本記事の位置づけ — 本記事は、
awslabs/aidlc-workflowsリポジトリの規範ルールおよび利用ガイドを素材として、筆者が AI を活用して読み解き、まとめた解釈です。AWS が公式に発表した方法論ではなく、一次資料の翻訳・要約でもありません。シリーズ — 本記事は AIで紐解くAI-DLC v2 シリーズの一部です。
参照した版 — Claude Code 実装を対象に、2026 年 7 月 27 日時点のコミット
9f91454(AIDLC_VERSION 2.5.11、core/)を参照しています。Claude Code 以外の実装(Kiro CLI/Kiro IDE/Codex CLI/opencode)は対象外で、記述が異なる場合があります。OSS 実装は更新が続いているため、最新の状態は公式リポジトリをご確認ください。
概要
AI-DLC v2 のワークフローは、5つのフェーズに分かれた32のステージからなり、14体のエージェントがそれを担います。本記事は、その全ステージとエージェントを、番号・フェーズ・担当つきで一覧にした引くためのリファレンスです。
ステージは「フェーズ番号.連番」で識別します(フェーズは登場順に Initialization=0/Ideation=1/Inception=2/Construction=3/Operation=4)。各記事に出てくる 2.8 のような番号は、ここで名前と中身を引けます。どのステージが実際に走るかはスコープ次第で、その仕組みは別記事「スコープ」で扱います。
フェーズ
| 番号 | フェーズ | ねらい |
|---|---|---|
| 0 | 初期化(Initialization) | ワークスペースの足場を作り、新規(greenfield)か既存(brownfield)かを判定して状態管理を始める。承認ゲートのない自動の準備工程 |
| 1 | 発想(Ideation) | 何を・なぜ作るかを定め、市場と実現性を確かめ、作る範囲を絞る。ビジネス・戦略寄りの工程 |
| 2 | 構想(Inception) | 要件と設計を固め、アプリを作業単位(Unit)に割り、実行計画(Bolt の並び)まで決める |
| 3 | 構築(Construction) | 設計からコードまでを作業単位ごとに実装し、ビルド・テスト・CI を通す。実際にプロダクトができる工程 |
| 4 | 運用(Operation) | 本番へデプロイし、監視・インシデント対応・性能検証・改善を回す |
ステージ
全32ステージを番号順に並べます。各ステージが実際に走るかはスコープ次第です(別記事「スコープ」)。
初期化(Initialization)
| 番号 | ステージ | 何をする | 主担当 |
|---|---|---|---|
| 0.1 | 足場作り(workspace-scaffold) | ワークスペース(aidlc/spaces/<space>/)のディレクトリ構造を作る |
コンダクター |
| 0.2 | 環境判定(workspace-detection) | 新規か既存かを判定する | コンダクター |
| 0.3 | 状態初期化(state-init) | 状態ファイルを作りワークフロー管理を始める | コンダクター |
発想(Ideation)
| 番号 | ステージ | 何をする | 主担当 |
|---|---|---|---|
| 1.1 | 意図キャプチャ(intent-capture) | 何を・なぜ作るかの意図を捉え、枠組みに整理する | プロダクト |
| 1.2 | 市場調査(market-research) | 競合や市場規模を調べ、勝ち筋と位置づけを定める | プロダクト |
| 1.3 | 実現性評価(feasibility) | 技術的な実現性と制約を確かめる | アーキテクト |
| 1.4 | スコープ定義(scope-definition) | 作る範囲(実行するステージ)を絞る | プロダクト |
| 1.5 | チーム編成(team-formation) | 必要なエージェント体制を決める | デリバリー |
| 1.6 | ラフモックアップ(rough-mockups) | 主要画面・操作のラフ案を作る | デザイン |
| 1.7 | 承認・引き継ぎ(approval-handoff) | 発想の成果を承認し、次フェーズへ引き継ぐ | デリバリー |
構想(Inception)
| 番号 | ステージ | 何をする | 主担当 |
|---|---|---|---|
| 2.1 | リバースエンジニアリング(reverse-engineering) | 既存コードを解析し現状を把握する(brownfield のみ) | デベロッパー |
| 2.2 | 作法の発見(practices-discovery) | チームの開発慣習を調べ、ルールへ昇格する | パイプラインデプロイ |
| 2.3 | 要件分析(requirements-analysis) | 要望を洗い出し、検証できる(曖昧さのない)要件に整理する | プロダクト |
| 2.4 | ユーザーストーリー(user-stories) | ストーリーと受け入れ基準を書く | プロダクト |
| 2.5 | 詳細モックアップ(refined-mockups) | 画面・操作を詳細化する | デザイン |
| 2.6 | アプリケーション設計(application-design) | 構成・ドメインモデルを設計する | アーキテクト |
| 2.7 | 作業単位の生成(units-generation) | 作業単位(Unit)と依存関係を作る | アーキテクト |
| 2.8 | デリバリー計画(delivery-planning) | 実行計画(Bolt の並び)を決める | デリバリー |
構築(Construction)
| 番号 | ステージ | 何をする | 主担当 |
|---|---|---|---|
| 3.1 | 機能設計(functional-design) | 各機能の振る舞いを設計する | アーキテクト |
| 3.2 | 非機能要件(nfr-requirements) | 性能・セキュリティ等の非機能要件を定める | アーキテクト |
| 3.3 | 非機能設計(nfr-design) | 非機能要件を満たす設計を行う | アーキテクト |
| 3.4 | インフラ設計(infrastructure-design) | アプリを載せるクラウド基盤(ネットワーク・計算資源など)を設計する | AWSプラットフォーム |
| 3.5 | コード生成(code-generation) | 設計を、実際に動くコードへ落とす | デベロッパー |
| 3.6 | ビルド・テスト(build-and-test) | コードをビルドし、テストを書いて緑(パス)にする | 品質 |
| 3.7 | CIパイプライン(ci-pipeline) | 変更のたびに自動でビルド・テストする仕組み(CI)を用意する | パイプラインデプロイ |
最初の Bolt(3.1〜3.5 を最小構成で1本通す)の仕組みは、別記事「ウォーキングスケルトン」で扱います。ビルド・テスト(3.6)と CI パイプライン(3.7)は Bolt ごとではなく、全 Bolt 完了後に一度だけ走ります。
運用(Operation)
| 番号 | ステージ | 何をする | 主担当 |
|---|---|---|---|
| 4.1 | デプロイパイプライン(deployment-pipeline) | 本番へ安全に届けるためのデプロイ手順を自動化する | パイプラインデプロイ |
| 4.2 | 環境プロビジョニング(environment-provisioning) | アプリが動く本番/検証環境を構築する | AWSプラットフォーム |
| 4.3 | デプロイ実行(deployment-execution) | 本番へデプロイする | パイプラインデプロイ |
| 4.4 | 可観測性セットアップ(observability-setup) | 監視・ログ・メトリクスを整える | オペレーション |
| 4.5 | インシデント対応(incident-response) | インシデント対応の体制・手順を作る | オペレーション |
| 4.6 | 性能検証(performance-validation) | 本番の性能を検証する | 品質 |
| 4.7 | フィードバック・最適化(feedback-optimization) | 運用フィードバックを集め、改善につなげる | オペレーション |
エージェント
成果物を作る11体(主担当になり得る9体+補佐専任2体)に加え、レビューだけをする2体と、スコープを組むコンポーザー1体がいて計14体です。レビュアーは主担当・補佐とは別枠で、特定の12ステージに READY/NOT-READY と指摘を添えます。流れを止めない検証で、最終判断は承認ゲートの人が下します(別記事「レビュアー」)。
| 名前 | 専門領域 | 主担当になり得るか |
|---|---|---|
| プロダクト | プロダクト管理・ビジネス分析 | ○ |
| デザイン | UX/UI デザイン・アクセシビリティ | ○ |
| デリバリー | エンジニアリングマネジメント・Bolt 計画 | ○ |
| アーキテクト | ソリューション設計・ドメインモデル・NFR | ○ |
| デベロッパー | コード生成・データモデリング | ○ |
| 品質 | QA・テスト戦略 | ○ |
| AWSプラットフォーム | インフラ設計・クラウド基盤 | ○ |
| パイプラインデプロイ | CI/CD・リリース管理 | ○ |
| オペレーション | SRE・信頼性・可観測性 | ○ |
| DevSecOps | セキュリティ・脅威モデリング | ✕(補佐専任) |
| コンプライアンス | GRC・規制対応・リスク評価 | ✕(補佐専任) |
| アーキテクチャレビュアー | 技術設計のレビュー(独立評価) | ✕(レビュー専任) |
| プロダクトリード | 要件・プロダクトのレビュー(顧客の声) | ✕(レビュー専任) |
| コンポーザー | アダプティブワークフローの構成(実行するステージの組み立て) | ✕(コンポーズ専任) |
参照元
| ファイル | 内容 |
|---|---|
core/aidlc-common/stages/(32本) |
全32ステージの定義(フェーズ・slug・依存・主担当) |
tools/aidlc-graph.ts |
ステージの依存グラフとコンパイル順(番号の根拠) |
aidlc-common/protocols/stage-protocol-recovery.md |
フェーズ採番(0.1–0.3 … 4.x)の記載 |
core/agents/(14ファイル) |
エージェント14体(成果物を作る11体+レビュー専任2体+コンポーザー1体) |
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目次: AIで紐解くAI-DLC v2