・・・)
image.png

複数プロジェクトで同じruntimeを参照するには

上の手順ではプロジェクト単位にSAPUI5のruntimeをダウンロードしていました。runtimeに関しては、開発中はローカルにダウンロードした一つのソースを参照すれば、都度ダウンロードする手間がはぶけます。
そこで、node_modules配下にあったsapui5-runtimeをprojectフォルダと同じ階層に移動して、以下のように参照します。こうすると、複数のプロジェクトで同じruntimeを参照することができます。

image.png

server:
  customMiddleware:
  - name: ui5-middleware-servestatic
    afterMiddleware: compression
    mountPath: /resources
    configuration:
      rootPath: "../../sapui5-runtime/lib/resources"

この場合、sapui5-runtimeへのdependencyは取ってしまってかまいません。
image.png

5. ソースの変更がすぐにブラウザに反映されるようにする

ここまでは、ソースに何か変更をするたびにブラウザのリフレッシュが必要でしたが、ui5-middleware-livereloadという拡張を入れると、自動的にブラウザをリフレッシュしてくれます。

以下のコマンドを実行します。

npm install ui5-middleware-livereload --save-dev

package.jsonのui5>dependenciesの中に以下を追加します。

"ui5": {
  "dependencies": [
    // ...
    "ui5-middleware-livereload",
    // ...
  ]

全体はこんな感じになります。
image.png

ui5.yamlに以下を追加します。

  - name: ui5-middleware-livereload
    afterMiddleware: compression
    configuration:
      debug: true
      ext: "xml,json,properties"
      port: 35729
      path: "webapp"

全体はこんな感じになります。
image.png

実行してみる

再びnpm startを実行します。コンソールにLiveReloadが起動したことが表示されます。
image.png

LiverReloadはうまくいかない場合があり(原因不明)、アプリに変更を加えてもブラウザがリフレッシュされません。npm startを何度か再実行したり、うまくいっている別のアプリを起動してから起動しなおすと、うまくいくことがあります。
うまくいっているときは、以下の赤枠のメッセージが表示されます。
image.png

この状態でビューに変更を加えると、ブラウザが自動でリフレッシュして変更が反映されます。

App.view.xml
    <App id="idAppControl">
        <pages>
            <Page title="{i18n>title}">
                <content>
                    <Text text="testA" />
                </content>
            </Page>
        </pages>
    </App>

image.png

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