クラウドワークス テックの開発チームでEMをしている @tama50505 です。今年もKaigi on Railsに参加してきました!
このブログを書くにあたって、去年のブログ記事を読み返してみました。あれから1年。今年のKaigi on Railsで一番強く感じたのは〈文化〉を作っていくことの大切さと面白さです。この1年間の個人的な変化と〈文化〉を作ることへのモチベーションについて記録しておこうと思います。
Kaigi on Railsとは
Kaigi on Railsのコアコンセプトは 「初学者から上級者までが楽しめるWeb系の技術カンファレンス」 です。Kaigi on Railsは技術カンファレンスへの参加の敷居を下げることを意図して企画されています。また、名前の通りRailsを話題の中心に据えるカンファレンスではありますが、広くWebに関すること全般(例えばフロントエンドやプロトコルなど)についても扱います。これからも参加者の皆さんにとって、日々の開発に役立つようなカンファレンスであるべく活動していきます。
「仕事」としてカンファレンスに参加する意味
去年の私はKaigi on Railsに有給を使って一人で参加していました。上長に許可を取って仕事として参加することも可能でしたが、「成果を出せていないのに業務として参加していいのだろうか」と葛藤があり、休みの日に参加していました。そんな私を見て、社内のエンジニアから「マネージャーがそれをやったら、メンバーが萎縮するかもしれない」と指摘を受け、ハッとさせられました。
マネージャーはチームの雰囲気を作る存在であり、その行動はメンバーに大きな影響を与える——その自覚が私には足りなかったのです。
この経験からカンファレンスへの参加は個人の学びだけでなく、チームや組織の成長に貢献する「仕事」なのだと意識が変わりました。今年は「チームに還元できる学びを持ち帰る」という強い目的を持って参加しました。結果として、個人的な好奇心だけでなく、チームに必要な技術や今後の課題解決につながるセッションにも目を向けることができ、より多くの収穫があったと実感しています。
1年で広がったRuby Friendの輪
去年のKaigi on Railsは一人で参加して心細かったのですが、ねこさん(@neko314_)やえもりさん(@emorima)が温かく声をかけてくださり、SmartHRさんの事後勉強会でLTの機会までいただくことができました。(参考:登壇資料)
あの経験がきっかけとなり、この1年で私は様々な技術イベントに顔を出すようになりました。顔見知りが少しずつ増えていき、今年のKaigi on Railsでは書ききれないほど多くの方と再会・交流することができました。
印象に残っているセッションの紹介
今回のKaigi on Railsで印象的だったセッションを2つ紹介します。
あなたのWebサービスはAIに自動テストしてもらえる?アクセシビリティツリーで読み解く、AIの『視点』/Yusuke Iwaki
このセッションでは、AIがWebサービスを自動テストする際に活用される「アクセシビリティツリー」を通して、AIがどのように画面を「見ている」のかを解説されていました。アクセシビリティを「人だけでなくAIにも優しくする設計」として考える発想が、とても新鮮でした。
Kaigi on Railsでアクセシビリティに関連する発表があるとは思っていなかったので、とても印象に残りました。
「AIからもアクセスしやすいWebを目指そう」という切り口に、アクセシビリティの理解が広まっていくのでは?とワクワクしました。
Railsアプリケーション開発者のためのブックガイド/takahashim
Railsアプリケーションの開発に役立つ書籍の紹介でしたが、Railsだけに限らずWebアプリケーションを開発するために必要な幅広い分野の書籍が多数紹介されており、その情報量の多さに圧倒されました。紹介された書籍のリストが公開されていて、有益すぎたので自チームのメンバーにも共有しました。
また、技術的な話題だけでなく、チームや〈文化〉について語られていた点もとても印象的でした。
「Railsでサービスを作ることは、ソフトウェアを作るための〈文化〉を作ることである」
「人が入れ替わることを前提に、変わっていくチームを支える柱となるものとしての〈文化〉が必要」
※今回のセッションでは、〈文化〉を「チームの構成メンバー個々人を超えて、なんかいい感じにアプリを開発し続けられるための知識や慣習」と定義していたため、本記事でもこの意味で〈文化〉を用います。
これまで私自身も、社内で勉強会を企画したり、RubyKaigiなどカンファレンス参加を取りまとめたりと、〈文化〉をつくるような動きは意識してきました。ただ、その意義をうまく言葉にできなかったところがあります。今回のセッションを通じて、チームや社内の〈文化〉を育てる営みの大切さを改めて実感し、やっていきのモチベーションがまた湧いてきました。
コミュニティに関わるやっていきのモチベーションアップ
実は今回のKaigi on Railsでコミュニティへのやっていきのモチベーションを上げるきっかけがありました。Day2でひょんなことからえもりさん(@emorima)と再びお話しする機会があり、個人的に興味を持っていたRailsGirlsのことを話したところ、「オーガナイザーをやってみれば?」と声をかけていただいたのです。
その瞬間、「これは乗るべき波だ!」と直感して、その場で「やります」と答えました。
RailsGirls とは?
どのようなものかをとても大雑把に説明すると「女性向けのRailsワークショップを中心としたコミュニティ」です。 ワークショップではプログラミングを学ぶために参加する女性(ガールズ)のプログラミングの知識を問わず、Webアプリを1日かけて作ります。
引用:「RailsGirlsって何?」と聞かれたときに話していること2021 - イノたまごラボ・あのぶる の「こんなの作ったよ!
この話をよねさん(@13mama14)に伝えたところ、快くオーガナイザーを一緒にやってくれることになりました!よねさんはこの1年で出会ったRubyFriendsのひとりです。さらに、同じ会社の同僚からも一緒にオーガナイザーをしてくれる仲間が見つかり、去年ひとりでKaigi on Railsに参加していたときには想像もつかなかった世界が、こうして仲間と一緒に広がっていくのが本当にうれしいです。
【宣伝】 RailsGirls Tokyo 18th
日程:2026年2月13日(金)〜14日(土)
会場:株式会社クラウドワークス本社
東京都港区麻布台1丁目3-1 麻布台ヒルズ 森JPタワー28階
※ 参加者の応募方法については、後日お知らせいたします。
私自身が女性自認であり、また最初のキャリアがエンジニアであり「女性エンジニアを増やしたい」という思いがあります。そのため、プログラミング未経験の女性を対象とするRailsGirlsの活動に、強く共感しています。
興味のある方は、ぜひ参加者やコーチとしての応募をご検討ください。オーガナイザーの一人として、どんな出会いや学びが生まれるのか、とても楽しみにしています!
まとめ
Kaigi on Railsは、私にとって新しい学びの場であり「Ruby Friends」と出会える場所でもあります。参加するたびに、コミュニティへの関わり方を考えさせられます。今回は特に「コミュニティは誰かが作ってくれるものではなく、自ら関わっていくもの」だと強く感じました。Kaigi on RailsのOrganizerのみなさま、Speakerのみなさま、そして参加者のみなさん、みんなでコミュニティを育てていることを感じて、感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!来年も絶対に参加します!
